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制約に注目してワナから脱出せよ!

こっちの商品は利益率が高いから儲かる、早く作れるから儲かる。当たり前のように聞こえますが、なぜかこれで頑張っているのに儲からない。。。と行き詰まりっぽい気持ちになっていることはないでしょうか。

ライバルはそんなに利益のある商品を作っているようにも見えないし、作るのも時間がかかっているようだし。何故?

実はその謎を解く鍵は「制約条件」。 大切な「制約条件」を見逃していると、当たり前と思っている意志決定が大間違いだったりすることがあるのです。

できるだけわかりやすく説明するために、たくらみ屋メンバーに登場してもらって、バルーンアートの制作の架空事例を作って考えてみましょう。  

たくらみ屋は得居裕江(とくいっち)が得意なバルーンアートを制作して売ることにしました。とくいっちが監督となり、おじさんメンバー3人で制作を分担して作るのです。 その工程は下の図のようになります。

3工程を経てバルーン作品を組み立てるとします。 A工程は意外と器用な? 我孫子勝広(ワビタン)がやります。かかる日数は2日。

B工程はわたくし森本が作るのですが、私はたくらみ屋でも評判の不器用で5日かかってしまうのです。

C工程は米澤晋也(米ちゃん)が担当して3日で終わらせます。 合計で10日でバルーンアートが完成するとします。

さて、年間240日働けるとすると、何個のバルーンアートが作れるでしょうか?

240 ÷ 10 = 24個?

いえいえ、A工程ができてB工程に渡したら、A工程は遊んでいるわけではないですから、次の制作にとりかかります。ですからもっと制作できます。

しかしわたくし森本のB工程が5日かかるから、森本が働ける日数が「制約条件」となりそうです。

私が働く時間を最初に使い切ってしまう。 そうすると、バルーンアートが出来上がる個数は 240日 ÷ 森本がかかる制作日数5日 = 48個 ということになります。

(厳密には最初の1年は、前後のワビタンの2日と米ちゃんの3日があるので47個になると思いますが、来年からは仕掛品があって関係なくなるので考慮していません。)

しかし、とくいっちから「これではダメよ!」という檄が飛びます。

「お客様は 年間60個 欲しいっておっしゃってます。男子ズ、もっと頑張るのよ!」

うーん、わたくし森本が制約条件、ボトルネック。どうしたらいいだろう?とたくらみ屋は考えます。  


改善するために制作日数を伸ばす?!



すると、最近「農業TOC」で東北で活躍しているワビタンから驚くべき提案が出ます。

「バルーンアートの製作日数を、10日から11日に伸ばせばOKだよ。」

みんな「何だって?」と驚きます。「わざわざ制作日数を伸ばす?!」

しかし。。。たくらみ屋のワビタンが言うことなので、何かたくらみがあるはず。 「ワビタン、それはどういう考えで言ってるの?」 「それはね。。。」 フフフっと笑いながらワビタンが説明します。

「シゲさんの仕事時間が制約条件なんでしょ? シゲさんの仕事を僕がちょっと手伝おう。」

「TOC(制約条件の理論)から考えると、制約条件が成果を決めている。最初にやることは制約条件を徹底活用すること。

今の仕事では、制約条件の時間を少しでも節約するようにすれば、もっと制作できるはず。」

「僕はB工程の仕事は苦手でシゲさんの倍の日数がかかるけど、手が一番あいていて時間が余っている僕が、シゲさんの仕事の最初の1日分だけ手伝うんだよ。」

「ふむふむ。」 「シゲさんが1日でできることは僕は2日かかってしまう。そうするとこの図のようになって、完成までには11日かかって長くなる。」

「しかし制約条件のシゲさんの働く時間が節約できるので、年間に僕らが制作できる個数はこのようになる。」

240日 ÷ 森本( or ワビタン)がかかる制作日数4日 = 60個

「60個できるじゃん!」

ワビタンはつまり、下の図のように仕事の通る道路の詰まりどころを拡張し、たくさん通るようにしたのです。

みんな、ワビタンの提案に納得です!

どうでしょう。ほとんどの企業ではワビタンの提案は「製作日数が伸びるなんてとんでもない」っていうことで、却下される提案ではないでしょうか?

しかしそれは今までなんとなく縛られてきた「全体を見ていない時間意識」「あやふやなコスト意識」から来る意思決定、大きなワナなのです!

「お客様に価値を生み出して儲け、しかもチームに協力体制ができてうまくいく」ためには、全体を見て制約条件に注目することがこんなにも強力に働くのです。

ぜひ、「全体最適」の視点を持って改革をしていきましょうね。


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