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(物理的に)はみ出しすぎっ! クセが強い拓匠開発の30年史

文/与良天悟

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拓匠開発から依頼をうけた外部ライターが、“遠慮なし!でいいところだけじゃなくて悪いところも紹介する”をテーマに取材をしていく本ブログ。今回は、拓匠開発がつくった30年史(非売品)を入手! ここから、拓匠開発の目指す姿を見ていこう。

1988年に産声を上げた拓匠開発が、30周年を記念してつくった社史。普通、社史といえば、金箔押しのような豪華な装丁に、これまでの実績がぎっしりと詰め込まれているもの。しかし、入手した社史を見てびっくり! いやいや、本の表紙から紙がはみ出し過ぎだろっ!!

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まさに、拓匠開発の個性を体現したかのような、本棚に収まりにくいこの本。しかし、これまで長年出版業に関わってきたライターにはわかる。「こ、これは……いったいいくらかかっているんだ……」。そう、個性的な本を作るには、多額の費用がかかるのだ。

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豪華な予算を使いながら、「豪華」に見せない拓匠開発の社史。そこには、どんな内容が詰め込まれているのだろうか?

世界中の「クレイジー」に触れた

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さっそく社史を紐解くと、最初に飛び込んでくるのが工藤英之社長の経歴だ。『トムソーヤの冒険』や『川口浩探検隊』にあこがれていた英之少年は、高校生になると、ダンス甲子園に触発され、ダンスにのめり込むようになり、大学生の頃には、クラブイベントを主催。「本気で遊ぶ」を体現するようなこの頃の経験が、現在の「やりたくなったらやっちゃえ」の精神へとつながっているようだ。さらに、ロンドンに留学し、これまでに30カ国あまりを歴訪。世界中のクレイジーな人々と交流し、彼らのぶっ飛んだ行動に触発された青年は、拓匠開発の社長へと就任した。

そうして社長に就任すると、かつて宅地開発に専念していた拓匠開発は一変。グッドデザイン賞を獲得し、千葉市と協力しながらフェスを開催するような規格外の会社へと発展させていったのだ。

しかし、そんな2代目のやりたい放題を、初代社長はどのように見ているのだろうか? 本書には、合わせて先代社長である工藤茂の「小言」も掲載されている。三井建設から独立するも、一度目に設立した会社を3年で潰してしまった茂。苦労の末に、拓匠開発を設立し、起動に乗せてきた茂は、「創業者は、メシのタネを作る人。二代目はタネから花を咲かせる人」と書いている。なるほど、今、拓匠開発が咲かせている花は、30年の茂によって作られた種によって開花しているのだ!

本能の声を聞け!

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拓匠開発が揺るぎない哲学として掲げているのが、「本能に、感動を。」という言葉。そして、そのために必要なのが「それ、おもろいか?」と問い続ける力だ。理性で説明がつくのではなく、本能が満たされること。拓匠開発が求めるのは、そんな動物的な喜びだ。

そんな本能の求めによって、毎年6月に夜の千葉公園にて水面に咲くハスのプロジェクションマッピングと世界レベルの水上パフォーマンスを行うアートイベント「YohaS-夜ハス-」や、マウンテンバイクイベント「Urban MTB Festivai in 千葉公園」などを実施。本能を満たすため、彼らは常に「発想力」を磨き、やれるまでやる「とことん力」、そして固定観念にとらわれず実行に移す「やっちゃう力」を培っている。そんな3つの力を武器にしている拓匠開発。

そんな力を日々磨いているからこそ、宅地開発においても、アーティストとコラボしたり、ビオトープをつくったり、パン屋を経営したり……と、型破りなアイデアを実行してしまうのだ。

ライバルは徳川幕府

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紙の形や大きさが1枚1枚バラバラな拓匠開発30年史。個性的な本の作りで、ページもめくりづらい! しかし、そんな扱いづらさこそが、拓匠開発の個性なのだろう。この30年史には、これからの未来を担うU-30の拓匠開発の個性溢れる社員たちが考えた未来が描かれている。

100周年を迎える2088年、拓匠開発は手掛ける分譲住宅において衣食住を提供し、介護や医療施設が充実したまちづくりを実施。さらに、テーマパーク「拓匠パーク」をオープンし、AIやバーチャルに囲まれた社会に背き、湖に飛び込んだりアートイベントを開催するなど、フィジカルな喜びを提供。そして、拓匠開発の「やっちゃう力」は、地球を離れ、世界で初めて火星に分譲地をつくってしまう……。

もちろん、ここに書かれているのは若手社員たちの夢物語に過ぎない。しかし、工藤社長は、「300年企業を目指していく」として「ライバルは江戸幕府」と断言。夢見がちな社員ばかりと思ったら、一番夢見がちなのは社長その人なのだ!

はたして、彼らの描く未来は、儚げな夢で終わるのか? それとも、そんなありえない夢までも「やっちゃう」のか? その答えが出るまでには、あと270年の時間が必要だ。


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