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独学でも一級建築士学科試験の法規で満点が取れる学習方法とおすすめ法令集

一級建築士学科試験の法規科目について、独学でも点数を取れるようになった実際の取り組みを紹介します。

法令集の使い方や試験問題の解法についてまとめていきます。

法規でどこから学習すればよいか分からない方点数をもっと伸ばしたい方の参考にしていただけると幸いです。


実際に使用していた法令集

実際に使用していたのは、総合資格学院さんの法令集(B5サイズ)です。

学科試験に持ち込める法令集ですが、どの法令集を使って学習するのか
とても重要です。
実際に使用して感じた良かった点良くなかった点をまとめていきます。

良かった点

  1. 法令集の購入時に付録のハガキから「アンダーラインの引き方」
    「インデックス」を無料で貰える

  2. 条文が2段組みになっているため目線の横移動が少ない

  3. タイトルが太字になっていて見やすい・一色刷りになっている

  4. B5サイズに比べて文字が大きく目が疲れない


初めて法規を学習する方は「アンダーラインの引き方」「インデックス」
だけで紹介した法令集を選んでも良いくらい価値があります。

2番の二段組みに関しては、ある程度問題を進めていくと重要になってくる
ポイントだと思います。

3番の一色刷りは、アンダーラインの色と混同することが嫌で筆者は
一色刷りを選んでいました。

法令集はA5サイズとB5サイズがあります。
それぞれメリット・デメリットがあるので、文字の大きさと本の重さを
比較して自分に合うものを選ぶと良いです。

良くなかった点

  1. A5サイズと比べて大きいため持ち運ぶのに重い

  2. 関連条文がぱっと見で分かりにくい

  3. 営業の電話が掛かってくる
    (「アンダーラインの引き方」と「インデックス」を申し込んだ場合)


2番の関連条文についてですが、関連条文の位置が本文の後ろに
書かれている場合や本文とは分けた位置に書かれている場合など、
出版元によって違いが見られます。

総合資格学院さんの法令集は前者ですが、筆者はアンダーラインを引いて
対策をしていました。

3番の営業の電話は仕方のないことですが、やはり
「アンダーラインの引き方」と「インデックス」のメリットが大きいと
思って割り切っていました。

アンダーラインの引き方について

3色カラーで色分け

基本的には赤・青・緑の3色で線を引いていきます。
色分けの基準は次の通りです。

  • 赤・・・肯定文

  • 青・・・否定文

  • 緑・・・用語とその解説


法令集は複雑な文章で書かれています。

赤と青の色分けはこの複雑な文章を分かりやすくするため
重要な色分けです。
次の「アンダーラインのポイント」で少し詳しく触れていきます。

また、実際の問題の中には用語とその意味を問われる問題
必ずと言って良いほど出題されます。

そのような問題の対策として、3色目の緑を使って法令集を見開いた際に
用語を見つけやすくしました。

アンダーラインのポイント

いきなりですが、法令集の条文がなぜこんなに複雑に書かれているか感じたことはありませんか?

「以上・以下」などの言い回しや二重否定、三重否定などが読みにくくなっている要因に感じます…

少し具体的に文章をに出してみます。

「昨日の夜ご飯は1,000円以上使わないように意識しなくて良かった。」

この文章にアンダーラインを引くなら「昨日の夜ご飯は1,000円以上」、
「良かった」を赤で引きます。
つまり、アンダーラインの部分を読み少しお金を使っても良かったと
読み取るようにします。

結論、条文の回りくどい言い方は全て飛ばして、主語と結論の部分のみに
アンダーライン
を引き、読みやすくすることがポイントです。

アンダーラインの作業で、問題回答中に文章を理解する手間を省きます。

インデックスの付け方について

付ける位置

横側と上側の2か所に分けることをおススメします。

  • 横側・・・条文の大きなまとまり
    (第○○条の「〇〇」を見つけやすくする)

  • 上側・・・条文の中でもさらに細かく分類するとき
    (第〇項、第○号など)


法規の学科試験において、問題文で書かれている内容が法令集の
どのあたりに書かれているのか分かるようになることが第一です。

具体的な数字や内容は、重要度としてはその次です。

また、条文の中でも引く頻度の高いページと低いページがあります。
過去問を解きながら、良く引くページだと思ったところは
迷わずインデックスを付けると良いです。

インデックスを自作する際の注意点

法令集の表・裏表紙どちらからもインデックスの項目が見られるように
することが必須です。

実際に問題を解く際には法令集のページを行ったり来たりします。
そのような時に問題ごとに表紙に戻っていると時間のロスに繋がって
しまいます。

法規の科目は時間との勝負もあるので、可能な限り時間工夫して
有効活用しましょう。

演習問題を使った実際の学習方法

学習スタート時の状況

  • 法令集は読んだこと無し

  • 大学の授業内容程度の理解度

使用教材

  • まっさらな法令集

  • 分野別過去問題集(過去問を分解して分野ごとに整理した問題集)


初めから問題に取り組みます。
ちなみに筆者は問題集を順番通りに進めました。

・問題文を読んで全く分からない場合

  1. 問題集の回答を見て問題文に一致する法令集のページを読み込む。
    必要であれば一致する箇所以外の条文も読み込む。
    ここで、問題文を読み内容を理解することを目指します。

  2. 「アンダーラインの引き方」をみて重要なポイントを把握する。
    合わせて、アンダーラインを引き、インデックスも付ける。

  3. 問題文に戻って正誤判断をする。

・問題文を読んで内容が少し分かる場合

  1. 法令集を引き、目的の文章を探す。
    ここで、目的以外の文章を読むことになると思うので、その条文も
    理解することが大切です。

  2. 問題文に戻って正誤判断をし、正解ならOK、不正解なら復習する。

暗記すべき内容と暗記を避けた方が良い内容

暗記すべき内容

建蔽率・容積率・高さ制限の計算問題は暗記で解けるようになることを
おススメします。

これらの問題は計算問題になるので、法令集を引きながら計算となると時間がかかってしまいます。

注意していただきたいのは、丸暗記ではなく住居系かそうでないか
数字を暗記するようにしましょう。
それだけでも法令集を引かずに問題が解けるようになると思います。

ちなみにですが、学科試験を突破した後は製図試験が控えています。

この製図試験、法規科目の計算問題を暗記で解けることが前提
試験問題が出題されます。

いずれ暗記することになるのであれば、先に覚えておいた方が
良いですよね!

暗記を避けた方が良い内容

知りたい条文が法令集のどのあたりに書かれているのか把握することが
大事とお伝えしましたが、「第○○条」の○○の数字は覚えなくても
良いと思います。

筆者は一部覚えたことがありますが結局のところ、インデックスや
法令集の厚みと指先の感覚で知りたい条文を引けてしまい
覚えた意味がありませんでした。

試験問題の解法と時間配分について

さて、これまでは時間をかけながらも内容理解し正答率を上げることを
重点に置いた学習方法をまとめてきました。

試験は105分で30問解いていきます。
1問あたり4つの正誤判断をするので、単純計算で1つの正誤判断に
1分も時間はありません
つまり、すべての選択肢を法令集を使って正解を導くのは、
ほぼ不可能
です。


筆者が実際にやっていた解法をまとめます。

  1. 4つの選択肢をすべて読み、2択に絞る
    (法令集は使わない)

  2. 2択を法令集を引いて調べ、正解の選択肢を選ぶ。

  3. もし2択で法令集を引いて調べた後、正解の選択肢がなかった場合、
    1の手順で捨てた選択肢も見直す。
    (必要に応じて法令集を引く)


この方法で1問あたり約3分、計約99分で解いていました。

解法は一例ですが、法規試験を突破するのには時間の工夫が必要です。

正解が分からずにパニックになる可能性も十分あります。

最終手段として、問題を切り捨てる判断も出来るようにしっかり心構えをしておきましょう。

まとめ

独学でも法規試験で点数が取れるようになった具体的な方法を
まとめてきました。

法規試験の学習は過去の学生生活の中ではあまり経験したことのない
タイプの学習だと思います。

筆者も何からスタートすればよいか分からずに学習を始め、
方法を模索しながらも点数が取れるようになりました。

現在学習方法に悩んでいる方や将来一級建築士を目指す方の
学習の参考になれば幸いです。

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