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●タカヨシジャパン様インタビュー:MG実践編(MQ会計とプライシング)

ものづくりのコンソーシアム・みせるばやおでの「やおやおMG・TOC」を受講して下さったタカヨシジャパンのマネージャー・松原圭さん、リーダー・奥本大貴さんインタビューの2回目です。(サムネイルは2023年ファクトリズムでレーザープリンターで名刺作りのワーク対応の松原さん)


2023年ファクトリズム:現場案内に対応してくれる奥本さん

前回の記事はTOC活用編としてこちら。

 
「ボトルネックに合わせて投入」で従来100本だったのを40本にロットを細かくしたところ、段取り替えの時間や手間が大変と思ってたのが何の抵抗もなく、在庫が減って、調整効いて、残業減ったということや、「外注先にV(原価)の値上げを提案して関係性が良くなった」等を書いています。 

2回目の今回はMG(注1)実践編として、研修やMQ会計からの実践をご紹介します。

●残業時間は減ったけど、残業代減ったと不満が…

松原さん:今のタカヨシジャパン・製造現場で(売上でなく)MQ(利益)が共有出来てるのは奥本君と僕2人だけ。今はそれでいいと思ってるけどTOC(注2)が理解出来てない人とは乖離がある。年収上がっても残業代減ったことに不満があるのもそう。暇になって利益が出てるのが理解出来ない
 
勝矢:MQ/Hはどうですか?利益を労働時間で割ったら自分たちの稼ぐ速度が上がってることわかるんじゃないですか?
 
松原さん:それ良いですね!奥本君すぐできるよね。
 
奥本さん:はい。すぐ出来ます。
 
松原さん:でもデータばっかりになったらあかんっていうのは社長からよく言われる・・・。僕はデータが好きやから数字に走りがちやけど、それ以外も大事にしないとあかんっていうのは折々に言われる。現場は奥本君がフォローしてくれてるけど、それゆえ、(奥本君が)ボトルネックになる(笑)

勝矢:今度は奥本さんが大地君(注3)になってる(笑)
 
松原さん:そうそう。荷物いっぱい背負い込んで・・・まあ、今は仕方ないね(笑) 

奥本さん:(苦笑)

TOCではチップやタスク山積み状態を大地君という。社長やリーダーの「やることいっぱい状態を指すこともある。


●できた時間で得意商品1つに集中、数量アップにトライ


松原さん
:(次の)研修に現場の皆も一緒に参加するんで(共通言語・共通体験)楽しみなんです!

松原さん:ここからMQ(利益)アップしようと思ったらQ(数量)アップが必要になるじゃないですか。現場は奥本君たちに任せて僕は時間が出来たんで、次は営業強化したい。

金属加工、どんなものでも大体できるけど、新規のお客様にはロールシャフト一本に集中することにし、ホームページも見直しました。

現在のウェブサイトは「ロールシャフトの達人」という得意とウリがわかりやすいページができています。

●シミュレーションゲームで原価積み上げの値付けから脱却!


松原さん
:MG本当に役に立ってます!利益感度分析(注4)すごいっすね。利益感度のおかげで安易な値引きは絶対ダメで、P(価格)アップの威力がわかった。

僕、初MGで運よくA卓(売上成績上位の卓)に行けたんですね。 A卓、社長さんばっかりだったんですよ。皆さん、本当にすごい!日々こんなに意思決定されてるって知った。

写真はやおやおMQ会計特別講義での利益感度分析

松原さん:実はですね。僕、A卓に行く前に卓順表(売上順位・成績表)で同じ卓の皆さんの前期のプライス調査したんです。これだったら僕のプライスで行けるなって。実際に全部入札、通ったんですよ。

これ、リアルのプライシングと一緒。市場調査ですよね。前だったら原価からの積み上げしか出来なかった。MGやった後は技術力や付加価値も考えて値決めするから必然的に高くなるけど、それでも通用することがわかった。

MGインストラクターコメント:松原さんのMGの経験回数は2回。2回目はまだまだゲーム運びや決算に精一杯のはずなのに、市場調査からプライシングまで自ら試しているのは驚きです!

壁貼りの情報共有を元に次期の経営計画を立てる研修の様子

松原さん:奥本君はあまりいろんな事、言葉にしないけど、MGで隣りにいる成功者(ゲームの様子)を見てるから、プライシングの意図を理解してくれ、方向性がぶれずに済むからありがたい。でもまだまだ僕らわかってない。(ゲームで)設備投資して、採用したらすぐ(自己資本)落とす。

勝矢:私もMG弱いし、まだまだです。最近やっと5年先見据えて早めに投資しようと思うようになったけど、(一方で)自分のプライスにこだわりすぎて、売り負ける・・^^;  奥深いですよねー。
また一緒にゲームしましょねー。


☆ ☆ ☆  
 
今回のご紹介はここまでです。
 
3回に分けてご紹介するタカヨシジャパンさんのインタビュー記事
1回目はこちら:TOC実践編(ボトルネックと全体最適)
2回目は本日のMG実践編(MGでの学びとプライシング)
3回目は次回ご紹介:コミュニケーション編(日々のコミュニケーションとビジョンデザイン)になります。

●タカヨシジャパンさん主体運営のこうばの人事部主催「製造現場生産性向上セミナー」


こうばの人事部とは:「八尾市のものづくりをもっと身近に」地域の製造業が一丸となって若手人材をはぐくむためにつくられた組織です。

●問題を発見することから始まる「製造現場生産性向上セミナー」合計5回(単発受講可)
開催場所:ものづくりのコンソーシアム・みせるばやお
 
前半:生産性を飛躍的に高める「 ザ・ゴール」TOCゲーム研修
講師・株式会社たくらみ屋 森本繁生さん
11/30(土)13:00-17:00 申し込みフォーム https://x.gd/kEF0V

12/14(土)13:00-17:00 申し込みフォームhttps://x.gd/Q9diu
みせるば会員6000円/一般12000円(各回1名)

後半:原理原則に基づいたカイゼンの学び
講師・大阪工業大学教授 皆川健多郎さん
2024年12/25(水),2025年1/21(火), 2/4(火)13:30-17:00 申し込みフォームhttps://x.gd/doBMR
みせるば会員5000円/一般8000円 (3回セット1名)

注1・MGとは:マネージメントゲームの略。元ソニー社長室長で株式会社西研究所 所長の西順一郎先生開発の経営シュミレーション研修。製造業をモデルに材料仕入れ→製造→販売の一連を資本金準備の会社設立から始め、5年間の自己資本を競う。採用や設備投資、研究開発や教育、販売能力強化等、社長の実務と決算による会計も学ぶ。http://www.nishiken.jp/

注2・TOCとは:Theory of Constraintsの略・「制約条件の理論」イスラエルの物理学者・ゴールドラット博士による経営理論。この記事内の研修は株式会社ソフトパワー研究所 所長 清水信博先生 開発のもの。1グループ6工程(6人)の工場経営をシュミレーションする。ボトルネック(流れの一番遅い工程)を知らずに投資する会社と、ボトルネックを活かし利益を向上する会社等を決算含めて体験し、自社のボトルネックを見つける。https://www.softpower-lab.com/

 

注3・大地くん:ゴールドラット博士の著書・「ザ・ゴール」マンガ版に登場する少年の名前。「一番遅い大地君が全体の成果を決める」というボトルネック(一番流れの遅い工程)に象徴される。リュックにいろんな荷物を詰め込んでることから社長やリーダーの日常にも当てはまるとされている。
 

注4・利益感度分析:経常利益でそれぞれの要素を割ったもの。総売上を割るとP感度、売上原価を割るとV感度、固定費を割るとF感度、売上総利益を割るとQ感度。学びたい方はこちら「西純一郎先生編集:利益が見える戦略MQ会計」にて。

●たくらみ屋のTOC.MGの公開セミナー


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