B06. 転職か、独立か、残留か #6(退職について)
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転職以上に気を遣う
退職は転職活動以上に気を遣います。特に現職に問題がある職場では。なぜなら誰かが抜けることによって、残された誰かに必ず負荷がかかるからです。そこで退職者に対して嫌がらせや嫌味もあります。これは退職者が現職から抜け出すことについて、残された人が嫉妬の感情を抱くからでしょう。
自分の場合、周りの人に「転職します」と伝えた時に「おめでとう」とは言ってくれませんでした。その代わりに「アメリカに駐在までさせてもらって会社をやめるなんて気に食わない」だの、「あなたの業務を引き継ぐ際にチーム内で波乱が起きることが心配でならない」だの言われました。
「おめでとう」と言ってくれたのは、別のチームでずっと一緒に一つのプロジェクトをやっていた方。それは、その人のお人柄が顕になる場面でした。仕事の進め方も本当に丁寧で言葉遣いも礼儀正しく、周りの方に対して常にリスペクトを持って仕事を進めておられました。
翻って自分のチームはどうだったかというと、まず直属の上司は私の退職の申し出を3週間ほど放置しており、結果的に私の有休消化期間が短くなってしまいました。つぎに、チームの同僚に至っては前述のとおり。さらには、周りのメンバーはどんどん私に業務をふってきます。「だから辞めるっていってるのに」と思いながら、それを断ることもできず渋々引き受けていました。
立つ鳥跡を濁さず、というが。
私はできるだけ現職のメンバーに迷惑をかけないように、退職希望日の約3.5ヶ月前に退職の意志を上司に申し出ており、自分の業務の引き継ぎ書をしっかりとまとめ、依頼された仕事も最後まで気を抜かずに進めてきました。しかし、現職の皆さまの疲弊や不満が相当溜まっているのか、退職する私に対して「立つ鳥の羽毛をむしり取る」かのごとき扱いでした。本当に哀しいです。退職する同僚に対しては、まず一言「おめでとう」の言葉をかけて「あとは私たちでなんとかするから心配しないで。新天地でも頑張ってね」ぐらい言ってもよさそうなものです。しかしそれができないとなれば、それはその職場に何か問題がある、ということ。そうであれば、さっさと辞めるのが正解です。
いつでも辞めるつもりでいること。
今回の退職活動を振り返って学んだことはひとつ。それは、常に辞められることを意識しながら仕事に取り組むこと。もはや終身雇用は幻想になっています。そのような社会だからこそ、常に辞められるように準備をしておくべきです。いつ何時会社の状況がどうなるかはわかりません。そのときに備えて、自分の仕事を常に文書化しておきその業務をいつでも引き継げる状態にしておくこと。そして、自分の個人用デスクトップに職務経歴書を準備しておき、定期的にそれをアップデートしておく。たまには転職サイトに登録してみて市況の状況をウォッチすること。そして、そのような準備を常にしておくことによって、いつでも辞められる状態にしておくこと。これができていれば、今回のように退職時に何か嫌がらせを受けても平常心でいられます。
そしてあまり多くのことを会社に期待しすぎてもいけなかったのかもしれませんね。