YYコンテストの"メンター"を終えて
こんばんは。
アローサル・テクノロジーの佐藤です。
今回は、2021年6月から開始したYYコンテストのメンターを無事終了したので、記録として執筆しておきます。また、今後YYコンテスト応募される方、メンターをされる方にとって良い情報になれば幸いです。
大変良い機会で、より多くのことを学ぶことができました。
また、行動力もあり、熱く素晴らしいチームメンバーに出会えて事を光栄に思います。本コンテストのメンターに推薦してくれたアスカレッジの松尾さんにも大変感謝です。
1.YYコンテストとは?
グラミン銀行創設者であり、ノーベル平和賞受賞者であるバングラデシュのムハマド・ユヌス博士が提唱するソーシャル・ビジネスを具現化するために、日本で唯一のユヌスセンターである九州大学ユヌス&椎木ソーシャル・ビジネス研究センター(SBRC)が開催するコンテストになります。
2012年からスタートした本コンテストは、ユヌス・ソーシャル・ビジネスの七つの原則のもと、多くのソーシャル起業家として活躍したい学生や一般の方が応募し、ワークショップを通して社会課題解決を目的としたビジネスプランをブラッシュアップ、実現を支援するコンテストになります。
(ユヌス・)ソーシャルビジネスの七つの原則
1.社会的問題(貧困、環境、医療、エネルギー、教育など)の解決が目的
2.財務的・経済的な自立・持続
3.株主への出資額以上の返還はなし
4.他のソーシャル・ビジネスへの還元
5.ジェンダー・環境への配慮
6.社員のための良い労働環境と給与
7.・・・楽しみながら
6月にスタートした2021年度のYYコンテストでは、月に1回ある計4回のワークショップと、応募チームとマッチングしたメンターとの定例ミーティングを通して予選⇛本選⇛グランドチャンピオン大会での優勝を目指します。
ワークショップテーマ概要
①ソーシャル・ビジネス概論
②チームビルディング/創業ステージに応じた組織の作り方/仲間集め
③社会課題をビジネスで解決する手法
④顧客ニーズの仮説と検証
⑤ビジネスモデル構築
⑥収支計画策定
⑦成長戦略/事業計画の書き方
⑧仮説検証の重要性/ビジネスモデルの仮説検証実践
⑨ソーシャル・ビジネスマーケティング
⑩ソーシャル・ビジネスの資本戦略/資金調達
⑪オンラインプレゼンの構成と方法
ワークショップやメンタリングの中、途中で脱落していくチームもあります。作成する資料も多く、ワークショップやメンタリングの時間をしっかり確保する必要があります。
本気と根気が必要。起業家にとって必要な素質だと思います。
2021年度YYコンテスト/本選までのスケジュール
06/27(日) ワークショップ#1 9:30-13:00
07/17(日) ワークショップ#2 9:30-13:00
08/22(日)ワークショップ#3 9:30-13:00
09/12(日) ワークショップ#4 9:30-13:00
09/30(日)プレゼンテーション動画/資料の提出【予選審査】
10/4(月) 予選結果発表/本選参加チームの発表
10/09(土) 学生部門本選(最大10チーム)
10/10(日) 一般部門本選(最大10チーム)
11/07(日)グランドチャンピオン大会(6チーム)
予選・本選へすすめるチームは、YYコンテストに準拠した審査基準を元に審査されます。この内容自体は、ソーシャルビジネスだからではなく、多くの起業家が頭に入れておきたい基準です。一般的なピッチコンテストでも重要視されている内容でもあります。
予選・本選審査基準
【必須項目】
ユヌス・ソーシャル・ビジネスの7原則に基づいたビジネスモデルになっているか?
【評価項目】
①実現性:プロトタイプなどがあり、実際に少しでも現実的に動かせるものであるか?
②組織力:ビジネスプランを実行に移していくための組織力が構築されているか?
③行動力:パートナーを組めているか?契約書などを取れているか?
④収益性:持続可能な収益モデルで正確な収支計画が立てられているか?
⑤戦略性:スモールスタートから事業発展を視野に入れた、中長期的な戦略が立てられているか?
⑥使命感:社会課題を何としてでも解決したい動機、当事者意識、使命感を持っているか?
⑦社会性:社会課題を解決できるビジネスか?社会的インパクトを数値で出せているか?
⑧独創性:独創的な視点、アイディア、事業モデルで差別化がなされているか? ⑨市場性:根拠に基づき検証された顧客ニーズを捉えた商品サービスになっているか?横展開できるビジネスか?
⑩表現力:資料(デザイン性、内容、構成)やプレゼンで伝えたいことが伝えられているか?
2.メンターへ応募した理由/メンターとは?
私が、本コンテストにメンターとして応募した理由は5つです。
1.バングラデシュと九州にご縁があったため
2.ソーシャルビジネスに関心が強くあったため
3.起業を目指す人たちへ貢献をしたかったため
4.社会課題解決に関心のある方々と繋がりたかったため
5.リーダーではなくメンターとしてのスキルを磨くため
私が学んだメンターの役割とは
参加者の思いを形にして、ビジネスとして成立させるための伴走者
でした。
私はリーダーや、コンサルタント、プロジェクトマネージャーなどの経験はありましたが、メンターとしての経験がなかったため、自分が先導せず伴走するという経験は大変刺激的でした。
【メンターに含まれる役割】
・よき相談相手
・ファシリテーター
・進行管理役
・チェック役
・人脈のハブ
・モチベーター
・経験者
【メンターに含まれない役割】
・指導者
・上司
・監督
・顧問
・先生
・師範
・チームメンバー
・友達
自分の意見で先導していくタイプだった私は、「しっかり相手の話を聞く」ということを改めて意識し、相手の意見を尊重することを学びました。
これは、一緒に働く役員や社員、取引先相手などすべてに人に対して必要なことです。
相手の成功を、自分の成功であると心から思えますか?
メンターとして多くのことを学ばせていただきました。
3.どんなチームのメンターだったの?
私が担当させていただいたのは、
SUStech.(サステック)
『誰でもどこでも地球を再生できるアプリ「MyEarth」』
を手掛けるチームです。
学生という立場ながら、一般部門に応募したチームです。
起業に、学生も一般も関係ないという志高い2人でした。
代表の田畑さんは、APU 国際経営学部3年生で、UI/UXデザインとプレゼンターとして全体を取りまとめ、相方のFarukさんは、私も縁のあるバングラデシュ出身でAPU アジア太平洋学部4年で、アプリ開発のPMを務めました。
正直私ができたことは、話を聞いただけかもしれません。
行動力が凄まじく、資料の作り込み、パートナー開拓まで前倒しでやって遂げるチームで、審査員からはセンスもあると評価を受けました。
予選、本選と無事通過し、グランドチャンピオン大会では優勝を悔しくも逃したものの「パーソネルコンサルタント様より企業賞」を受賞しました。
最後の最後まで資料とプレゼンをブラッシュアップし、やり遂げたと思います。やり抜く力「GRIT(グリット)」は、起業家にとって本当に必要な素質です。そんな力をもつチームでした。
2021年11月10日に最後のチーム会議として、振り返りMTGをしました。
来月にはソニーのアクセラレーションプログラムで決勝を迎えるとのことで、次なる挑戦が既に始まっていました。すごい。
二人にとってのメンターとしての私の役割はここで幕を閉じますが、これかららは良き先輩起業家、良きビジネスパートナーとして関係を深めていけたらと思っています。
最後に「僕たちにとってのメンター賞は、佐藤さんでした!」という言葉にうるっときちゃいましたね。一生懸命向き合ったてきた想いが伝わっていて嬉しかったです。
サービスを通して、環境課題解決をガンガンおこなっていきましょう!
ありがとうございました!
4.最後に
YYコンテストを主催していただいた九州大学ユヌス&椎木ソーシャル・ビジネス研究センター(SBRC)のみなさま、
メンターやチームを最後までサポートしてくださった事務局のみなさま、
審査員、企業賞をご用意いただいた企業のみなさま、
YYコンテストに応募し、チャレンジしたチームのみなさま、
YYコンテストのメンターに推薦してくれたアスカレッジの松尾さん、
そして、最後まで一緒にチャレンジできたSUStech.の田畑さん、Farukさん
本当にありがとうございました。お疲れ様でした!
来年も機会があれば、メンターとして参加できれば嬉しいです。