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ケースX

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#仕事

#6  ケース1-3

あれから3日後。
私と彼は約束の通り食事に向かっている。
ちょっといいとこ選び過ぎた?と思い申し訳ない気持ちになったが、店につき彼は何も言わずに店の方へと歩いていく。

席につき、ビールとつまみ的なものを頼み乾杯した。

3年目となれば会社の愚痴や社会人としてのプライベートの話など話すことはなかなかある。
ほぼ私が話していたが彼は彼なりの言葉で意見を言ってきて、愚痴や悩みに関しても
『僕にはよくわ

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#5  ケース3

さてと。
状況は揃ったなと。
人事異動の工作を終えてひと段落。
同じ社歴の人間を2人も引っ張るのは苦労したがなんとかまとまってよかった。

あのように言ったがあのときは確実的に引っ張れる確証なんてなかった。
できなかったらダサすぎる!!!と思いながら取り組んだ人事異動工作は協力者のおかげで無事完了。

楽しみだなぁ!!!!

『ねぇねぇ!何してるの??今日ヒマだよね??紙飛行機作ろうと

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#3  ケース1-2

#3 ケース1-2

※ケース1の続きです。ケース1の2話という感じでケース1-2と表記しております。※

あいつマジで!
懇親会の翌日出社した会社にはすでに"あいつ"がいた。

『おはようございます!』

先に出社していたスタッフもいたので皆さんにご挨拶。
あいつはこっちすら見ず、挨拶の声を発しているのかも不明。

『おはようございます。』

真後ろまで行き、さきほどとはワントーン落とした声で挨拶をした私に、

『な

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#2  ケース2

#2 ケース2

"人"のなんてのは簡単に信じられない。

でもそれは言い方を変えれば、自分が自分を信じられていないからだと思う。

自分がダメな人間かということを自覚すればするほど、純粋で真っ直ぐな人といるのが辛くなる。

「あの人みたいになれたら…」と思うと辛くなるからすぐ目を逸らす。

俺は立派な人間ではない。

「ホントまじめだよね」
「いい人だよね」
「頭いいよね」

これらのワードは聞き飽きた。

逆に

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#1  ケース1

#1 ケース1

『またこんなところでサボってる...』

同期の彼はバックヤードの隅でスマホをイジイジ。彼のお決まりのおサボりポジションだ。うまく隠れてんなぁと思いながら...彼に声をかける。

ハッとして顔をあげたが、私ということが分かり表情が濁る。

『だって表にいてもお客様は来ませんし、やることはやってるので、文句を言われる筋合いはありません』

めんどくささ全開でそんなことを言う。

なんでも無難にこなし

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