僕はGen Hoshinoではなく、星野源が好きだった。
僕が大好きで、憧れと共に尊敬している人。それが星野源という人だ。
彼は音楽家であり、俳優であり、文筆家でもある。まあこれを読んでくれる人はきっと星野源を好きな人が過半数だと思うので、具体的には書かないが、とにかくすごい人だ。
皆さんは星野源の新曲『Same Thing』を聴いただろうか。僕は数日前、何気なしに聴いた瞬間のことは、いまだに忘れることができない。
正直に言って、悲しい気持ちになった。
数年前、『ばかのうた』を歌っていた人と同じ人が歌っているとは到底思えない。なんていうか、遠くへ行ってしまったような気がした。
例えるなら、”同じインディーズの曲で盛り上がってた友達が、ある日を境に海外ラッパーにハマって、パリピグループの方へ行ってしまったかのような感覚” とでも言うのだろうか。
この取り残された感覚。自分の好きだったものが終わってしまったこの感覚。
彼は、「星野源」ではなく「Gen Hoshino」に生まれ変わってしまったのだ。
そして僕は「Gen Hoshino」ではなく「星野源」が大好きだった。
そんなことを思いつつ数日が経った。
あのときの衝撃はいまだに消えないが、いつの間にか僕はGen Hoshinoを受け入れることができていた。
初めは「全然違う!こんなの星野源じゃない!」と思った曲や歌詞も、何回も聴いていると、少しずつ「ここ、ほのかに源節があるな...」「終わり方とかモロだったわ...」と言う風に感じることが出来るようになった。
それでもいまだに「星野源」の方が好きなのは確かだが、本人が変化を求めていたのならそれを受け入れるのがファンの役目であり、いつかきっと「あのときに変化をしてくれて本当によかった」と、彼なら思わせてくれるに違いないと、僕は信じている。
侘び寂び。
継続するぞ