【易爺の歳時・易辞】(1)
【易爺】takusankanと申します^L^よろしくお願いいたします。
きょうから、このタイトルでシリーズ化しようと考えています。
といって齢〔よわい〕七十六の爺ですの何時まで続くか不安ですが、そのときは誰かにバトンタッチできればいいなぁナンテ甘い考えでいます(羞;
◆タイトルの説明から、
・【易爺】とは易しい爺でなく、『易経』易占い・易学・易術研究にインタレストを感じている爺という意味です。
易学とか易術、『易経』などという謂うと何か高尚な学問であるかのように思われるかも知れませんが、出発点は占いの書です、当初は神様に明日の狩猟の吉凶とか、次のお祭りには何をお供えすればいいか・・・など神様にお尋ねするという神様に対する儀式が始まりであり、神聖で崇高なものです。
・『易経〔えききょう〕』繋辭上傳【けいじ・じょうでん】には、
「崇高は富貴より大なるはなし」
・・易の世界では最も崇高なものは富貴【フウキ・富み貴きこと】である・・と書いています。
・・・【易爺】は親父〔おやじ〕から「不義にして富みかつ貴きは我においては浮雲のごとし」と教えられたものです^L^
・歳時とは、「中秋の名月」とか「重陽の節句」「白虎隊自刃の日」とか歳時記の”歳時”のことです。
【易爺の歳時・易辞】の第一回目の今日は、「十方暮れの終り」の日です。
◆きょうは「十方暮れ」について説明します^L^
「十方暮れ〔じっぽうくれ〕」の”十方”とは四方・八方・上下の自分を中心とした、この世界のこと、暮れとは暗闇〔くらやみ〕・暗黒の世界になる、という意味です。
暦には9月13日の甲申【きのえ・さる】の日が十方暮れの始まり、
きょう癸巳【みずのと・み】の日が十方暮れ終りの日です。
十方暮れの日は十日間あります。
干支【カン・シ】でいうと甲申・乙酉・丙戌・丁亥・戊子・己丑・庚寅・辛卯・壬辰・癸巳の十日間です。
【※蛇足】
十方暮れの十日間の干支
:甲申・乙酉・丙戌・丁亥・戊子・己丑・庚寅・辛卯・壬辰・癸巳の十日間
甲申【こうしん・きのえ さる】・乙酉【いつゆう・きのと とり】・丙戌【へいじゅつ・ひのえ いぬ】・丁亥【ていがい・ひのと い=イノシシ】・戊子【ぼし・つちのえ ね】・己丑【きちゅう・つちのと うし牛】・庚寅【こういん・かのえ とら】・辛卯【しんぼう・かのと う】・壬辰【じんしん・みずのえ たつ龍】・癸巳【きし・みずのと み蛇】
干【かん】は木の幹【みき】、支【し】は木の枝【えだ】
干支【カン・シ】の干【カン】は木の幹【みき】、支【シ】は木の枝、
身体なら干【カン】は肝臓の肝は、支【シ】は肢という感じ・漢字です。
干【カン】は十干といって甲乙丙丁戊己庚辛壬癸と10個あります。
支【シ】の方は、十二支【じゅうにし】と言って全部で12個あります。
つまり、子【ね=ネズミ鼠】丑【うし・牛】寅卯辰巳午未申酉戌亥
【※蛇足】
十干:甲乙丙丁戊己庚辛壬癸【こう・おつ・へい・てい・ぼ・き・こう・しん・じん・き】
十干は甲乙丙丁戊己庚辛壬癸【こう・おつ・へい・てい・ぼ・き・こう・しん・じん・き】と訓【よ】みます。
甲【こう・きのえ=木の兄 陽の木】
乙【おつ・きのと=木の弟 陰の木】
丙【へい・ひのえ=火の兄 陽の火】
丁【てい・ひのと=火の弟 陰の火】
戊【ぼ・つちのえ=土の兄 陽の土】
己【き・つちのと=土の弟 陰の木】
庚【こう・かのえ=金の兄 陽の金】
辛【しん・かのと=金の弟 陰の金】
壬【じん・みずのえ=水の兄 陽の水】
癸【き・みずのと=水の弟 陰の水】
【※蛇足】十二支の音訓と意味
子【し・ね=ネズミ鼠】、
丑【ちゅう・うし・牛】、
寅【いん・とら虎】、
卯【ぼう・う兎ウサギ】、
辰【しん・たつ龍】、
巳【き・み蛇ヘビ】、
午【ご・うま馬】、
未【み・ひつじ羊】、
申【しん・さる猿サル】、
酉【ゆう・とり鳥】、
戌【じゅつ・いぬ犬狗】、
亥【がい・い猪イノシシ】
五行観について、
この世の中は木火土金水の五行で構成されている。
易の世界の観方には:陰陽観・三才観・五行観などの観方がありますが、きょうは五行観について、簡単に説明します。
易の世界では、この世界は五つの要素で構成されている、という見方があります。
この世の中は木・火・土・金・水【もく・か・ど・ごん・すい】の五つの要素・五行【ごぎょう】で構成されていると観方です。
五行の相生【そうしょう】の関係について
木→火→土→金→水【もく・か・ど・ごん・すい】が相生の関係です^L^
木が燃えて火を生じ
火が燃え尽きて灰の土と化す、
土は同じような成分が固まって鉄・銅・金・銀などの金属を生じ、
金は水を生ずる、
さらに水を吸い上げて草木の木が生ずる、
このように相生【そうしょう・相〔あ〕い生ずる】、
相【あい】たがいに生ずる関係を相生の関係といいます^L^・・五行の相生の関係が循環しているというのが五行の相生の関係です
金が水を生ずる???何か疑問を感じるのですが、いろいろ考えてみてください、面白い発見があるかも知れませんよ^L^
つぎは五行の相剋の関係について
相剋【そうこく】の剋は、下剋上【げこくじょう・下の者が上の者を剋す】の剋【こく】する関係です。
剋とは、撃ち勝つ・制する・制御する関係をいいます。
・木は根をはって土の剋し
・土は水の流れを妨げたりとどめたりして剋し、
・水は燃えさかる火を消して剋し、
・火は金を溶かすことによって剋します。
・さらに金は斧やノコギリとなり樹木や木材を剋します。
・・・このように五行の相【あい】剋【こく】する関係を相剋の関係といいます。
・・・よく考えると水と火が親和して料理を作ることが出来たり、お互いに助け合う関係もあるのですが・・・^L^
十方暮れの期間の干支はどんな関係か?
まず初日の甲申の日ですが、
甲【きのえ】は木の兄=陽の木で、木行【もくぎょう】、
申【しん・さる】は陽の金ですから、
申の金行が甲の木行を剋する相剋の関係です。
二日目の乙酉の日は、
乙【きのと】は木の弟=陰木で木行【もくぎょう】、
酉【ゆう・とり】は陰の金ですから、
申の金行が甲の木行を剋する相剋の関係です。
三日目の丙戌の日は、
丙【ひのえ】は火の兄=陽火で火行【かぎょう】、
戌【じゅつ・いぬ狗犬】は陽の土ですから、
丙の火行が戌の土行を生ずる相生の関係【蛇足※】です。
四日目の丁亥の日は、
丁【ひのと】は火の弟=陰火で火行【かぎょう】、
亥【がい・いイノシシ猪】は水の土ですから、
丁の火行が亥の水行を剋する相剋の関係です。
五日目の戊子の日は、
戊【つちのえ】は土の兄=陽土で土行【どぎょう】、
子【し・ねネズミ】は陽の水ですから、
戊の土行が子の水行を剋する相剋の関係です。
六日目の己丑の日は、
己【つちのと】は土の弟=陰土で土行【どぎょう】、
丑【ちゅう・うし牛】は陰の土ですから、
己の土行が丑の土行を同じ土行の関係【蛇足※】です。
こんな風に七日、八日、九日、十日と調べてゆきますと、
【蛇足※】をつけた三日目の丙戌日【相生】と六日目の己丑【拱扶】の日で例外で、他の八日間は相克の関係であまりよくない日とされています。
残りは山風蠱の「甲に先だつこと三日。甲に後れること三日」とは
・・・明日 記事を追加する予定ですm(_ _)m
巽為風〔そんいふう〕の五爻の辞「庚に先だつこと三日。庚に後れること三日」とは
・・・明日 記事を追加する予定ですm(_ _)m