HARF Project 5/30 稽古備忘録 みんなで積み重ねる
さて先日もHALF Projectの基礎稽古。基礎は6月いっぱいまでなので3分の2が終了。ということでいままでよりも実践的なトレーニングにシフトしていきます。今回のテーマは「みんなで積み重ねる」。
お芝居にはストーリーがあり起伏があります。お客さんに楽しんでもらうためにはみんなで協力して物語を積み重ねて、クライマックスで頂点をつくる必要があります。ただ自分がやりたいようにやっていては頂点は作れません。みんなでいっしょにイメージを共有して相手のために表現する、その積み重ねが物語になります。
ウォーミングアップ① ボックス
今回は参加者のスエくんに音楽をお願いしました。ヒゲダン曲で元気にボックスを踏めました。ありがとう!
ウォーミングアップ② ポイホイ
今回は講師ののぶさんも参加してくれたので、のぶさんのエネルギーに負けないようにみんな頑張ってました。ポイホイも慣れてくると「こうやればいいのね」って型にはまりがちですが、相手が変わればやりかたも変わるはず。その時の相手にちゃんと影響をうけて反応することが大切。
ウォーミングアップ③ 赤いリンゴ・黒いリンゴ
こちらも雑にならずにちゃんと2人で言葉を作ることを意識してほしい。
トレーニング① ナンバーライン(しりとり)
ナンバーラインのしりとりバージョン。しかも今回は「みんなで積み重ねる」がテーマなので、しりとりを積み重ねて頂点に達したところで「ん」を付けて終わらせる、というトレーニング。どこが頂点になるのかっていうのはとても曖昧。だけどやってみると「もっと前に頂点いけたよ!」とか「今のはまだ早いよ!」みたいな感覚を共有できるのが面白いところ。このトレーニングで「積み重ねる」をイメージしやすくします。
トレーニング② 自由ボックス
定番のトレーニングだけどこちらも積み重ねることを意識する。のぶさんは最初参加せず、途中から入った。当然あとから人が入ってきたらおおきな影響をがあるはずでだけど、今回はみんながのぶさんを無視している(自分のなかに反応があるのにそれを押さえつけている)ように見えました。
その瞬間に自分が感じたことっていうのはとても大切で、嘘のない芝居をするために見逃してはいけないもの。でもその反応は小さなさざ波のような貸すかなものなので、感じた瞬間に表現しないとすぐに消えていってしまう。感じたことを勇気をもってすぐに表現する、という感覚をトレーニングのなかで体得してもらいたいと思っています。
トレーニング③ 意外な結末
みんなの前にボールを一つ置いて、みんなでそのボール(を見立てた何か)を取り合うというトレーニング。誰かがそのボールを手に取った時点で終了します。もうひとつ制約があって、だれがボールを取ったのかという結末を意外なものにしなければなりません。
見ている人が「意外だなあ」と思うためにはそこまで積み重ねなければいけない。ある方向に物語を積み重ねて、それを別方向に壊すことが求められるのでなかなか高度なトレーニング。
今回は3回このトレーニングをやったんですが、一度も誰もボールを取ることができませんでした。お芝居をやったことがない方には伝わりづらいかもしれませんが、ボールを取るのがすごく難しいんです。ただちょっとしたことなんですよ?スッとボールを誰かが取っちゃえば終わるので、それができない。その難しさこそお芝居の難しさであり、逆に言えばみんながボールを取れないのはちゃんとお芝居をやっているからに他なりません。
今回からだいぶ実践的なトレーニングにしたので、難しさとか反省が多く出てきたかもしれません。でもこれはあくまでトレーニング。うまくいくかどうかなんでどうでもよくて、自分が何をやったのか、何をやらなかったのか、なぜそうしたのか、それでどう感じたのか、そういったことを検証していくことが大切です。そしてトレーニングがどれだけ複雑になったとしても基礎である「エネルギーを出す」「いっしょになる」「相手のために」という3要素こそがすべてである、と立ち返ることが重要になってきます。
さて基礎稽古はのこり一カ月。僕の担当は後2回。できるだけのことをお伝えしていきたいと思っています!
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