#6 ケース1-3
あれから3日後。
私と彼は約束の通り食事に向かっている。
ちょっといいとこ選び過ぎた?と思い申し訳ない気持ちになったが、店につき彼は何も言わずに店の方へと歩いていく。
席につき、ビールとつまみ的なものを頼み乾杯した。
3年目となれば会社の愚痴や社会人としてのプライベートの話など話すことはなかなかある。
ほぼ私が話していたが彼は彼なりの言葉で意見を言ってきて、愚痴や悩みに関しても
『僕にはよくわからないけどこぉいうことなのかなと思います』と、安定の敬語で柔らかく応える。
それが酒が進んだ私には逆にムカつき、
『ねぇ君が敬語で話す意味ってホントはなに?』
と少し言葉キツめに言い放った。
彼は表情変えず、
『だから言いましたよね?誰にでも敬意を評しています。って』
『それはないなっ!君のたまにだす視線はなにか隠してるはず!!』
なにかってなんだって自分で思いながらも勢いで放った言葉はもう戻ってこない。
『さっき店に入る時も扉開けてくれたでしょ?席に座る時も私が座りやすい方に座らせる!メニュー頼む時も見やすいのは私の方!なにも考えていない人ができる行動だとは思えない!!』
さらに勢いを増して感じたことを並べた結果彼は顔をしかめ、なんだこの女という感じの表情を作る。
『だからそれすらも敬意を評しているからですって。人として普通の行動です。』
イラついたのか言った直後にグラスのビールを飲み干して追加のビールを頼む。
『でも同期の私には別によくない??』
『同期だからって理由でそこは覆りません。1人の人としてなので』
かてぇなこいつ!!!かちんこちんかよ!!!
『まぁいいや。そこまでいうならそのままで』
空気が悪くなった気がしたので強めの酒でも飲んでやろうと思ってワインに手を出した私はここでワインを飲み出したことが良かったのか悪かったのかいまだにわからない。