警察の警察? 建築業界編 ~50代からのプログラマー~

CPD更新講習

建築業界には、様々な資格がある。
建築、構造、設備、、、
設計に関する資格。
積算やマネジメントに関する資格。
施工(工事)に関する資格。
いっぱいある。
食えない資格が多い。
だが、一度取得するとなかなか捨てられない。
この時期、資格の更新が忙しい。
更新講習を受ける時間と更新料、受講料、協会年会費・・・飛んでいく。

クライアントは、誰を信じる

昭和の資格は、取得したらそれっきりというものが多かった。
平成に入ると、急に資格更新ブームが起きた。
きっかけは耐震偽装事件だ。
本来、建築士は、ゼネコン等の設計施工一括受注を良しとしい背景から生まれた。
素人のお客さんに代わってゼネコンを監視する役目だ。
設計・施工。。。発注は、一括が分離か?
昭和に繰り広げられたゼネコンと大手設計事務所との、着地点のないイデオロギー対決だ。
ただ結果的に、公共工事は、設計と施工の分離発注を原則としている。
建築基準法、建築士法も、法律で設計者と監理者(図面通り工事をしていることを確認する専門家)の工事に対する独立性を定めている。
「工事業者より」ではなく、「お客さん寄り」の存在としての設計士だ。
その設計者が、悪いことしちゃった。
信用を失う耐震偽装をしてしまった。
やっぱ、設計者だって悪いことするよね。
じゃあ、誰を信用すればいいの?
素人のクライアントは当然そうなる。

コンストラクション・マネジャーって?

そこで現れたのが、コンストラクション・マネジャー(CMr)という資格だ。
もともと海外(アメリカ等)で普及していた資格だ。
だがアメリカは、事情が大きく違う。
アメリカは、日本のようなゼネコン(総合請負会社)は、ほとんど散在しない。
現場では、専門業者だけが自分のテリトリーだけの仕事をして帰っていく。
工事費は基本前払い。クライアントが払うお金が無くなったら、工事は止まる。
現場調整も、資金繰りもヒヤヒヤのプロジェクトを切り盛りする資格がアメリカのコンストラクション・マネジャーだ。
建築ができたら、それと引き換えに工事費払ってね! は日本だけである。

当然日本にアメリカのようなコンストラクション・マネジャーは要らない。
「この建築物を完成させないと、お金がもらいない」と頑張る日本のゼネコンは、素晴らしい。
日本ほど安心して建築工事が発注できる国はない。
一方、日本のコンストラクション・マネジャー。
こちらは、信用を失った設計者の代わりだ。
お客さんの代わりに、設計者や工事業者を選定する。
昔はお客さんの代わりに工事業者を選定していた設計者。
いつしか、選ばれる側になってしまった。
公共工事も、東京五輪の新国立競技場の発注の失敗を機に、コンストラクション ・マネジメント(CM)を取り入れようと国土交通省が頑張っている。
注意すべきは、ほとんどの日本のコンストラクション・マネジャーは、選ばれる側のゼネコンか設計事務所の人間だということだ。
要は同じ人間だ。
CMrの一期生のおじさんも実は設計事務所の設計士として資格とり、実務に携わっていだ。
成人君主だけが、日本でコンストラクション・マネジャーをやっているわけではない。
日本では、いつか、コンストラクション・マネジャーほかの専門家に選ばれる存在になってしまうのか?
まずは自分が気をつけなきゃ。一期生なんだから。


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