音楽備忘録4(38-4日日記)
80年代後半にギターロックに目覚め、90年代初期位までが1番洋楽に影響されていた時代だった。
Bon Jovi
Guns N' Roses
Mötley Crüe
EXTREME
MR,BIG
Van Halen
Skid Row
この辺をよく聴いては、可能な限りコピーに勤しんでいた。
テクニック至上主義の過渡期だった。
とにかく速く弾く事がカッコいい。まるで競技のように6連譜だの7連譜だのを繰り出す。Charはこの当時雑誌の中で「速弾きなんて指の練習にしか聴こえない」と語っている。さすが心の師匠。言う事のレベルが違う。
そんなゴリゴリ速弾きの時代は、90年に突入してから一変する。
グランジの登場がそれだ。
俺自身も当時、多少は速く弾けたが、ペンタトニックスケールをなぞる程度で行き詰まっていた。
コードをかき鳴らすスタイルで、細かいリフや大仰なアレンジはなくなり、ある意味無愛想とも言える楽曲のバンドが台頭していく。
Nirvana
Pearl Jam
R.E.M
Blur
Oasis
速弾きどころか、下手をすればソロさえない楽曲も珍しくなくなっていく。
当時はギターソロがないなんて考えられないと、驚いたものだ。
現在では、ソロなんてダサいと言われるまでになった。
隔世の感だ。
俺自身と言えば、元々ブルースが好きだったし、テクニック至上主義から早々にブルースフィーリング主義に宗旨変えしていた。
音の羅列で圧倒するよりも、一音に魂を込める。
そしてフレーズやリフのセンス。センスで弾くことの魅力を知ったのがCharだった。
当然名前は知っていたが、生意気そうな顔が嫌いで聴いてなかった。
後に師と仰ぐ人に対して生意気はどっちだと言いたい。
90年代、Charが新しいバンドPsychedelixを始める。
バンドブーム世代ということもあって、苦手なCharだけど聴いてみたらドはまりしてしまった。してやられた感がある。
Move on=進め
アクティブなタイトルとは裏腹に、静かなアルペジオで始めてしっかり聴かせる名曲だ。
アルバムの売上は、一曲目二曲目で決まるという。
だから普通はキャッチーな、とっかかりやすい曲にするのものだ。
そんなアルバムは今まで何枚も出してきたろうし
この頃既にベテランの域に達していて、自身のレーベルを立ち上げていたCharだからこそ出来る事なのだと思う。
Psychedelixを語る上で欠かせないドラマーにも触れておこう。
昔から言われてることに「ドラマーのレベルが、そのバンドのレベル」
と、名言がある。まさにその通りだ。
バンドをやっている人なら、リズムが一番大事だと知っている。
それほど重要なパートなのだ。
Psychedelixのドラマーで、Charの盟友とも言えるのがジム・コウプリー(Jimmy Copley)だ。
英国出身で、ジェフ・ベック、ポール・ロジャース、トニー・アイオミ、ティアーズ・フォー・フィアーズ、ゴー・ウエストらとの共演でも知られる、世界トップレベルのドラマーだ。
Char師匠曰く「ドラムが歌うんだよね」
ドラマーが歌を歌うと言う意味ではない。ドラムが歌っているように聞こえると言う意味だ。
例えばギターでも、人が歌うように弾くというのは一種の到達点と言っていいだろう。どんなに凄まじいテクニックでも、この要素がないと単なる無機質な音になってしまう。
先程触れた「ブルースフィーリング」もこれに通じるものがある。
音楽とは演奏する側と聴く側のやり取りだ。
そうであるなら、両者が人間である限りどうしても外せない要素になる。
すっかりChar師匠に感化された俺は、自身の考え方やプレイスタイルも変えていく。
次回は海外の師匠達も紹介したい。