本の紹介24冊目 『現代語古事記』
今回私が紹介するのは、『現代語古事記』です。
本書は、「信じられないほど読みやすい」「はじめて完読できた」と称賛されており、
古事記全文を日本語訳しているので、神話・文学・歴史・天皇など、日本の古代世界を生きた言葉で学ぶことができます。
【著者の竹田恒泰さんについて】
著者は、作家・慶應義塾大学の講師であり、旧皇族竹田家に生まれら明治天皇の玄孫です。
また、『語られなかった皇族たちの真実』『日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか』『現代語古事記』など、多数の著書を出版しています。
また、全国17ヶ所で開催している「竹田研究会」を含め、年間200本以上の講演を行っています。
【古事記とは】
『古事記』とは、天武天皇の勅令によって西暦712年に編纂(へんさん)された、現存する日本最古の歴史書です。
天武天皇が稗田阿礼(ひえだのあれ)という官人に詠み習わせ、それを太安万侶(おおのやすまろ)という人物が筆記したとされます。
古事記は、上巻・中巻・下巻の全三巻からなり、上巻は天地の創造から神代を語り、中・下巻は初代神武天皇から33代推古天皇までの事績を記して、原本は存在せずに後世の写本が現在に伝わっています。
【なぜ今古事記なのか?】
20世紀を代表する歴史学者である、アーノルド・J・トインビーは、
「12、13歳くらいまでに民族の神話を学ばなかった民族は、例外なく滅んでいる」
と言葉を遺しています。
民族が存立するには、民族神話を学ぶことが大切だと著者は指摘しています。
日本は太平洋戦争で敗戦後、アメリカのGHQによって、
・歴史的事実ではない
・創作された物語に過ぎない
・科学的ではない
などの理由で、『古事記』『日本書紀』(「記紀」と総称される)は「学ぶに値しない」とされて、これらは封印され、国民の意識から抹消されてきました。
また日本は現存する世界最古の国家であり、
「世界で一番長く続いている国(2020年現在、建国2680年目)」でギネスにも認定されています。
【古事記の物語について】
はるか昔、天と地が最初にでき、しばらくして現れたのが、イザナギとイザナミという男女の神でした。
二神が男女で交わることによって島ができ、最初に淡路島、そして最後に本州が生まれ、日本列島ができます。
続いて神々を生んでいきますが、火の神を生むときにイザナミは焼かれて死んでしまいます。
イザナミは黄泉国(よみのくに)に連れ戻しに行きましたが、変わり果てたイザナミの姿を見てしまい追いかけられて、イザナギは黄泉の入口をふさぎ二神は永久に別れます。
その後イザナギは「禊(みそぎ)」を行った時に、は三貴子である
・アマテラス
・ツクヨミ
・スサノオ
を産みます。
そこから、スサノオの子孫あるオオクニヌシは、因幡の白兎を助けますが、ほかの神々の嫉妬を受け、根之堅州国(ねのかたすくに)に逃げました。
そこで、スサノオの娘であるスセリビメと出会い結ばれます。
祖父であるスサノオが出す数々の試練を乗り越えて結婚を許されると、地上での国づくりに着手しました。
しかし、アマテラスは、地上の国は私の子孫が治めるべきと考えており、子であるニニギたちを地上に派遣します。
オオクニヌシは出雲大社の建造を条件に、ニニギに国を譲りました。
そしてニニギは地上で出会い、一目惚れしたサクヤヒメとの間に子供を授かります。
それが後に神武天皇として即位し、以降何代にも渡る天皇の歴史が始まっていきます。
【最後に】
本書は、日本の古事記について分かりやすい解説で理解することができ「日本とは何か?」「日本人とは何か?」を知ることができます。
古事記の入門書として読んでみることをおすすめします!
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