MTG「指輪物語:中つ国の伝承」競技シールドイベント・メタゲームブレイクダウン【第3回お団子杯】
「指輪物語:中つ国の伝承」(以下LTR)環境のオンライン競技シールドイベント「第3回お団子杯」が7月9日現在行われている。お団子杯はユーザー開催のイベントではあるが、MTG殿堂プレイヤーやプロツアー出場者、ArenaOpen賞金獲得者といった有力リミテッダーが数多く出場しているイベントであり、環境の理解度が高いプレイヤーが集まっている貴重なリミテッドイベントと言える。
予選ウィークエンドを翌週に控えている今、環境理解度の高いプレイヤーがどういった選択をしたかを知っておくことは有益だろう。彼らのデッキ分布から、LTR環境のシールド構築の傾向を確認してみたいと思う。
まず、デッキを色別集計した結果は以下のとおりである。
黒赤が48.9%を占めるという驚くべき結果になった。シールドというプールにランダム性のあるフォーマットであるにも関わらず、プレイヤーの半数が黒赤を選択した。LTR環境のドラフトで最強カラーとして認識されていることも、この結果に結びついていると思われる。
LTR環境の黒赤はオーク動員の色であるが、除去の質が他の色よりも圧倒的に優秀であることが大きな強みとして存在する。LTR環境の特性として「クリーチャーシナジー環境」が挙げられるが、除去が強ければシナジーを形成させずに戦うことができる。
また、ハンデスを採用できる点もシールドでは加点対象となる。シールドではレアを軸にデッキを組むことも多いため、着地前にレアを刈り取れる可能性があるのは嬉しい。
第2勢力以降の内容は割愛し、続いてデッキが純正2色か、それともタッチ・多色化しているかの集計結果を示す。
タッチ・3色が68.1%という結果になった。タッチの内訳としては、優秀なレアや伝説の呪文を採用しているパターンが多かった。
マナベースとしては、土地サイクリングのカードを採用している他に、《城塞の大広間》を採用しているパターンが多く見られた。タッチのカードの基本土地を一切採用していないパターンもあり、強い伝説の呪文が多いと考えているプレイヤーが多いと捉えることができた。
なお、純正2色の73%が黒赤で、それらは除去とクリーチャーで綺麗に組まれたものが多いという印象を受けた。
最後に色単体で観た時の使用率を確認する。
メインカラーの採用率は「黒 > 赤 >>> 白 > 緑 > 青」となった。前述の通り除去やハンデスの強い黒が最大勢力であり、黒と最も相性の良い赤、次点で黒と相性の良い白が続く形となった。
一方でサイドカラーの使用率は「青 > 白=赤=緑 > 黒」となった。黒をメインカラーに据えているプレイヤーが多いので、黒が最も使われていないのは自明となる。
最もタッチされている青については、有力なマルチカラーのカードを採用しているパターンが多く見られた。例えば、指輪の誘惑が2回誘発する《引退した忍びの者、ビルボ》や、強力なレアである《イシリアンの領主、ファラミア》をタッチしているパターンが多かった。これらは伝説の呪文であるため、《城塞の大広間》とセットで採用されているパターンが多かった。
集計結果は以上となる。黒赤が多いだろうということは事前に予想していたが、予想以上に偏った結果となった。今後、黒赤に対抗する有力な方法が編み出されれば、今環境のシールドで一歩先を行くことができるかもしれない。まずは第3回お団子杯の結果を見守ろう。
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