本当の血液型、そして母からの口止め強制
今でもハッキリと覚えてる。
分数の授業の時に数学の先生が自分の血液型の時に手を挙げて、と言った。
『A型の人‥18人か。B型の人‥12人。このクラスはA型が多いなあ。次はO型の人‥7人。先生と同じAB型の人!‥5人かあ。』
私はB型の時に手を挙げた。
でも授業が終わった後にクラスメイトから
『タカヤさんって絶対Bじゃないよ。』って言われた。
なんでって聞くと
『自分の親がAB型だけど親と似てるもん。』っと。
その話を聞いていた他のクラスメイトからも
『自分はB型だけど、タカヤは全然Bって感じがしない。』
何気ないクラスメイトとの会話だった。
私自身もそんなに深刻には受け止めてなかった。
私の両親は共にB型だからありえない話しだった。
学校が終わり、家に帰宅して母ジュンコに
「今日ねクラスメイトにAB型でしょって言われたんだけど」
って言ったら母親がすごい形相で
「なんでABって知ってるの!?」
母ジュンコの言葉に私は言葉を失った。
「いや私がB型には見えないって言われた。その子の親がABだからAB型でしょって言われただけなんだけど‥。」
次に母ジュンコから出た言葉は
「ユイ、貴方は私と父ユースケの子じゃない。貴方の父親はAB型だから本当の血液型はABであってる。」
私はこの時にとても喜んだことを覚えている。
なぜなら私と父ユースケの仲はすっごい悪かったからだ。
私の体に大嫌いなクソ親父の血が流れていないとわかったことが、子供なりにすっごい嬉しかった。その気持ちは今も全く変わっていない。
母ジュンコは喜んでいる私を見て、どう思ったのだろうか。
母ジュンコは私に
「貴方の血液型は絶対に誰にも話すな、言うな!
もちろん父ユースケにも絶対に言わないでよ。私には貴方を育てていく力はないんだから、追い出されたら困るんだから。死ぬまで墓に持っていくんだよ、わかったかい!!絶対だよ!!」
私は、この時に自分の血液型を人に隠していく重さを全くと言っていいほど理解していなかった。
母ジュンコの言葉が私の人生の足枷となることに私はまだ気づいていなかった。