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地元糸魚川に地域おこし協力隊としてUターンして
まずは私のこれまでの人生を簡単に。
皆さんこんにちは、そして初めまして!新潟県糸魚川市地域おこし協力隊の加藤琢朗です!
私は現在、故郷である糸魚川市で農業関係の地域おこし協力隊として活動しています。この後詳しく活動内容を紹介するので、ここではひとまず簡単に「農業関係」とさせてください。
私、加藤琢朗は2000(H12)年生まれの現在24歳です。
高校卒業まで新潟県糸魚川市で過ごし、高校卒業後は新潟県立大学へ進学しました。大学時代は言語学や国際関係を学び、なんとなく世界を相手に仕事がしたいなというぼんやりとした希望を抱いていました。
そして、大学二年になる時期にパンデミックが世界を襲い、日常生活に様々な規制が強まる中で、オンラインでの大学生活が始まります。
その後オンライン授業にも慣れたころ、僕の目線は地元糸魚川へ向き始めました。海外志向が変わることはありませんでしたが、拠点は糸魚川に置いて働きたい、という思いを持つようになりました。しかし、糸魚川で何をして働くのか見つけることができないまま卒業をして、一度上京をしました。上京してIT企業で半年ほど働いたころ、以前から注目していた地域おこし協力隊の農業分野での募集が、糸魚川でされていることを知りビビッときた私はすぐに退職、転職、Uターンを果たします。
高倉という集落
そんな私がUターンして住み始めたのは生まれてから18年間過ごした実家から車で40分ほど離れた、旧能生町の高倉という山間の集落でした。恥ずかしながら糸魚川の出身でありながら地域おこし協力隊着任をきっかけに高倉地区を初めて知り、訪れました。
高倉地区の人口は2024年11月現在で18世帯約50人です。ちなみに糸魚川市全体で38,000人ほどです。
今でこそ50人ほどの人口ですが、最盛期の1947(S22)年ころには約600人が高倉で生活していたそうです。
高倉は糸魚川市の海沿いを走る国道8号線から能生川沿いに10kmほど内陸へ入った標高300m強に位置します。
周辺の他の地域と距離が比較的離れており、標高も高いことから「天空集落」とも呼ばれています。
農業が非常に盛んで、一面に広がる棚田で行われる稲作はもちろんのこと、「越の丸茄子」というブランド茄子が生まれた地域でもあります。
また、住民の苗字に特徴があり、集落のおよそ半分が「橋立」さんです。(理由は不明です)
さらに、近所のレジェンドおじいちゃん農家から聞いた話ですが、高倉天皇に所縁があるとかないとか、、。
そんな高倉地区で私は空き家を一軒お借りして生活をしています。
現在の活動紹介
それではいよいよ私の地域おこし協力隊としての普段の活動を紹介していきます。
一言で言えば「農業」をやっています。担い手が減少していく農業界に参入して後継者として独立することが協力隊としてのゴールです。
そのために高倉で農家として働く師匠たちから栽培技術を学んでいます。
現在学んでいるのは大きく分けて稲作と越の丸茄子二つです。
まずは稲作についてです。
高倉は所謂中山間地域と呼ばれる地域で、田んぼのほとんど全てが棚田です。そのため、農機を動かしたり、草刈りをしたり、何をするにも非常に苦労します。また、高倉は大きな川などの水源が乏しいため、しばしば水不足に見舞われることもあります。
しかしながら、昼夜の寒暖差が大きいためモチモチとした食感と甘みのあるお米が収穫できるのが特徴です。
そんな中山間地域である高倉で、春の残雪の中の育苗に始まり、田植え、水管理、草刈り、稲刈り、出荷までを一から習っています。棚田が主であるが故に、担い手が減少し続けている中でいかに持続的な農業ができるかが私に求められます。
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次に越の丸茄子の栽培についてです。
そもそも越の丸茄子とは、豊洲市場で日本一の品質と評され、別名茄子の大トロとも言われる高倉地区が発祥のブランド茄子です。その実は甘みが強く、皮が柔らかいのが特徴です。
越の丸茄子の栽培は非常に手間がかかると言われています。真夏には40度を楽に超えるビニールハウスの中で、枝の剪定をして、必要な枝や実に確実に栄養が渡るようにし、収穫は辺りがまだ薄暗い早朝に行います。早朝に収穫をするのは、夜に茄子の甘みとツヤが増し、早朝にピークが来るためだそうです。
そんな越の丸茄子の担い手も減少しています。
これまで先陣たちが築いてきたブランドを守りながら、さらに広めていくのが私の使命です。
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農業に対する私の変化
農業に携わって私の中で農業に対して明らかな変化がありました。
それは、農業はインフラ、ということと、農地は思い出、ということです。
農業はインフラとはどういうことか。
食料を生産するという行為は、電気ガス水道などの産業に匹敵するレベルで生活の根幹を支えるということに気付いたのです。ただでさえ食料自給率の低い日本で、今後農家の減少によりコメ不足、野菜不足になる可能性が少なからずあります。だから、手遅れになる前になんとかしなければという思いを持つようになりました。
農地は思い出とはどいうことか。
協力隊の活動の中で様々な農家さんと関わります。その中で、若い頃から何十年も同じ田んぼで稲作をしてきた方もたくさんいます。そういった方々に後継者がいないからと言って簡単に「引き継ぎます」とは口が裂けてもいえません。農地を引き継ぐとは何世代にも渡って受け継がれてきた、酸いも甘いも含めた様々な思い出も引き継ぐということだと感じています。絶対に途中で投げ出さずにやり抜く覚悟を持った人にのみ、先人たちはバトンを渡してくれるのです。
糸魚川の協力隊受け入れ態勢、ここがスゴイ!
糸魚川市で地域おこし協力隊として着任して感じた良かった点を2点紹介します。
1点目は、市、集落の受け入れに対する準備が整っている点です。
今回私は集落単位での受け入れということで、事前の根回し的な動きが着任後の初動を成功させるか否かを変えると考えられます。ここに関しては申し分ないくらいすんなり集落に受け入れていただきました。
例えば、地域おこし協力隊という外部人材を登用しようと動いている、と集落に周知していたり、着任後すぐに集落全戸への挨拶周りを計画してくれたりと、ヨソモノを受けれるためにやれることを市、集落と連携してやってくださいました。
2点目は、活動に対するサポートが手厚い点です。
月に一度活動の報告と合わせてなんでも相談できる時間を市の担当職員の方が設けてくださっていたり、市内の協力隊同士で顔を合わせて近況を話して互いの活動に対して客観的なアドバイスをもらったり、協力隊OBの方が活動の悩み相談窓口を担ってくださっていたりと、行政だけでなく、協力隊という同じ立場からの活動サポートも手厚いと感じています。
そのおかげで、一人で抱えること無く、周りの助けも得ながら活動できています。
にいがた地域おこし協力隊 合同説明会開催!
新潟県の地域おこし協力隊に関心のある方、新潟移住に関心のある方、新潟県内の地域おこし協力隊の最新情報が手に入るオンラインイベントが開催されます!是非とも、この機会にご参加ください!
【日時】
令和6年12月19日(木曜日)19時~21時
【参加市町村(予定)】
14市町村
(長岡市/柏崎市/新発田市/小千谷市/十日町市/村上市/燕市/上越市/魚沼市/胎内市/阿賀町/出雲崎町/関川村/粟島浦村)
【参加方法】
オンライン開催(バーチャルプレイス「ovice(オヴィス)」を使用)
【対象者】
地域おこし協力隊の活動に興味のある方、応募を考えている方、
新潟県への移住を検討している方 など
【申込等について】
・参加無料です。
・事前申込が必要ですので、12/15(日)までに下記のフォームからお申込みください。
<参加申込フォーム>
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfbiucNTwYoAl_dyYE3jbk7BRoO8dC826iF38RXdqzRGF1ECQ/viewform?vc=0&c=0&w=1&flr=0
・申込いただいた方には、開催前に参加方法等をお知らせします。