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6章:「用事があるからいけない」わけない。

4章5章と、組織の作り方や、運営目線の話をしてきました。この章から、実際に僕たちがイベントを成功させたノウハウの話をしていこうと思います。

6章では、「120人集めた方法」というテーマで、お話していきます。

学生は21,800円、社会人は29,800円の、決して安くない集客を、素人たちがどのようにして達成したのか。その方法の全てについて、マインドの話と、スキルの話に分けて、お話しして行きます。

1. マインドの話

1.1 用事があっていけない。わけない。

断られる理由は、全て優先順位が低いせいです。

既に入っている予定を断っていく程、魅力的だと思われていないからです。バイトや帰省で断られた時に、しょうがないと思ってしまってはいけません。仮にあなたが、明日嵐の大野くんと一日過ごせるとなれば、大学があっても、なんとかして休むのではないでしょうか?帰省の日をずらすのではないでしょうか?

その人にとって、バイトよりも行きたいと思われていないことに悔しがるべき。きてくれる人もみんな、デートに行けたかもしれないし、家でゆっくり休憩できたかもしれない時間を犠牲にしてきてくれています。人間の行動は全て優先順位の問題です。

1.2 中身がなくても全力で売る。その後、死ぬ気で作る。

絶対にいいものを作ると信じて売るだけ売る。あとは、その期待に死んでも応えるだけ。

営業は、押し売りのようで罪悪感を感じてしまうという人もいるかと思います。でも絶対に、期待してもらって、まずお客さんを集めないと、仕事はできません。だから先にこう言い放ちます。

「絶対に最高のもの作るから。」

中身がまだ無くても、最高の中身をイメージして、売ってしまいます。後は、死ぬ気で中身を作るだけです。みんなの期待を超える感動を届けられるように。

1.3 参加者さんは大切な”人”であって、決して数字ではない。


僕は集客という言葉があまり好きではありません。参加者さんの顔が、この言葉から全然思い浮かばないからです。参加者さんは、自分たちが価値を届けたい大切な相手であって、数字ではありません。

申し込みをしてくれた時に、数字が1増えたことに喜んでいるような人たちが作るサービスでは、絶対に感動してもらえません。申し込みをしてくれた時に、「〇〇さんが来てくれるんや。絶対いいものにしよう。」と思えてこそ、いいサービスになります。

どうしても、目標人数というものは存在するので、プロジェクトを進め始めると、人を数字に見てしまうことって出てくると思います。だからこそ、そのスタンスは、大切に持ち続けることが必要です。

2. スキルの話

ここからは、上記スタンスを持った上で、技術としてどうすれば、人を集めることができるのか、僕たちが実践していた内容を書いていきます!

2.1 理想と現状の把握(定量化&可視化)

まずこれは、組織として目標を追いかける時に必ず大切になります。このステップを以下にまとめます。

①目標(最低ライン・妥当ライン・最高ライン)を、時間軸を入れて、定量化しましょう。

②運営メンバーの集客状況の可視化をしましょう。スプレッドシートで、一人一人がどういった層にアプローチしているのかを記載してもらいます。それを、集計して、全体の状況が一目でわかるように可視化します。

③責任者を立てて、管理しましょう。

2.2 人を動かす方法

2.2.1 「どの財布を開いてもらうか」を意識する

「無人島いくのに2万円払わない?」と誘われるより、「2万円でディズニーに行って遊ぶくらいなら、今無人島行って人生変えようや。」「3万かけて新幹線で帰省するくらいなら、夜行バスにして、浮いた2万で無人島行かへん?」と誘われた方が、財布を開きやすくなるのではないでしょうか。

人はみんな、無意識の中で、カテゴリごとに予算を用意しています。散髪にはいくら。交通費にはいくら。遊園地の分はいくら。本にはいくら。といった感じです。

無人島へのキャンプというのは、どのカテゴリになるかわからない未知のものなので、財布を開きにくくなります。それに対して、他の用意されている財布を開かせる様に声かけをすると、お金を出しやすくなります。

2.2.2 あなたにきて欲しいと、いかに伝えられるか

大抵の人は、自分じゃなくてもいいことに、モチベーションは感じません。「このキャンプ来て欲しい。」とだけ言われても、あなたの都合でしょと思ってしまうからです。ですが、あなたに来て欲しいんだということを誠心誠意伝えれば、人の反応は大きく変わります。「みきおには絶対このキャンプ来て欲しい。」と言われたみきお君は、間違いなく最初の誘われ方よりもいきたくなると思います。
この、あなたに来て欲しいんだということをしっかりと言葉にして伝える様にしましょう。

2.2.3 説明するんじゃなくて、語る


特に人を招待するときにやりがちな間違いは、イベントの説明をすることです。本来説明とは、相手が前のめりに、「このキャンプどんなもなの??」と聞いて来た時にする行為であって、それ自体は相手を前のめりにする行為ではありません。

まとまった資料を元に、メリットデメリットをプレゼンされるよりも、拙い言葉でも必死に、「絶対すごいもの作るねん。」と言われる方が、心が動くこともあるのではないでしょうか。

その後、必要に応じて説明をしてあげてください。語りで心に炎を灯し、説明で不安を取り除く。それができれば、あなたの呼びたいその人はきっと動いてくれるのではないでしょうか。

2.3 男女比を整える。

これは、イベント全体の男女比を整えたい場合は特に大切です。今回のイベントは無人島という舞台だったこともあり、女性からは多少抵抗がありました。多くの女性に、「男女比どんな感じ?」という質問をいただきました。
その答えが8:2などでは、参加しづらくなるのではないでしょうか。
そのため、人を呼びやすくするためにも、バランスよく属性(性別や学年)を揃えていく必要があります。

2.4 拡散祭りを作る。(初速の確保)

近年のSNSの力は偉大です。イベントの告知のために使わない人はいないでしょう。しかし、効果的に使えているかどうかは怪しい人も多いのではないでしょうか。今回僕たちがSNSを有効に使えた一つの技をご紹介します。

それが拡散祭りです。これは何かと言うと、リリースする前に、内容を伏せてカウントダウンをします。そしてリリースと同時に一気に拡散してもらうという作戦です。初速の確保は、その後人集めを有利に進めるためにも有効的な手段です。

リリースするその瞬間までに、なるべく多くの人を巻き込んで、祭りに参加してもらいましょう。リリースと同時に多くの人が拡散してくれることで一気に周囲の知り合いのSNSをハイジャックすることができます。これによって僕たちは、初速を確保することができて、リリースと同時に多くのエントリーをいただけました。結果、「すでに〇〇人が申し込んでくれていること」や、「△△学部の人も4人来てくれる」といった事実を、人を呼ぶ際の武器にすることもでき、終始有利に働きました。

2.5 単発で終わらせない。コンボ技にする。

参加者さんが1人増えてくれただけで終わらない。参加者さんのその周りの人までアプローチする。
また、下見にいくことと、広告を作ることを掛け合わせて、無人島での雰囲気を撮影して、広告用動画を作るなど。持っているリソースを最大限活用できるように組み合わせる思考を持つことが大切。

2.6 申し込みのお礼の連絡

これは、参加者さんに期待してもらうために行なっていました。集客面で話をすると、キャンセルを防ぐために大きな役割を果たしてくれました。
ただ、定型文を送りつけているだけでは、全然期待してもらえないし、普通のイベントと一緒なのでダメです。
僕たちのイベントでは、一人一人の入力してもらった情報を元に、総務がメッセージを毎回作り変えて送ってくれました。
そこに感動してくれて、運営メンバーになりたいと連絡をくれた参加者さんもいましたし、ワクワクして当日を楽しみに迎えられたという声もいただきました。
申し込みからどれだけ遅くても一週間以内に、お礼の連絡を送れたら、キャンセルは少なくなり、当日の満足度も高まると思います。

3. 次章へ

どうだったでしょうか。
人によっては、革新的な話があったかもしれないし、人によっては、当たり前のことばかりだったかもしれません。

上の話が、元も子もない話になってしまいますが、結局は、どれだけ本気で目標人数を目指せるのか、覚悟の強さが全てだと思っています。

僕たちも、何か革新的な作戦があったわけでも、何か特別な人脈を持っている人がいたわけでも、会社のブランドがあったわけでもありませんでした。泥臭く、地道に、ただ絶対に達成すると覚悟を決めて動き続けた結果、満員御礼でキャンプを迎えることができました。

次の7章(プロジェクト管理の方法)では、簡単に、プロジェクトの管理の仕方という話をしてきます。僕はこのフレームワークを知っただけで、だいぶマネジメントが楽に、わかりやすくなったので、是非読んでみてください。

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