鬼滅の刃の一話の義勇さんはあまりにも不自然

こんにちは。鬼滅の刃が好きなノリハラです。こういっては格好つけているみたいに思われるかもしれませんが、正直鬼滅の刃は一話の時点から「あ、この漫画好きかも」と思っていました。

なにせ雰囲気作りと話作りに全振りしたような漫画でしたから、ある意味でジャンプの中では非常に目立っていました。今回は、そんな鬼滅の刃の一話目について、私が思っていることを書いていこうと思います。

(鬼滅の刃を読んだ方なら理解してもらえると思いますが、「義勇さん、テンション高すぎでしょ、、、」と思ったことがこの記事を書こうと思ったそもそものきっかけです)

今更かもしれませんが、ネタバレを含みますのでご注意ください。

ジャンプのバトル漫画の王道を外している。

鬼滅の刃の一話はジャンプのバトル漫画の王道とは異なっています。ジャンプのバトル漫画の王道とは、以下のような流れです。

1.世界観とキャラクターの紹介
2.キャラクターが抱える過去、悲劇の説明
3.敵キャラについての説明
4.主人公たちがピンチに陥る
5.主人公の力によって大逆転(見開き1ページの必殺技)
6.エピローグ

話の筋は前後するかもしれませんが、大抵のジャンプマンガはこんな感じです。決して悪いとは言いません。むしろテンプレートを貫いた漫画も大好きです。

ですが、鬼滅の刃の一話はそんな感じではありません。全く違います。まず、鬼という設定がそこまで一般的なものではない、ということが一話の時点では読み取れます。まあ、まあ、この時点なら妖怪ものならありがちですよね。

ここでありがちなのが、妖怪とかと戦うゴーストバスター系の漫画だと一話ではたいてい「裏の世界で生きる人」と、主人公(ないしワトソン役かヒロイン)は共闘して戦うことになるんですよね。

ええ、鬼滅の刃は違いますよね。なんでか分からないですけど(いや、わかるんですが)炭治郎はゴーストバスター役の鬼殺隊の義勇さんと戦っています。

この時点で、他の漫画と違うなって感じですよね。そこで、義勇さんの正義も語られます。もしもこれが普通の漫画だったら、義勇さんはきっとサイコパスキャラになっていて、完全な悪役として語られるでしょう。その場合は一話で義勇さんを倒して終わるはずです。ですが義勇さんは心優しく「ああ、この人は正義側のキャラクターなんだな」と読者は確信できます。この義勇さんを倒すとは思えない。

ですがどうしても話の都合上、場を盛り上げる必要があります。一話でオチをつける必要があります。主人公の決意を示す必要があります。

主人公が何かを決意して「義勇さんというを倒そうとする」必要があったんです。

敵キャラが義勇さんではなく鬼でも良かったかもしれません(それが那田蜘蛛山編ですね。ラストで義勇さんが助けに来てくれる感じ、他の漫画の一話でもあります)ですが、このときの炭治郎では鬼には勝てません。鬼には人間は勝てない、という強さの面での齟齬が生じます。だからどうしても敵キャラは人間である必要があった。

そして、だからこそ…

義勇さんテンション高すぎませんか!!?

ってなるあの説教シーンが生まれたんです(と思います)。もちろん、ここは他の演出力に比べればネタ的な話ですが、いわゆるジャンプ漫画と一線を画す部分です。一番の見せ場のシーンが見開きでもなく、主人公の必殺技でもない。まさかの味方キャラの説教シーンとは…なんという新機軸…

この説教シーンがあったおかげで主人公は戦う気力を取り戻し、義勇さんに立ち向かい、とりあえずいい感じで一話を通して話の決着、世界観の説明がなされます。めでたく話の決着がつきました。

ジャンプの漫画の裏事情なども書かれた『バクマン』ではジャンプの連載会議では1-3話のネームが回されるそうです。つまり一話から三話にかけては担当と一番話し合う部分であり、だからこそ、原作者の意向とはやや異なったものが出来上がる可能性がたかいのではないか、と思います(もしかしたら逆に、担当の色が強くなる作品があるかもしれません。ただ、とにかく、話し合いがなされるので、一話から三話にかけては複数人の考えが反映されるパターンが多いと考えています)

個人的には、作者は「なーんか盛り上がりに欠けませんか?」と言われたのではないか、と想像しています。盛り上がりにかけるからこそ、不自然に場を盛り上げた。義勇さんはその犠牲になった、と私は思っています。

もしも後期の義勇さんだったら「生殺与奪の権を他人に握らせるな!!」ではなくせめて「生殺与奪の権を他人に握らせるな…」と冷静に語ってくれたはず…と私は思います。

今回は以上です。

今後も鬼滅の刃について思ったことを書いていったり、その他適当に思いついたことを書いていきます。

それにしても、鬼滅の刃…売れ方がすごいなあ…吾峠呼世晴先生…続編書いてくれないかなあ。


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