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両面思考のステージへ
「自分が勝つ」には「相手が負ける」必要がある、という話。
近年「戦わない」「共創」という言葉が頻繁に聞かれます。ただ、よく誤解されるポイントでもあります。
「戦わない」と言うと、よくブルーオーシャンを探す、という話になるのですが、私は「戦わない」と「競争しない」というのとは違うと考えています。
ある程度の競争は、お客様に届けるサービスを磨くのに必要なこと。
「戦わない」に至るには、実は一旦「戦う」ことを考え尽くすことが必要です。
経営者の懇親会でお酒が入り、ヒートアップしてくるとどう売るか、どう競合に勝つか、などという本音レベルの議論が熱く行われます。
これらはつまり「自分が勝つ」ための話です。創業期・高度成長期はこれで結構うまくいく。
しかし次のステージには「自分が勝つ」ということの裏面を是非考えてもらいたいと思うのです。
「自分が勝つ」ためには、「相手が負ける」必要があります。
自分が勝とう勝とうと考えている間は競争が激化するのみ。その裏面の「相手が負ける」ことを考えてみると全く違った発想が出てきます。
多くの場合、それは「環境を変える」の思考です。
例えば、自分の主力商品に競合他社がどんどん出てきて価格を下げてくる。販売数量が下がる。
その場合に自分も価格を下げて競いあう、というのは「自分が勝つ」思考。
しかし、「相手が負ける」ということを考えるとどうなるか。
・相手に値段を下げさせない要因を作る。
ex 相手の仕入原価を上げる方策を考える。
ex 相手の固定費を上げる方策を考える
・相手の売るものを無くす。
ex どんどん売らせて早々に売り切れさせた後に売る
ex 納品ラインを細くして納期を伸ばさせる
・相手を吸収合併してしまう。
・相手が市場から撤退するようにする。
ex この市場はうまみがないと社内で考えさせる
ex もっとよい商品や事業があることを認知させる
いいアイデア、悪いアイデア、理想的なアイデア、人道的でないアイデア(^-^;など含めていろんな発想が出てきます。
最後あたりのアイデア、相手が自社の良さを生かした他の商品や事業に力を入れるような環境を創る、というのは、一つの理想的な形でしょう。
相手も負けていないし、お客様に価値が増える方策が取れれば、初めて「戦わない経営」「市場の共創」となる。
両面思考の習慣をつけることで、進めるステージがあります。市場環境を「創ろう」と考える人は、規模に関係なく市場を引っ張る人になって行きます。
(この記事は2011年1月27日にブログで掲載した記事を、加筆修正の上noteに移行したものです。)