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主役なき15年(フジファブリック活動休止に寄せて)
数日前に帯状疱疹になった。
今の所症状は軽い様だ。
50歳を過ぎたらリスクが高くなるから予防接種をと、定期的に通っている病院のチラシで呼びかけていた。しかしワクチンに4万もかかると言う。それなら罹った方がマシじゃ!とイキがっていたが本当に罹ってしまった。治療費薬代込みで7千円は地味にツラいが、ワクチンより遥かに安く済んだし免疫も獲得した。まあよしとしよう。結構痛いけど。
個人的にとても思い入れのあるバンドのフジファブリックが解散を発表した。
以前よりファンであるユニコーンとも関係浅からぬ彼らの活動休止はとても残念だが、同時によくここまで頑張って来たよなぁと言う感慨もある。
今はただお疲れ様と言いたい気持ちだ。
俺がフジファブリックの存在を知ったのは今から15年前の2009年の夏頃だ。
縁あってあるバンドにギターボーカルとして加入する事になった。そのバンドは前のギターボーカルが脱退してからしばらく活動できない状態になっていたらしい。元々ユニコーンのコピーバンドであったが、俺の加入を機に新しいバンドのコピーをする方針になっていた。
それがフジファブリックだった。
キーボードを含む5人編成の国内バンドは、同年再結成したユニコーンとフジファブリックくらいしかいなかった。
俺が加入したバンドも同じメンバー構成だったからフジが選ばれた訳だ。
実はこのバンド名を知る前に、民生の弾き語りで彼らの初期の代表曲「桜の季節」だけは聞いたことがあった。
バンド加入後は「桜の季節」「虹」「陽炎」「赤黄色の金木犀」等、初期の代表曲を練習していた矢先の2009年12月、フジファブリックのソングライターでギターボーカルの志村正彦は享年29歳という若さでこの世を去る
クリスマスイブの12月24日
yahooのニュース記事で訃報を知った俺は思わず「はぁっ!?」と一人で大声を上げてしまった。
死因は不明。関係者の間では過労ではないかと言われていたようだ。
確かに亡くなる直前の志村は明らかに体調が悪そうな様子だった。
彼が地元の富士吉田で、毎日のように通ってはあらゆる曲を聴き漁っていた頃、店主に「お前そんなに音楽ばっかり聴いてたら死ぬぞ」と言われたらしい。冗談とも本気ともつかないその言葉は皮肉な事に現実になってしまった。
バンドに加入して3ヶ月ちょいでそのバンドのボーカルが急逝するとは何という事か。
皮肉などと言う言葉では言い表せない。
尤も個人的に知り合いでも無いし、生前の彼を生で見たこともないが、心配なのはその後のバンドの行方だった。
続く