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結局起業はタイミング。手ごたえを感じたときに踏み出した
こんにちは。Skyland Ventuers(SV)の大越です。等身大の起業家をインタビューをしていく企画「LIFE-SIZED」の記事です。
スタートアップ起業家へ”起業家が起業を決意した理由”などをインタビューし、起業までの歩みを深掘っていきます。
起業というのに飛び込む勇気がない‥‥
具体的にどのように飛び込んだらいいのか‥‥
飛び込んだ後はどんな日常が待っているのか‥‥
このような疑問をもっているような人たちに向けて、何かのきっかけや参考になればうれしいです。
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今回は、CoolGirlNFTという一点モノのNFTコレクションを展開している株式会社CoolConnect代表のimotoさん(https://mobile.twitter.com/imoto_akira)のインタビューです。
結局起業はタイミング。手ごたえを感じたときに踏み出した
事業内容を教えてください
CoolGirlNFTというNFTコレクションの事業をやっています。CoolGirlNFTは一点もののNFTで、2023年内には2~3万体規模のジェネラティブコレクションをやっていこうと思ってます。
将来的には、NFTから派生させマンガやゲームなどにもチャレンジをしていきたいと考えてます。
imotoさんのキャリアを簡単に教えてください。
新卒で作業療法士になり、途中から副業でウェブライターを始めました。3年ほど作業療法士を経験した後、副業でやっていたウェブライターをメインにした個人事業主になりました。
半年ほどウェブライターで生計を立てていたタイミングでNFTに出会ったことでいまの事業になっていきます。
社会不適合者だと理解したファーストキャリア
作業療法士をしていた時に感じていたのが、絶望的に会社員が合わない人間だと実感したんです。1日8時間、強制的に場所や自分のリソースを割かれるっていうのがすごい苦痛で。
何なら毎朝7時に起きないといけないっていうのも笑。何で自分の人生なのにそんなことを強要されないといけないんだ、みたいな。まさに社会不適合者です。
元々すごい安定志向の人間だったんです。作業療法士っていう道を選んだのも、資格を取りさえすれば一応生活はちゃんできるかなと。安定した人生こそ全てって感じでした。
ただ実際に作業療法士になってみたら「あれ?安定した人生って思ったほど魅力的じゃないぞ」と思い始めました。
それで個人事業主になられたわけですが、NFTの領域にチャレンジされた理由や背景って何かあるんですか。
まず僕自身、今までいろんな時代の波を逃してきたっていう背景があります。
例えばブログやYouTube。新しい流行りが出てきたとき、ずっと乗り遅れて美味しい思いを逃してきました。次に大きな波がきたら迷わずに飛びつこうと心の中でずっと思っていました。
NFTを始める前は、作業療法士を本職にしながら副業でブログのウェブライターをやってたんです。ウェブライターをやっていたとはいえ後発であり、時流をとらえた!という感じではありませんでした。惰性的ではあったんですが、そんな状況でも諦めずウェブライターをつづけていました。
ウェブライターは稼げなくはないという感じだったんですが、正直あまりやってていて面白みはなかったんです。
人に求められるものを、その形に合わせて作らないといけないので自分のやりたいようにできない不自由さを感じていて。
2021年、日本でNFTが騒がれはじめました。1枚の絵が何十万、何百万という価格で取引されているNFTをみて、直観的に「これは面白そうだ」と思いました。NFTであれば自分がファウンダーとして好きなように運営でき、いろいろ楽しくなるんじゃないかと迷わずNFTの方に興味が移りました。
すぐにいま運営しているCoolGirlの前身となるNFTをリリースしました。
幻のNFTコレクション「KokeshiJapan」
![](https://assets.st-note.com/img/1675954046943-JzfsJELZuW.png?width=1200)
NFTを知ったきっかけはなんだったんですか?
最初はイケハヤさんでした。イケハヤさんは、それまでビジネス系のことをいろいろ発信をされていたんですが、ある時を機に「NFTだ!」と舵を切られて。正直、「イケハヤさんどうしたんだろう」と思いました笑。
イケハヤさんの音声SNSを聞いている中で「イケハヤさんがくるって言うなら高確率でくるんだろうな」とぼんやり想いはじめ、NFTのことを勉強し始めたっていうのがきっかけです。
具体的にどんな調べ方をされたんですか?
僕がNFTを始めたときはいま以上に情報もなく、ネットで調べたりTwitterでNFTやってる方たちの情報をひたすらウォッチしてました。それこそコレクションの育て方とかもまだ全然ノウハウみたいなのもなく、本当どぶ板的に調べていました。
僕、実は最初のコレクションは思いっきり失敗してるんです。NFTのうまいマーケティングやコンセプトを理解せずに初めてしまい。KokeshiJapanっていうこけしのNFTを出してました。幻のコレクションになっちゃいましたよ。
失敗経験からいまのCoolGirlNFTのコンセプトメイク
失敗経験を詳しく教えてください。
KokeshiJapanは、2ヶ月間死ぬ気で売りまくって0.007イーサしか売れませんでした。2か月で0.007ETHですよ。
「NFT無理ゲーじゃん。こんなの稼げないよ。」って思ったのが正直なところです。
ですが、今まで自分がいろんな波を逃して後悔してきたっていうのがあったので、まだ諦めるのは早いかなって思いつづけていきました。
わからないなりに、KokeshiJapanの失敗要因を考えました。こうやったらもしかしたらうまくいくかもなって。最初は本当に手探りで壁にもう頭をぶつけながらって感じでしたね笑。
その第2弾として出したのがいまのCoolGirlなんです。
イラストのイメージやコンセプトをガラッと変えたわけですが、何でそうなったんですか?
KokeshiJapanの失敗要因を考えたときにポイントがあったんです。
まず2021年という時代背景。
当時、海外では盛り上がってたんですが、日本でNFTを触ってる人が少なすぎました。NFT界隈の雰囲気的に、日本発で海外に売っていかないといけないというものがありました。僕もその流れを汲んでターゲットを海外に考えてたんです。
それで「こけし」というのを思いつきました。日本の伝統工芸品×NFTみたいな感じで。
デザインもイケハヤさんが運営されていたクリプトニンジャの二次創作を主にやってたんです。忍者っぽい見た目のこけしの日本風なデザインで海外に売っていけばうまくいくんじゃないのかと。。
そのときTwitterのフォロワーさんが1,000人いないぐらい状態でした。海外向けとせっていをしていたので頑張って英語で発信もしていました。
結果は散々でした。海外の方に全然リーチできるわけもなく誰からも見ぬ気をされずで。
日本の人たちには結構見ていただいてたんですよね。イケハヤさんのコレクション(クリプトニンジャ)の二次創作を作ってたのでイケハヤさんがリツイートしてくださったんです。ただ、国内の方には見られてるけど全然売れないという状況でした。
海外の人にはリーチできない、日本の人たちには見られているが売れない。この状況を見て「こけし」は受けてないなと客観的に感じました。
そのタイミングで、まずターゲットとしていた海外を一旦切って国内に売るほうに舵を切りました。
あとはデザイン。2021年当時、NFTを触ってる方たちは20〜40代の方がほとんどでした。50代の方は1〜2%。これはTwitterでのアンケートの反応です。
「こけし」はイメージ的に若い人より年配の人が気に入りそうなデザインだったと振り返りました。
NFTを触っている若者向けに、アイコンにしたくなるようなものにすれば認知も取れるんじゃないかと考えました。その時(いまもですが)、若者向けのデザインで流行ってたのが女の子のNFTでした。日本のカルチャー的にもTHE美少女みたいなのが人気になる傾向があるのかなと。
それならば若者に受けそうな女の子でいこうと決めました。ただ、かわいい女の子のNFTはすでにたくさんあり、かぶせにいっても後発でした。
そこで、ふとペルソナを自分に重ね、「僕がアイコンにするとしたら」と考えたところ、かわいい系よりもちょっとスタイリッシュな女の子の方がアイコンにしやすいなと。そんなデザイン案から、クールなガールで「CoolGirl」を思いつきました。
![](https://assets.st-note.com/img/1675954079893-QYqcKfVR2S.png?width=1200)
2021年11月末にCoolGirlを出したと思うんです。2021年10~11月中は、この方向転換をずっと考えてましたね。
ターゲットを国内、デザインを若者向けの「CoolGirl」に切り替えて反応は良くなったんです。最初からめちゃくちゃ飛ぶように売れてたわけではないんですが、明らかにKokeshiJapanよりも最初の反応がよかったです。
あとはもう気合いと根性で売っていくしかないっていうので、粘り強くツイッターで発信をしていきました。いろんな方にやっぱり知ってもらう中で、欲しいって思ってくださる方が増えて徐々にクリック戦争とかが起こるようになって価値が上がっていったっていう感じですね。
CoolGirlNFTリリース初速で手ごたえ
KokeshiJapanの失敗であきらめなかった理由は?
NFTは本当にこれからの世界でこれからくるものだと思っていました。2〜3ヶ月やったぐらいで諦めるのは勿体ないなと。
例えるなら、YouTubeでもヒカキンさんはYouTubeが流行る前からずっとやっていて、粘り強く続けた結果いまがあるなっていう感じで。
NFT界のヒカキンじゃないですが、それぐらいのポジションになるにはここで諦めてるようじゃ駄目だなと思ってやってました。
純粋な疑問なんですけど失敗を経験して、CoolGirlNFTにピボットして最初伸び悩んだ。第3弾にピボットって考えなかったんですか?
考えなかったですね。本当に売れなかったら考えてたかもしれませんが、CoolGirlの1作品目・2作品目はすぐに売れたんです。KokeshiJapanとは比較にならない初速を感じていました。
KokeshiJapanのときはもう0.002ETHで売れたものの買われなかった期間が3か月と長く、「需要がない」と素人でもわかりました。一方CoolGirlは0.01ETHで売れました。
CoolGirlNFTは、自分のコレクションとして始めておりKokeshiJapanのときのようにインフルエンサーであるイケハヤさんにリツイートされるわけでもなく、コレクションとして認知は高くありませんでした。そんな状況でも、多少売れたということは認知さえ取れれば爆発する可能性はあるかもしれない、そんな風に思っていました。
CoolGirlNFTも正直伸び悩んだ時期もありましたが、伸び悩んだのがまだ2ヶ月弱のときだったので「まあ伸び悩むも何もまだ始まってすらないよね」という感じでした。
初速で多少のリアクションはあったんだから、方向性としては間違ってないはずという手ごたえもありました。
もしかしたら3ヶ月ぐらい本気でやってもう全然駄目だったら第3弾とかも考えてたかなって思うんですが。
起業と資金調達をして感じたこと「プレッシャー」「チームの重要性」「信用獲得」
作業療法士の傍ら、ウェブライターで副業。その後、ウェブライターで個人事業主になり、NFTのFounderという経歴とのことなんですが、ウェブライターからの引き続きで個人事業主であり続けるっていう選択肢があったと思うんですが、株式会社化した理由ってなかったんですか?
基本的に僕自身、わりと好奇心旺盛な方で自分がやったことないことは楽しそうと思う節があります。
いまとなっては正直、木下さんに #起業しろ でお声掛けいただいたときに最初は怖いなって思ったんです。人様からお金を出資してもらって仕事をやっていく、しかも会社としてやるというのは責任が重そうだなと。
でも好奇心のほうが怖さよりも大きくなり、会社経営をしたこともなければ社長にもなったこともないという状況が面白そうとなりました。
CoolGirlNFTを売り出して、これから伸びそうだなという、ちょうどそのタイミングで木下さんにお声がけいただき、時期的にはすごいマッチしていました。
個人事業主から株式会社化・資金調達をしたときの心境の変化ってありました?
ありました。1つ目は「いい意味でのプレッシャー」、2つ目は「チームの重要性に気づいた」、3つ目は「信用ができた」ことです。
会社を設立し外部からの資金調達をしたことで、事業が個人だけのものではなく自分も含めたステークホルダーのものになりました。僕とかかわってくれているすべての人に対して想像以上の結果を出していきたいという考えになりました。
そのためには日々、変化し続けなければいけないというプレッシャーはあります。プレッシャーを楽しみながら未来に向けて試行錯誤をし続けています。
また、ウェブライターをやっていた個人事業主時代はチームとして動いてなかったんです。それで業務が回っていたのでよかったんですが、チームで仕事をするようになったいま、より大きいことをしようと思ったときに個人ではできないことのほうが大きいんだなと感じました。
多分個人事業主としてNFTコレクションをやっていたら、いまみたいなコレクションにはなっていなかったと思います。
あとは、社会的信用みたいなのがついた気がしています。個人事業主の営業所のときよりも他法人とビジネス関係でコミュニケーションをとっていても、周りが「ちゃんと事業をやってるんですね」みたいな目で見てくれるようになった実感があります。
会社やプロジェクトなどを運営していく中で、どこかで他の法人などとアライアンスするタイミングがあるようなのであれば個人事業主よりも法人を持っていた方が絶対にいいと思います。
まとめ
imotoさんのインタビューいかがでしょうか?
実はインタビュー後にimotoさんが配信されていたVoicyを聞いていたところ、本記事のインタビューについてお話されていました。
自分自身のキャリアが「変わっている」と感じながらも、振り返るといろんなことにチャレンジをしていて今となっては間違っていない歩み方だった、というお話でとても印象的でした。
これからも等身大の起業家へインタビューする企画「LIFE-SIZED」で、いろいろな起業家にインタビューをしていきますのでお楽しみに。
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