東京の人気ラーメン店に"1日"修行した話
僕はラーメンが大好きだ。
俗に言う「ラヲタ」の方々のように、年間何百杯も食べたりはしない。
去年で133杯食べたぐらい。
それでもよくラーメンを食べている部類に入ると思う。
そんなラーメン大好きな僕だが、大好きなラーメン屋にて1日修行したのでそのことについて記す。
僕とラーメン
もともと北海道生まれで北海道育ちの僕は幼い頃からラーメンを食べる機会が多かった。
ただ、がっつりラーメン屋に行くようになったのは大学進学で上京した頃から。
一人暮らしが始まり、自由に飯が選べるようになり、ラーメンを食べることが増えた。
僕が住んでいた街は国分寺。
今でこそラーメン激戦区ではあるが、当時はまだそこまでラーメン熱が高いエリアとは言えなかった。
新入生の時、友達と深夜に食べた豚骨ラーメンが旨かった。
お店の名前は「遊雅」というお店で今はもう無いお店。
ダシ感もあり、とても美味しい豚骨ラーメンだった。
そして当時、国分寺で1,2位を争うほどの人気店だった「麺屋利休」と出会う。
この時の出会いが僕のラーメンライフの視野を大きく広げた。
北海道のラーメンは「札幌は味噌」「旭川は醤油」「函館は塩」という形にイメージが固まっており、ある意味、ステレオタイプなラーメンを食べてきていた(ただ、レベルは高いと思う。北海道のラーメンはすごい)。
上京して食べた利休の醤油ラーメン。これがお茶の油を使うなど僕が今まで食べてきたラーメンとはまったくもって異なるタイプだった。
ラーメンってこんなに幅が広いのか。。
2回目の訪問で食べたつけ麺がまたすごく美味しく、恐らく僕の人生ではラーメンよりもつけ麺のほうが多く食べているかもしれないぐらい、影響を与えてくれた。
このお店も残念ながら2018年に閉店。寂しい。
元から好きだったラーメンが東京に来て大好物となり、国分寺中心にラーメンを食べるようになる。
そして所属していたバンドサークルの中で「おぎラーメンクラブ」というラーメン食べ歩きチームを結成し、色々なお店に行ったのが懐かしい(おぎ、というのは当時のあだ名)。
就職し、大阪に住むことになってもラーメン屋にはちょくちょく通っていたし、今住んでいる名古屋でもラーメン活動はそこそこに行ってきていた。
今でもラーメンは大好きな食べ物だ。
僕とムタヒロ
ラーメン好きの僕の中で最重要店が国分寺に拠点を置くラーメン屋「ムタヒロ」だ。
関東のラーメン好きなら知らない人はいないぐらいの有名店になったムタヒロ。
2011年9月19日に「中華そばムタヒロ」をオープン。
まだ国分寺がラーメン激戦区になる前。言い方を変えるとムタヒロの出現によって国分寺がラーメン激戦区になったといっても過言ではない。この年に「ふうみどう」もオープンしている。
僕が初めてムタヒロにお邪魔したのがおそらく2012年の2月ごろ。
ちょうどバンドサークルのライブのリハの後、昼飯として食べに行ったのが最初。
ワハハ煮干しそばをオーダー。
出てきたラーメンにビックリ。
鼻腔を突き抜ける煮干しの香り。
すげぇ。。もう、これ、煮干しじゃん。煮干し、そのものじゃん。
食べてきたラーメンの中でもインパクトは超ド級。
麺も極太麺でとてもうまい。
いやはや、参ったな、これ。すげぇ旨い。。
あまりにうまくてその日の夜、もう1度ムタヒロに行った。
それほどドハマりしたラーメン屋なのだ。
そして店長の牟田さんのキャラクターの素晴らしさ。
スナックを居抜きして作られたお店はコミュニケーションも楽しめる空間。
ラーメンだけでなく、居心地の良さもあり、ムタヒロの虜になった。
その後、大阪で働いている時には大阪福島店のレセプションにご招待していただいたり、ムタヒロキッカケでお知り合いになったラーメン好きの方とも出会えたりと、様々な思い出があるお店なのだ。
2月、ムタヒロに1日修行
そんなムタヒロだが、2月に1日修行を行った。
いや、修行と言うと仰々しい。
名古屋で開催されている「ラーメンまつり」というラーメンイベントがあるのだが、そこにムタヒロが出展することになった。
2年連続の出店だ。
そんな中、牟田さんに連絡をしてみるとどうやらスタッフが足りていないとのこと。
こんな機会、めったにないと思い、お手伝いに立候補したのだ。
牟田さんも快諾していただき、晴れて僕はムタヒロのスタッフとしてお手伝いすることとなったのだ。
イベント当日。
ムタヒロのエプロンに身をまとい、レクチャーを受ける。
僕の主な業務は盛り付けと提供。
トッピングを乗せ、お客様に提供する、という仕事だ。
憧れのラーメン屋。
しかも、大好きなラーメン屋。
そこでスタッフとして働ける喜び。
いざ、やってみると、これが実に楽しい。
僕自身大好きなムタヒロのラーメンを提供する。
多分、相当笑顔だったんだと思う。
ムタヒロの会社も「GREAT SMILE」という名の通り、ムタヒロは笑顔にこだわっている。
僕もムタヒロの名に恥じぬよう、笑顔で接客をした。
牟田さんのお仕事を間近で見られるというのも貴重な経験だった。
にこやかな牟田さんだが、麺上げの時は真剣だ。
やはりプロだ。当り前ではあるが。
お客様の流れも落ち着いた中、牟田さんが休憩中にまさかのオーダーが続く。
仕方なく僕は麺上げを行ってしまったのだ!!
ラーメンを作る中でも最重要とも言える麺上げを行った。
今でもそのお客様には申し訳ないとは思うのだが、麺上げという貴重な体験をさせていただき、とてもドキドキした。
気がつけば1日があっという間に過ぎ、イベント終了の時間となった。
スタッフに提供されるビールがとても旨かった。
充実感に満ち溢れていた。
その後、飲み会にいる彼女のもとに行ったが、彼女から「すごく煮干しの香りがする」と言われた。
気づき
なんだろう。
仕事ってしんどいことが多いのに、こうも好きなものだったら楽しいのか。
時間の経過もあっという間だった。
自分自身でもこうやって接客することが楽しいとは思ってもいなかった。
これは自分自身においても意外な発見だった。
仕事で落ち込むことが多かった時期にこの経験はとても貴重だった。
もちろん、今の仕事を辞める、という話ではない。
ただ、やり方を変えることはできるのでは、と思った。
そして、今回のイベントだけでラーメン屋や飲食に向いている、とも思えない。
1日のイベントだけでも立ちっぱなしできつかったのだ。
これが毎日となると大変だ。
さらに営業時間前後にも仕込みもある。
仲良くさせてもらっているラーメン店主は休日はもちろん、睡眠時間すら削ってラーメンの仕込み、研究を行っているぐらいだ。
それぐらいの情熱を持ってやっても、つぶれてしまうラーメン屋が多い。
ましてやこの新型コロナウイルスの影響。
ラーメン屋の楽しさを少し味わったけど、やはり大変な仕事でもあると思う。今すぐラーメン屋になることは絶対にない。
大好きな「食」ということには何らかの形でかかわっていきたい、という思いはあるので、ラーメンともかかわっていきたい。
今やっている仕事もしっかりと楽しくやっていきたいな、と思う。
そう思うのだけども簡単にできることではないんだけどね。
とても大好きなラーメン屋と店主と素敵な1日を過ごせた思い出。
ムタヒロが名古屋に出店するのを首を長くして待っています。
ムタさんとのツーショット!
ありがとうございました!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?