#11 ケース5
あぁ、、、気が重い。久しぶりに会うのはいいんだけど、楽しい話の気配が全くしないよぉ。
"あの人"の急な話には大変な思いをしたことしか記憶にない。
『まぁいいか。なんとかするしかない。』
と、覚悟を決めてお店の中へ入った。
『いらっしゃいませ。』
と深々に頭を下げて丁寧に対応してくれる店員さん。名前を告げるとこれまた丁寧に案内してくれる。
こういった店を選ぶあたり嫌な予感しかしないし、これも"あの人"の戦略なんだろうと思ってしまう。
扉を開け、個室へ案内される。中へ入ると"あの人"は
『やっ!久しぶり!』
と年上にも関わらず、ポップな挨拶をしてくる。
『お久しぶりです。』と言い席についた。
う〜む。どうやり過ごそうかな。
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仕事中にあまりならないプライベートの携帯がなった事に過剰に反応し、画面を見ると店舗勤務だったころ一緒に働いていた"副店長"だった。
えっ??????なに!?!?!?!?
という"?"ばかりが頭の中を巡ったが出ないわけにもいかないので、通話ボタンを押しながら席を立った。
『もしもし?』
『おっ!出てくれた!出てくれないかと思ったよぉ!』
『あぁ、すこし迷いましたけどね』
『なぜ!?!?なんで迷うの!?俺なんかした!?』
なんかされた記憶しかないのだけど、話が長くなるとめんどくさいので、
『わざわざ仕事中にかけてくるってことは余程のことなのかな?って思ったので』
と、返事になってないような返事をした。
『さすが!やっぱりできるオンナは違うね!今度ごはんいこうよ!本社勤務も退屈でしょ?いつでもいいからさ!グチの言い合いっこでもしようよ!!』
なんて誘い方してるんだ、、、。
『退屈ではありますが、グチはありません。それでもいいですか?』
『えっ!?ないの!?じゃ嫌いな人は?めんどくさい人は?』
てめぇがめんどくs!、、、
『以前店舗勤務だった際の副店長を上回るめんどくさい人はいませんので安心してください。上手く立ち回っています。』
きっとその副店長さんは部下の育成がすごく上手なんだね!!なんて誰のことか分かりきった上での会話が終わり、食事の予定を決め、食べたいものある?と言う質問には和食!と返事をしてお店選びはお任せできた。
んじゃまた店はなんかしらでれんらくするわぁ!という言葉とともに通話を終了した。
ん〜〜〜〜。
なんの話だろうなぁ。
と1週間半程度もやもやしながら仕事をすることとなった。