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拝啓、ゲーム/eスポーツを愛する広告営業パーソンのみなさんへ

こんにちは、僕はウェルプレイド・ライゼストというeスポーツ総合商社で人事をしているマッキーと申します。最近はハースストーンのバトルグラウンドに大幅アップデートが来まして最高に楽しくプレイさせていただいています。(好きなクエスト報酬は「アニマの賄賂」)

さて今日はeスポーツ業界は広告営業をとても必要としてますよ、ということを書いていきたいと思います。

なぜこのnoteを書いているのか

結論から言うとeスポーツ市場を牽引しているのが広告だからです。

僕達の会社はいくつかの種類の仕事をしていて割合としてはeスポーツイベント、大会の企画制作が大きいです。創業から6年ずっとやっています。

直近では大会、イベント、プロゲーマー/ストリーマーの配信問わずeスポーツに関連するコンテンツの視聴者数や視聴時間が伸びており広告価値が高まってきました。

例えばですが2021年8月には日清食品株式会社が日本のプロゲーミングチームZETA DIVISIONのスポンサーになりました。

また世界に目を向けると今年8月にはTIFFANY & CO.がリーグ・オブ・レジェンドの世界大会のトロフィーをデザインし、開発メーカーのRIOT GAMESとパートナー契約も結びました。

これらは国内外での大きなトピックですが、eスポーツのイベントやストリーマーの配信を視聴する人が増えるにつれて、こういったeスポーツを通したプロモーションの動きが増えてきています。

eスポーツ市場を牽引する広告

ちょっとお勉強になるのですがeスポーツ市場と広告についてまとめます。eスポーツと広告については経済産業省の「令和3年度コンテンツ海外展開促進事業(Z世代におけるeスポーツ及びゲーム空間における広告価値の検証事業)」に関する報告書が非常に参考になるので参照しながら説明します。

まずグローバル単位で言うとeスポーツ市場は直近2021年に10.8億ドル。年はずれますが2020年でその内訳が割合として出ていて、スポンサーが約6割となっています。2020年のeスポーツ市場が9.5億ドル、その6割なので5.7億ドル(日本円で約800億円)

「令和3年度コンテンツ海外展開促進事業(Z世代におけるeスポーツ及びゲーム空間における広告価値の検証事業)」に関する報告書より
「令和3年度コンテンツ海外展開促進事業(Z世代におけるeスポーツ及びゲーム空間における広告価値の検証事業)」に関する報告書より

基本的にeスポーツ市場は視聴者に支えられています。視聴者が増える→広告価値が高まる→スポンサー増える/スポンサー単価上がるという座組み。これはeスポーツに限らずスポーツもそうですし、エンターテイメントには広く共通しています。

視聴者が増えることでグッズやチケット、パブリッシング(放映権など)も増えることが期待されますが割合で考えるとスポンサーが牽引していると言って過言ではないでしょう。

ちなみにスポンサー、スポンサーと書いてきましたがスポンサー=広告と思ってもらってOKです。少し細かく言うと広告はスポンサーの一部って感じで企業がスポンサーをするときには広告以外の領域も含まれることがあります。

「令和3年度コンテンツ海外展開促進事業(Z世代におけるeスポーツ及びゲーム空間における広告価値の検証事業)」に関する報告書より

例えば「肖像権」。サッカー日本代表のようなスポーツチームを想像してもうとわかりやすいんですが、企業のテレビCMに選手が出演したりしますよね。あれはCM単位でキャスティングしていることもありますが、このようにスポンサー契約の一部に肖像権を含んでその範囲内で出演してもらうこともあります。

「商品化権」はもっとわかりやすいかもですね。●●モデルのゲーミングPC発売!みたいなやつです。

このようにスポンサーというのは広告だけじゃないんですが、実際のところは広告が占める割合が大きいと思うので一旦スポンサー=広告と思ってもらって大丈夫です。

さて国内のeスポーツ市場はどうなっているのでしょうか。ファミ通が発表した日本eスポーツ市場のレポートを見てみます。(2020年のものになります)

2020年の国内eスポーツ市場は66.81億円
スポンサーが全体の67.3%を占める

先述したようにグローバルのeスポーツ市場に占めるスポンサーの割合が6割だったように、日本国内のeスポーツ市場もその67.3%がスポンサーとなっています。つまり国内外問わずeスポーツ市場を牽引しているのはスポンサーと言えるでしょう。

2020年の国内eスポーツ市場が66.81億円、その67.3%がスポンサーになるのでスポンサーの総額は約45億円となります。

また同レポートを参照すると「本調査では、2020年から2024年までの年間平均成長率は約29%と予測」とあります。これはeスポーツの大会や番組を視聴する人の数やその視聴される回数、時間の伸び、また1視聴あたりの広告価値の向上を見込んだものと考えられます。

eスポーツの広告を増やすことがプロゲーマーの待遇を向上させる

さて上で書いた日本国内のeスポーツのスポンサー総額45億円(2020年)という数字。大きいと思いますか?小さいと思いますか?

大小を考えるには何かと比較しないといけませんね。序盤でも書きましたが2020年のグローバルのeスポーツのスポンサー総額が約800億円なので国内のスポンサー総額は全体の5%程度ということになります。

人口比率から考えると割と適正な気もします。ただこのスポンサーがプロゲーマーの年収に直結していると考えるとどうでしょうか。

プロゲーマー(競技シーンに参加するプレイヤー)の数を配信技研さんが発表していた2020年のESPORTS TIER IN JAPAN 2020にリストアップされているタイトルで考えてみましょう。

リストアップされているタイトルそれぞれのプロゲーマーの数をざっくり計算すると1,000名はいそうです。(計算ロジック知りたい方はお問い合わせください。かなりざっくりです)

こちらの記事によると日本の平均年収が令和2年に433万円ですので仮に1,000人のプロゲーマーが平均年収を得るとしたら合計で43.3億円が必要になります。

これはスポンサー総額45億円とほぼ同じ数値になります。ただこれは選手の人件費のみです。他にもマネージャーや運営スタッフの人件費、ゲーミングハウスなどの設備費用、またスポンサーを獲得するための営業人員を雇う費用やリーグ参加費用などは含まれていません。

またスポンサーはプロゲーミングチームや選手に対してだけでなく、大会そのものへのスポンサーも含まれるため(賞金でチームや選手に還元されるものはある)やはり足りていません。

とても極論ですがスポンサーだけでは国内のプロゲーマーの給与を賄えていないと捉えられるかもしれません(もちろんプロゲーマーとは別で仕事をしながら参加しているプレイヤーもいるはず/すでに競技に参加していないプレイヤーも含まれる)

ということは競技シーンに対して、またプロゲーミングチームに対してスポンサーをする会社、または広告単価を向上させないとプレイヤーがプレイに専念できる環境を作ることには限界があります。

eスポーツ*広告のポテンシャルを引き上げるために

ではeスポーツの広告の総額を増やすにはどうすればいいのでしょうか?

広告の総額を計算するにはいろんな方法がありますがざっくりだと

視聴者数 × 1視聴者数あたり広告単価 =広告総額

となります。

例えば10万人が見る大会があったとして1視聴者あたりの広告価値が100円だとしたら1,000万円になります。

eスポーツの広告の総額を増やすためには

①視聴者数を増やす

②広告単価を上げる

のどちらか、もしくは両方に取り組む必要があります。①については明るいニュースがあります。世界的にも注目度の高いVALORANTの競技シーンの視聴者の中で日本が存在感を示しているのです。

VALORATINGによると今年開催されたVALORANT Champions Tour(VCT)の日本地域リーグの視聴者数が世界のどの地域よりも多かったとのこと。

視聴者数を増やすには日本国内のみならず海外の視聴者まで取り込むことができるかどうかが重要です。なぜならば人口には天井が明確にあるからです。

実際日本のプロサッカーリーグであるJリーグも海外展開を強めています。

スポーツ庁の記事もあるとおり、東南アジアの選手を獲得、育成し、プロシーンに出場してもらうことで現地の視聴者やスポンサーの獲得を目指す動きがあります。これは逆の動きももちろんあって海外のリーグのチームが日本選手を獲得するときも同様です。

例えば欧州の有名プロゲーミングチームFNATICは2019年から日本に進出しています。

また今年にはストリーマーのSPYGEAを加入させるなど順調に日本の視聴者を獲得することに成功しているように見えます。

これらのように視聴者を増やすことの取り組みは日本国内でも活発になると思われます。

問題は②広告単価を上げることです。

広告単価を上げるには広告商品を増やす、純粋に単価を上げるなどさまざまなやり方があるのですが、今eスポーツ業界が抱える問題としては「広告を提案する人の数が圧倒的に足りていない」ことだと僕は考えています。

視聴者も増えている、今後も増えるだろうと思われている。でも売る人、eスポーツに広告を出す価値を伝える人が足りていないんです。

先述したようにeスポーツの業界の中心である選手やストリーマーを取り巻く環境を向上させる、もしくはその数を増やすためには広告の総額を引き上げる必要があります。

そのためにはeスポーツの力を信じ、その価値を提案する人材を増やすことが必要不可欠だと考えています。

というわけでウェルプレイド・ライゼストでは広告営業人材を大募集しています

と久しぶりにnoteを書いてみたのですがいかがでしたか?eスポーツは年を重ねるごとにその注目度を高めていますが、注目度が高いうちに一気に大きな市場に成長させないといけません。視聴者数の増加に陰りが見えた瞬間にその勢いを無くしてしまう可能性があるからです。

そんなことにはさせたくない、ゲームがうまい人がもっと賞賛される世界を作りたい方、ぜひ一緒にその願いを叶えませんか?

ウェルプレイド・ライゼストではスポンサー営業を積極的に採用しています。スポンサーを獲得する、広告を増やす、それが今のeスポーツ市場を大きくすることに直接的に影響を与えます。そんな仕事がしたい方ぜひ一緒に働きましょう。

広告営業を経験されている方でこの仕事に少しでも興味があると思った方はぜひカジュアルに面談しましょう!面接という形ではなく、このnoteに書いたこと、eスポーツ業界のキャリアなど気になることをなんでもお話しさせていただきます。

ご希望の方はぜひ僕のTwitterまでDMをください。

またeスポーツ業界のビジネスやキャリアについての勉強会Discodeサーバもやっているのでご希望の方は気軽に以下フォームからご参加ください。このnoteに書いたような話を毎週木曜19時からやっています。

それでは皆さんとお会いできることを楽しみにしています!またnote書きますので希望のテーマやネタがあればこれもTwitterでぜひ教えてくださいね。







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Takuya Makino
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