制約条件の理論(TOC)の定義をアップデートする
制約を「創る」ことが増えた
制約条件の理論(TOC)の定義を私的にアップデートしました。
「制約を外したり創ったりして手懐けながら、人と組織の潜在力を発動させる理論体系」
これは森本の個人的な定義で随時修正アップデートしていきますが、恐らくたくらみ屋のTOCインストラクター仲間たちには深く合意してもらえる定義と考えています。
そもそもTOCをなぜやっているのか?
それは定義の後半の「人と組織の潜在力を発動させる」ためです。
たくらみ屋では発足当初から「才能を青天井に伸ばす」と同じ意味のことを言っていました。
そのために制約を一生懸命探したり、解消したり、小さく崩したり、徹底活用したり、制約に従属させたりしてきました。
しかし最近は「制約を創る」ことが「制約を外す」「制約を活用する」と同じくらい増えてきました。
それは物理的に見えやすい外的制約 (External constraint)よりも、人の頭の中、組織の風土などの内的制約 (Internal constraint)に対処することが圧倒的に増えたのが一つ。
そしてあいまいで自由すぎるものは考えづらいので、目に見えにくいものは逆に制約をかけて考えることで具体化することが増えたのです。
「現状を点数にすると何点でしょうか?」
「そのマイナス◯点はどんなことでしょうか?」
という具合ですね。
これは抽象的思考が得意な経営者と、具体的思考が得意な現場社員さんとの水路づくりにもなります。
制約の基本の5stepは参照しながらも、問いかけや会計によって制約を外したり創ったりし、ポテンシャル(潜在力)の通路を創っていく。
「制約を外す」だけでは道半ば。制約を外すと創るを行き来する。これが今回定義を考え直した一番のポイントです。
思い通りにはならないけど、手懐ける
そして「手懐ける」と表現したのは、制約はコントロールできないことの方が多いからです。
「今どうなっているかわからない」「これからどうなるかわからない」という計画の立てにくい時代では、制約がコロコロ変わることも普通にありますね。コロナ禍で世界中の多くの業種で一気に市場が制約になったのは記憶に新しいところです。
そんな時代でも
1.変化を感知し
2.柔軟に必要な人と共有し
3.根っこの重要課題に合意し
4.人の協力体制を柔軟に組み換え
5.対策を具体化し、実行する
これらの流れを早くすることで対処ができるようになってきます。
上記の5stepを少し抽象化したレイヤーで見ると
・変化する情報の流れを速める
・合意形成、意思決定の流れを速める
・人の流れを速める
・技術、ノウハウの流れを速める
・実践の流れを速める
本質的には全て流れを速める取り組みと言えます。
流れを速めるために、時には制約を外して詰まりを取り除き、時には制約を創って水路を通す。
そのために問いかけやEQ(思考×感情)、会計の足場が必要になるので、これらの分野も各論で探究し続ける。
そんな「流れを創る理論体系」としての制約条件の理論(TOC)を、ますますアップデートしていきたいと思います。
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