タイヤの空気を抜く嫌がらせ
バイクの騒音がきっかけで…
もうかれこれ10年以上前のこと、
友達がバイクを空ぶかししたのが事の発端。
その日は今ぐらいの肌寒い時期で、
旧車などのいわゆるキャブレター車は
エンジンをかけて暖気しないとアイドリングが安定しないのだ。
しかも、
空ぶかししたのは私のアパートの目の前…。
その他に10世帯ほど住んでいるのに(汗)
なぜ友達はそんな事をしてしまったのかは、もうどうでもいい。
なぜなら今現在、その友達とは連絡を取っていないからだ。
クレームを受ける
次の日、外でバイクを洗車していると、
いかにも『頑固親父』って感じのセカンドバッグを持ったオジサンにクレームを受ける。
「ここ集合住宅なんだからさ。バイクの音、気を付けろよな？」
明らかにこのバイクだと思っている。
私のこのバイクは静かなのに(泣)
その時は謝って、鎮火したかのように見えた。
怪奇現象が始まる
別に原チャを所有していた私は
朝、それで通勤していた。
いつものように出発すると…
何か乗り心地が悪い。・・なんだ？
調べると後ろのタイヤの空気が抜けている…！
素人が見ても一発で分かる程の潰れ具合。
少し遠回りしてガソリンスタンドに寄り、
空気を入れてから会社へと向かう。
最初はパンクかと思われたが、
外傷はまったくない。
少しモヤモヤしていたが問題は保留に…
次の日の朝、出発すると
・・また空気が抜けているっ！
そこで確信した。
「誰かに空気を抜かれてる？」
なんとそれが一週間続いたのだった。
イタズラの対策
やられている時間は
『帰宅してから朝出勤するまでの間』。
つまり暗い時間帯。
防犯という観点で【人感センサー付きライト】
をバイクに向けて取り付けた。
このライトが点いた瞬間に外へ出てってやる…
窓際にバイクを置き、
ライトが点いたらその光が分かるようにした。
もともと夜型だった私は深夜２時過ぎまで
その時を待った！
・・しかしセンサーは反応せず。
月曜日の朝を迎える…
すると、原チャの後ろのタイヤは
空気が抜かれていたのであった…….
続く嫌がらせでノイローゼになる
となると、
犯行は明け方3時～5時だろうと予想できた。
しかし仕事をしているので、
その時間の偵察は不可能。
センサーライトで威嚇をするしか方法はない。
しかしそれも終わりが来た。
大家さんから連絡があり、
センサーライトで使っている防雨コンセントは実は私の部屋用ではないと告げられる。
それは大家さんが外作業の時に使うもので、住んでいる人は使わないで欲しいとの事。
これによりセンサーライトは撤去。
犯人に「どうぞやりやすくなりましたよ」
って言ってるようなもんだ。
その後も合計で3週間ぐらい嫌がらせは続いた記憶がある。
仕事でも失敗が続くようになり、
休みの日は原チャが心配で、唯一の楽しみのバイクツーリングもしなくなった。
そのうち私の心は暗くなっていった。
誰かに相談する気力もなかった。
今思えば、言ってみれば良かったのかも…。
ふと自分のやつれた顔を鏡で見た時、
アイディアが思い浮かんだ！
恐怖には恐怖で対抗
鏡に赤のマジックペンで、
わざと殴り書きな感じで
「お前をみつけた。次やったらいくぞ」
と書いた。
それを原チャの後ろタイヤのそばに置く…。
そしてその日の朝、
タイヤの空気は抜かれていなかったのだ…！
成功したみたいだった。
最初これを見た時の
犯人の顔が見たかったものだが、
とりあえず犯行が止まっただけで
その当時の私は満足だった。
犯人の正体
それ以来、嫌がらせは無くなっていたが
2週間ぐらいしてからまた再開した。
「うそだろ、またかよ！」と思ったが、
その次の日からは続かず、
その久しぶりの嫌がらせで、また音沙汰なし。
しばらくして…
私の隣の部屋に住む
夫婦かカップルか定かでない2人が引っ越したようだった。
顔を合わせても挨拶もしないような陰キャっぷりで、身なりも黒とか灰色のぶかぶかのトレーナーを着ているような人。
だからといって気にもしていなかった。
その引っ越ししてからといの、
嫌がらせはピタリとなくなった。
「・・引っ越す前に、
最後にまたイタズラしてやろう。」
私はそんな風に見えた。
現行犯で見てないので確実な事は言えないが…
・・でも真実は私が思う通りだと思う…。
こういう陰湿な事は
『面と向かって言えない人がやること』
だと思うから。
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