長男と私の関係。

 私が長男と出会ったのは、まだ長男が5歳の時でした。
 長男は嫁の連れ子で私とは養子縁組、血縁がありません。
 長男は父親を知らない母子家庭の子供でした。

 今までこの事を書かないで、「嫁がアルコール依存症だった。」とだけ書いてツイートしてきたせいで、相手がアルコール依存症でも監護者指定に勝てないのか、と絶望を感じた方もいたようです。
 申し訳ありません。

 普通の家族、血縁のある実子でさえ連れ去られたら負けなのが現在の日本です。
 子供が実子ではない僕には最初から勝ちはありませんでした。
 連れ去られてから、最初に弁護士と話をした時にこう言われました。
 「連れ戻したいのは下の子だけですか?二人ともですか?」
 僕は迷わず答えました。
 「二人ともです。」

 弁護士は今後の展望を話してくれました。
 「普通なら奥さんのアルコール依存症の程度や監護状況次第で保全、引き渡しが認められる可能性はわずかですがあるかも知れません。しかし上の子に関しては血縁がないから厳しいです。裁判所はきょうだい不分離を原則とする傾向にあるので、下の子だけともならないかも知れないが、本当に子供を取り返すつもりなら、上の子は諦めて下の子だけにしたほうがいいと思います。」
 それでも私の気持ちは変わらなかった。
 「二人ともです。」

 私には長男を見捨てることが出来なかったし、考えたこともなかった。
 私は父親として、長男も次男も愛している。
 アルコール依存症の嫁から二人を健全な生活に戻してあげたかった。

 私と長男の関係は最初から良かった。
 嫁と付き合って、私は自分に子供が出来たみたいで嬉しかったし、長男は自分にパパが出来たみたいで喜んでくれていた。
 6歳になったある日、二人で買い物をしていた時、突然長男が
「ねえ、パパになってくれるの?」と聞いてきた。
 「なって欲しいの?」と聞き返すと「うん!」と答えてくれた。
 本当に嬉しくて、今でも当時のことは鮮明に覚えている。
 帰宅後すぐに嫁にその話をして、話し合いをして、小学校に入学する前には入籍して私の苗字にしようと決めた。
 今思えばそれが私の結婚で、プロポーズもなかった。
 婚姻届と同時に養子縁組届けを提出した。
 
 いくら本人が望んでくれたとは言え、所詮6歳の考え、勝手に大人の事情で私が父親になったという想いがあった。
 それでも「パパ」と慕ってくれる長男に、絶対にこの子を幸せにしてあげよう、ちゃんと育ててあげようと心に誓った。
 婚姻届を書くことより、養子縁組届けを書くことのほうが私には大きな出来事だった。
 
 私は嫁との間に子供を作るつもりがなかった。
 長男の父親になった責任ばかり考えていたし、長男がいるのだからそれでいいと思っていた。
 ただ嫁は違った。
 私との子供が欲しいと何度も言った。
 そして結婚後すぐに子供を身籠った。

 調停や裁判において申し訳ないくらい次男は置き去りだった。
 長男は実子でなかったから虐待をしていたというストーリーが作り上げられていた。
 証拠もない虚偽DVを裁判官や調査官は信じてなかったと思うが、虐待に関しては最後まで疑われていた気がする。

 連れ去り時、長男は四年生でグレーゾーンでした。
 正直、四年生にしては幼かったです。
 二年生の時に担任から「お宅のお子さんは就学児レベルじゃない」と言われました。
 それでも田舎の小学校なので、私が先生と話をして普通学級に在籍させてもらってました。
 田舎で幼なじみばかりの環境だったので、小学校は普通学級で、さすがに中学生になったら勉強について行けないから特別支援学級に、と考えていました。
 しかし連れ去られて転校した学校ではそれは通用しなく、あっさり特支学級になってしまいました。
 中学一年の6月から元の生活に戻ったのですが、特支学級にいます。

 なので今後、連れ去られた長男と内緒で会っていた話を書く予定なのですが、読んでいて「なんで?」みたいな場面や会話が出てくるかも知れませんが、少し発達障がいがある子なのだと理解して貰いたいです。

 ちなみに検査では、IQ65で軽度の知的障がいと診断されています。
 好きなことは集中力や記憶力が普通にあるのですが、それ以外に関しては全くダメで、学校では小学3.4年の勉強をしています。

 そんな子なので、今長男が私との関係性、次男は血縁があって自分とは無い、みたいなのを知っているのか、理解しているのかも知りません。
 聞くわけにもいかないし‥。
 兄弟喧嘩したら普通に「ホント弟なんかいらないわ~。」とか言うので理解してないかも知れません。
 田舎の中学校なので保育園からの付き合いの友人も多く、中には私が後から現れて長男の父親になったのを理解している子もいるので、聞いているのかも知れません。
 よくわからないですが、我が家は今日も平和で、三人は今日も家族で、私と子供、それだけの構図でした。

 裁判の時に、次男とは血縁があるけど5歳なので5年、長男とは5歳からの付き合いだから7年。
 付き合いが長いのは長男だと言ったけど、裁判官は聞いてもくれませんでした。
 監護者指定に負けて即時抗告したのですが、高裁の判決文に
「長男と母親の関係は12年、原告との関係は7年、それは軽視出来ない」と書かれていました。
 腹が立って裁判官には「だったらこの国から養子縁組なんて無くしてしまえよ」と言ってしまいました。
 
 こうして子供が戻ってからも世間の目は厳しく、勝手な想像で「絶対に長男と次男を区別してる」と陰口もあるようです。
 陰口を言うのは女性ばかりなので、やはり女性は産んだ産んでないがあるから仕方ないのかなと諦めています。
 「自分の子供じゃないのに偉いね。」なんて言う人もいますが、「どっちも俺の子供だよ。別に俺どっちも産んでないし。」くらいで笑い飛ばしてます。

 たまに連れ子には虐待して、血縁のある子に贔屓するみたいなニュースを見ますが、日々家事育児してたらそんな器用なことは無理ですね。
 二人とも可愛いし、怒る時は怒ります。

私と長男の関係をさらっと書くつもりだったのですが、長男に対しての気持ちが強すぎて長くなってしまいました。
 すいません。

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