テクノロジーライフサイクルが起業家を導く、4つの誤った結論とは

1、当然のごとく、この曲線は起業家にメインストリーム市場での栄光を夢見させる。企業立ち上げの初期段階においては、そんな夢は忘れるに越したことはない。永遠にではないが現時点では。悲しいことだが、初期の顧客開拓の最初の部分を正しく進められなければ、メインストリームにたどり着くことはない。事業継続できないからだ。

2、曲線のせいでテクノロジーマニアがテクノロジーライフサイクルの一部だと考えてしまう。この曲線においては、彼らは単なる初期の顧客層のように見えるが、実際にそうではない。テクノロジーマニアは営業パズルの1ピースとして、「本物の」お金を払ってくれる初期顧客層と、繰り返し可能な営業プロセスを見つけるために存在する。あなたはこういった人たちと関わり、彼らが営業ロードマップに与える影響を理解する必要があるが、彼らが物を買うことはほとんど無い。

3、スタートアップの顧客基盤がスムーズで継続的な成長曲線を描いて成長する概念は、顧客が製品を受け入れるかどうかは単に営業遂行上の問題だとする魅力的で危険な考え方につながる。たとえキャズムの概念が、初期市場の顧客とメイン市場の顧客は異なるという観察結果とともにテクノロジーライフサイクルに加えられたとしても、テクノロジーライフサイクルのような曲線になるのは起業家の夢とビジネススクールのケーススタディの中でだけだ。後述するように、あるタイプの顧客から別のタイプへの移行は運が良くても不連続な階段関数的なものになる(そして、市場タイプに依存する)。

4、テクノロジーライフサイクルについて書かれた本では「実行と普及」を強調している。それ自体は全く問題ない。スタートアップの初期段階で「実行」に集中すると、あなたは事業継続できなくなる。そうではなく、自分が何をすれば良いかわかる地点まで会社を持っていくためには「学習と発見」のプロセスが必要である。

従って、スタートアップの第一ステップとして適切なのは、キャズムを超える方法を夢見ることではなく、会社の設立から事業拡大するまでの間は『学習』と『発見』のプロセスに集中することだ。試行錯誤、採用と解雇を通じて成功したスタートアップは、製品開発に並行するプロセス、すなわち私が「顧客開発」と呼ぶ顧客及び市場に軸足を置いたプロセスを見出した。

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