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問い15 : いちばん熱心なお客様は誰ですか?


問題の改善ではなかなか新しい価値は生まれない

商品やサービスが売れなくなった時に、自信がなくなってしまうことがあります。

そんな時は悪いことばかり目についてしまって、どう改善するか? ばかりを考えたくなるものですね。

会議でも「なぜできなかったんだ?!」って詰問が多くなって、どんどん雰囲気が暗くなることが多いものです。

苦しみや悲壮感の中で作ってしまった商品・サービスは、不思議なことに雰囲気が漂ってしまうものです。「匂い」とでも言うんでしょうか。

買う方もそんな匂いが移ってしまいそうで、何となく手が伸びない商品になってしまうんですよね。

そんな時は、問いで流れを変える必要があります。

ネガティブな空気を一変させる「いちばん熱心なお客様は誰ですか?」


これは、もう20年くらいの鉄板の問い。ネガティブに陥った職場の雰囲気を一気に変える突破口となる問いです。

お客様はできなかったことではなく「できたこと」にお金を払っていただいているはずです。お買い求めいただくお客様が居れば、何かできていることがあるはずです。

その中でも最も熱心な少数のお客様が何を求められているか? に注目するのです。

そしてその要望の中で、他の多くのお客様にも求められそうなものを突出させ、PRするのです。


熱心に求められることから考えた実例


例えば私達のお客様の要望では、2日間かかる研修は仕事を止めてしまうので、1日、いや半日でできないかという要望は何度もありました。

「いや〜、こんな良い研修を社内の人に半日でできればいいのに!」という感じです。

そこである社内研修で3時間で行えるように綿密にヒアリング・相談して設計すると、そのプログラムは全社集会の研修パートや、業界団体の勉強会にも使っていただけるメニューになりました。

全社集会での研修の様子1
全社集会での研修の様子2

「熱心に求められること」の中に大きなヒントがある好例です。


最近、弊社に研修などを熱心にご依頼いただくお客様を考えると、確かにご要望が変化しています。

これまでは経営学の研修で知識を教えたり、覚え込ませたりする研修が多かったです。

社内の共通言語をつくるために、基礎的な入門編の内容をご希望され、実際それがうまく機能していたように思います。

今の熱心なお客様は、ご要望がかなり変わってきました。

上から何かを「浸透」させるのではなくて、現場の社員さんの方が理念や行動規範、制度を作るなど、経営に「参画」する機会を作りたいという企業さんがとても熱が入っています。

一例としてある企業さんで、「問いかけ」を活用して実際に10個ある行動規範の一部自分たちで作り変え、それが実行できればどんな未来になるかをポスターや新聞で書いてもらうワークショップを行いました。

この企業さんで行ったことを発信すると、別の企業さんからも熱心なご相談があり、リーダー向けに3回のワークショップを鋭意設計中。求められていることを実感しました。

私達は手持ちプログラムを柔軟に「参画型」に組み変え、企業の風土を耕していくことを求められています。

熱心なお客様は次の事業のヒントをありがたいことに遠慮なく教えていただけます。自社の力だけではなく、お客様の力を感謝して活用させていただく。これこそお客様と共に歩むというということではないでしょうか。


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