映画の紹介73本目 『マージン・コール』
こんにちは、たくやです。
今日紹介する映画は、
『マージン・コール』です。
この映画は、
J・C・チャンダー監督の作品で、
2007年に発生した世界金融危機(リーマン・ショック)に焦点を当てて、金融危機のあいだに従業員たちが取る行動を描いています。
大量解雇が始まったウォール街の投資会社で解雇対象となったエリックが、アナリストのピーターに意味深な言葉とUSBメモリーを託して、その後の衝撃の展開が発覚していく物語です。
【監督のJ・C・チャンダーについて】
アメリカ映画監督で脚本家です。
米オハイオ州のウースター大学を卒業後、ニューヨーク大学で映画製作を学び、CMや短編ドキュメンタリーなどでキャリアを積みます。
08年の世界金融危機を題材にした「マージン・コール」(本作。11)で長編映画監督としてデビューを果たします。
同作は脚本も自ら手がけて、アカデミー脚本賞にノミネートされるなど高い評価を得ました。
名優ロバート・レッドフォードを主演に迎えた長編2作目「オール・イズ・ロスト 最後の手紙」では脚本・監督を手がけ、同作はカンヌ国際映画祭のアウト・オブ・コンペティション部門に出品されました。
映画のほかでは、エルトン・ジョン、レッド・ホット・チリ・ペッパーズらのミュージックビデオなども手がけています。
【あらすじ】
ウォール街のとある投資銀行で、非公表の大量解雇が断行されました。
即日退去を言い渡されたリスク管理部門の責任者エリック・デールは、「用心しろ」という意味深な言葉を残して、USBメモリーを部下のピーター・サリヴァンに手渡します。
その晩、USBのデータを分析したピーターは、会社のポートフォリオにおける不動産担保証券(サブプライム商品)の価格変動率が、「ヒストリカル・ボラティリティ」を上回る可能性があることに気が付きました。
過度のレバレッジによって会社の資産が25%減少すれば、時価総額を上回る損失を負いかねないためです。
そこで会社は、総資産を超える損害リスクのある大量のMBSを保有している、という結論に達するのでした。
そして既に状況は逼迫しており、明日にもリスクが顕在化する危険がありました。
上司のウィル・エマーソンとサム・ロジャースは、緊急役員会の招集を進言します。
会社の存亡の瀬戸際で役員達が導き出した結論は、市場が気付く前に全ての不良資産を早急に売りさばくことでした。
サムは、「無価値のものを誰にも知られないように売りぬく」という決定は、顧客や市場の信頼を失うことが明白で、自分の信念に反すると社長に抵抗します。
エリックも脅され会社に戻されるのでした。
結果として、取締役会の決定として出された指示を部下に伝達して実行することになり、当然の事ながら自分もリストラされると覚悟していました。
しかし、成し遂げたサムが聞いたのは「お前は生き残った」という言葉でした。
そして、「MBSを売り抜くことを指示した」自分の部下の多くが解雇されている中で、自分だけ生き残ったことを知り、サムはいたたまれず社長に「辞める」と言い、ラストへ向かう物語です。
【最後に】
本映画を鑑賞して、
アメリカのリーマン・ショックについての理解を深めるのにとても勉強になると感じました。
エンタメ性はそこまでないものの、リアルな現場感が伝わってくる映画で、「マネー・ショート」なども観てみるとより理解が深まるかと思います。
リーマン・ショックのように、事前に国内がバブルになっていることにいち早く気付く直感や自身の人間関係次第で、この状況は予測可能なので、より勉強しながら幅広い情報網を得る事が大切だと学びました。
とてもオススメの作品です!