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コンサル業の倒産過去最多から考える、組織成長促進者の必要条件とは?


この記事はポッドキャストでも話しています。

コンサルタントってそもそも何する人?


コンサルタント業の倒産が過去最多という記事が出ていました。

経営のプロが倒産するということで、「医者の不養生では」とか「顧客ニーズの高度化が原因では」といった様々なコメントが寄せられています。

私はたくらみ屋の相棒の米澤晋也との初対面で「コンサルタント ”みたいなもの” かな〜?」と自己紹介して信用してもらえた過去があります。

そんな感覚なんで自らコンサルタントと名乗ることは少ないですが、親にはわかりやすく説明するために「コンサルタント」という言葉は使ってしまいますね。

一応はコンサルタントの端くれ?として、コンサルタントという仕事の本質について考えてみたいと思います。

一般的にコンサルタントというと、ノウハウを教えてくれる人、実行をサポートしてくれる人、データを分析して見える化してくれる人というイメージが強いと思います。

しかし、これからはそういった役割の多くがAIに取って代わられていくでしょう。

知識やノウハウは確かに高度化していますが、相手が本当に求めているのは自社が良くなること、社員一人一人が生き生きと働けることなんです。

そしてそんな状態に組織が変容していくことを「組織成長」と言っています。「組織開発」って言葉が大企業さんでは一般的ですが、何か人工的に土木工事しているみたいなイメージで好きじゃないですね。

組織成長支援に必要な基礎力「問いの力」


ではコンサルタントを「組織成長を支援する人」と一旦定義しておいて、コンサルタントに必要な力は何か?を2つにまとめてました。

1つ目は「問いを提供する力」です。

答えはネットに溢れていますが、多くのご依頼者ができないことは何かと考えると、それは「課題の定義」です。

売上低下、クレーム増加、残業過多など、様々な問題が存在しますが、その根本となる課題を定義することが重要です。

私たちはTOCの思考プロセスなどを活用していますが、重要なのは皆で課題を定義し、協力して解決する方向性を見出すプロセスを共有することです。

問題と課題は区別して考えており、課題とは「皆が解決しようと合意したもの」を指します。この合意形成のプロセスには、対話の作法やアイデアを引き出す問いの技術が必要になってきます。

複数のプロの顔を使い分ける「柔軟な立ち位置」

2つ目は「柔軟な立ち位置」です。

私や仲間が実際にやっていることを表現すると、すごくたくさんの表現語句があります。

講師
コーチ
メンター
カウンセラー
ティーチャー
インストラクター
先生
師範
トレーナー
伴走者
支援者
火付け役
ファシリテーター

様々な役割がありますが、それぞれ立ち位置が異なります。

例えば、ティーチャーやインストラクターは参加者の前に立って導く立場、コーチや支援者は後ろに立って後押しする立場です。メンターは経験を伝えながらも話を聴く、という両方の性質を持っています。

今の私自身は、最も立ち位置がくるくる変わる「ファシリテーター」という表現が最も近いと感じています。

私の行動特性を考えてみると、イベント後の交流会の移動などでは9割がた列の最後を歩く。誰か取り残していないかを確認しながら、前を行く人が方向を間違わないように「あ、そっちちゃうで〜」とか言ってあげる。

しかしたまに、誰も動き出さない時は「行くよ!」って先頭を切って歩き出して、店に着いたら最初に勝手にビールを飲みだしたりする。こんな促進者的な働きをすることもあります。


ファシリテーターは状況に応じて立ち位置を自在に変えられる人です。時には後ろで見守り、時には提案し、必要な時には知識を伝える。

いろんな顔持っていながら、それぞれの顔は一定レベル以上のスペシャリストでありたい。

これからの組織成長支援者には、このような「連続スペシャリスト」としての性質が求められると考えています。講師、コーチ、ファシリテーターなど、様々な役割を状況に応じて使い分けられる人材です。

答えではなく問いを提供し、立ち位置を自由自在に変えられる。

これが、これからの組織成長支援者に求められる要件と考えています。


これからの組織成長支援を共に学ぼう


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