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デザイン組織ができて3年たったので、ミッションとバリューを刷新した話

ココナラのデザイン統括部長の外崎です。デザイン組織の発足から3年経って、改めてチームのミッションとバリューを再定義した話を書きたいと思います。

◉この記事の参考になりそうな人
・チームでミッションやバリューを検討したい
・スタートアップや会社で新しくチームを作る
・チームを立て直したい、作り直したいマネージャーなど


1.ミッションとバリュー刷新の背景

正社員1人の状態からデザイン組織を立ち上げて、ちょうど3年が経ちました。紆余曲折ありつつも組織は成長し、今や経営直下のデザイン組織にすることができました。
※チーム結成時に行っていた活動は下記のnoteを参考ください

3年前の結成時にもチームを一つにするために、ミッションとバリューを作り、チームを運営してきました。それに沿って採用や育成を行なって一定成果は出せてきたと思います。

一方で、特にスタートアップは変化のスピードはとても早く、3年も経てば状況はまるで違ったものになります。

当時作った組織のミッションとバリューも今のフェーズには合わなくなってきていました。

当時のミッション
当時のバリュー

実際にどのような変化があったかというと、主に以下の3つがあげられます。

メンバーのレベル・視座の向上

縁にも恵まれてこの3年間で優秀なメンバーを採用することができました。優秀なメンバーが入るだけでチームのケイパビリティが増えるだけでなく、視座も上がっていきます。

目線の高いメンバーからすると、過去のバリューはわざわざ掲げる必要のない「当たり前」の価値観になり始めていました。

組織が急成長すると、新旧メンバーでの価値観のズレどうしても生まれていきます。より高いレベルでチームとして活動していくためには、バリューをより高いレベルで決めていく必要がありました。

社内のデザイン組織の役割の変化

採用がうまくいってチームが拡大したことで、組織が会社に貢献できる範囲が格段に広がっていきました。以前までは、プロダクトのUI/UXやグラフィック領域を担当していましたが、今では以下のような役割を担っています。

・事業立ち上げや新機能の価値検証
・プロダクトデザインの推進
・デザインシステムの開発・運用
・ブランド管理
・各種プロダクトのグラフィックの作成
・印刷物等を含む各種コーポレート領域のコミュニケーションデザイン

一言で言うと「事業や経営」に対して広範囲に責任を持ち、カバーするのが役割となってきました。

会社の目指す方向の変化

ココナラは元々CtoCのシングルプロダクトで成長してきた会社ですが、ここ数年でビジネスや新領域に事業を拡大してきました。

YoYで140%成長を見せているココナラ法律相談。ITスキル人材に特化したテックエージェントやココナラアシストなど新しい事業の柱も出てきています。

新規事業のココナラテックエージェント
新規事業のココナラアシスト

多事業展開で会社のビジョンを実現していく体制に変わっていったことも非常に大きく、デザイン組織としてもそれに耐えうるチーム体制を作る必要がありました。

2.視座を上げるための最終ゴールと中期ミッション

こうした組織内外の変化があり、改めて新しいミッションとバリューを作っていきました。ここからはミッションとバリューの決定プロセスについてお話しできればと思います。

中期ミッションを決める

メンバー、組織、会社の成長が見られた中で、次のフェーズで活躍できる組織をどう作っていくか。どうせやるからには最高の組織にしたいと言うことで、わかりやすく「日本一のデザイン組織」という大目標を設定しました。

最終ゴールと中期ミッションの関係

ただし目標が高すぎても、現実味の無いものになってしまいます。そこで「日本一のデザイン組織」を最終ゴールとしたときに、向こう3年に実現したい姿を設定。今回は「デザインの力を再定義し、事業成長に圧倒的に貢献する」という中期ミッションを掲げました。

中期ミッション

これは賛否あると思いますが、進む方向性はリーダーがしっかり決めるべきだと思っているので、ここはマネージャー主導で決めさせてもらいました。

ミッションに対するKPIを決める

ミッションは往々にして、曖昧なものになりがちです。そこで進捗を可視化し、日々振り返れるようにするために目標を指標化。3つのKPIに分解して、定量目標として設定しました。

中期ミッションのKPI

このKPIはフェーズごとに合わせて項目や達成基準等を再調整をしていっても良いと思います。とにかく現在地を測れるようにしておくことが非常に重要です。

3.「最終ゴールや中期ミッション」をイメージするためのワーク

より高みを目指すためには、目指す組織レベルをチーム全体が意識できていることが重要になります。

ハイレベルな組織を具体的にイメージするために、メンバー各々が思う「一流のデザイナーやレベルの高い組織」の事例を集めてもらいディスカッションを行いました。

ワークの様子

このワークはチーム全員でやることで、共通認識と個々の価値観を共有できます。ゴールは決めず、各々持ち寄ったものについて意見を言い合うことでチーム感を醸成していきます。

参考にさせていただい資料一覧

Airbnbの7年間で学んだ、事業の創り方。爆発的成長を支えた7つの本質
「効果的なチームとは何か」を知る
カルチャー崩壊と再構築。 Goodpatchが取り組んだ組織デザインの2年間 - 後編
デザイン組織をデザインする
組織でデザインが推進できる人の思考術
この時代にデザイナーとして生きるために
自律的なデザイン組織を創り出すまでのストーリー
ゆめみにおける、「マネージャーを置かない」デザイン組織設計について

4.メンバー中心にバリューを決めてもらう

バリューはミッションを実現するために、組織が体現する価値観です。メンバー全員が納得・共感している必要がある。その一方でマネージャーとしては、ミッション実現のために方向性に対してこだわりはあるし、現状の課題感を解決するものにしたい。そこの折り合いをつけるために3つのステップをたどりました。

マネージャーから大事にしたい価値観を共有

まずは責任者として僕がいくつかの軸に沿って大事にしたい価値観を共有しました。何もない中だと議論もアイデアも生まれてこないので、話の土台となるような大枠をまずは作っていきます。今回は以下の4つの軸に沿って、それぞれ大事にしたい価値観を伝えました。

1.成長するためのマインドセット
2.良いものを作るには
3.成果を出すには
4.共創

最初に共有した価値観の一例

メンバーが議論し、素案を決める

その後少数チームに分かれて、チームごとに5つのバリューを提案してもらうワークをやってもらいました。メンバーには前段で説明したものをブラッシュアップをさせても良いし、新しいものを提案して良いと伝えました。

ここで大事なのは、メンバー自らミッションを達成するために日々どういうスタンスでいれば良いのかを考えてもらうことです。

チームが出してくれたバリューの素案

各チームごとに案を発表してもらい、お互いのチームへフィードバックを行うサイクルを2~3回ほど繰り返していきます。

シニアデザイナーを中心に最終決定

メンバーから良い素案が出てきていたので、出揃ったものをシニアデザイナー陣でディスカッション・ブラッシュアップをしていきました。

共感度を見るためにアンケートを実施
シニアデザイナー中心にディスカッション

10案以上出ていたので、選定する際に以下の軸から最終の3つに決定しました。

1. メンバーみんなが共感できるものか
2.掲げたミッションに対して適切か
3.デザイナー・デザイン組織らしさがあるか
4.具体イメージが湧くか

決まったバリュー

5.まだミッションとバリューを決めただけ

このように決まっていった新しいバリューですが、当然浸透させる努力をしていく必要があります。今まさに浸透に向けて取り組んでいるため、活動内容はnoteでまたお伝えしたいと思います。

6.ミッションを共に達成してくれるメンバーを募集しています!

ココナラはものすごい勢いで新規事業が立ち上がっています。既存事業も含めてポートフォリオ経営に貢献できる組織を作るためにまだまだデザイナー・デザインの力が足りていません!

第2創業期と言えるほどエキサイティングなフェーズで、大変ながらもワクワクできることは間違いないと思います。

僕らの考えたバリューやミッションに少しでも共感してくれる方がいたら一度カジュアルにお話しさせていただくので、ぜひご応募お待ちしています。

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