たくみさんの恋バナ①~勇気を出そう!~
こんにちは、たくみです。
恋をしていますか?
その恋、うまく育てたいですか?
私自身、文才がそこまでないことは自覚はあります。
しかし、それでも伝えたい言葉を自分の言葉で伝えることは大事だと思っております。それに、私と同じ過ちをあなたに繰り返して欲しくない!その思いで書きたいと思っております。人生は一度しかありません。こうすればよかったと思える出来事を検証し、より良い結果に結びつけていければと思います。
さて、いろいろ書きましたが、このシリーズでは
・たくみさんの昔の恋話
・そこから得られた教訓・学び(恋愛テクニック)
を最新の心理学手法を交えながら解説していきたいと思います!
私自身が経験したことですので、あなたが今置かれている状況と必ずしも同じではありません。しかし、恋愛心理テクニックは応用できます!
ひっそりと隠し持ち、ここぞという場面で使ってみてくださいね。
有料noteですが、恋話エピソード部分は、読めるようにしてあります!イイネ!と思ったら、恋愛テク部分も購読してくださいますと幸いです!喜びます!
もくじ
1.恋は突然に始まる
2.これは奇跡なのか?
3.もう一歩のところまで
4.そして卒業、歩みだす別々の道
5.それでも、あきらめきれず・・・
6.ありがとう。最後にちゃんと伝えないと
7.まとめ「恋はコレをしなきゃ始まらない!」
1.恋は突然に始まる
友「そういえば、たくみのこと好きなやつがおるらしいで?」
た「え・・・?それは誰や!?」
中学2年に進級した春先の出来事だった。休み時間に教室の隅で始まった、本当に唐突な会話で電撃が体に走るほどの驚きを感じたのを今でも覚えている。友達のN川は確かにそう言ったのだ。
小学校→中学校と言えば、普通は地元の中学へそのままみんな進学するから、みんな顔なじみなのが世の大半だろう。
だけど、僕は小学校6年のタイミングで引っ越したため小学校の間までは何とか校区外通学をして卒業し、中学校からは引っ越した先の地元の中学に進学していた。そのため、顔を知っている女の子と言えば、去年と、今年とで、クラスで一緒になった子、幼稚園で一緒だった子くらいしかわからず、ほとんど知らない人ばかりだった。2年に進級してから友達になったN川も春から、つるむようになった何人かの友達のうちの一人だった。
た「そ、それは誰のことか教えてーな!」
N川「知りたいかー?」
た「もったいぶらずに教えろ!!」
N川「それはなー、2組のM野さんや」
た「M野さん??」
聞いたことのない名前だったので、名前だけ聞いても全くピンとこなかった。2組と言えば、階段を挟んで隣のクラスではあったが、僕らの居た3組とはあまり縁がなかった。4組であればもう少し授業とかで絡むチャンスはあったかもしれないのに・・・。
どんな人なのか、、、隣のクラスの。。
かと言って確認しに行っても誰が誰かわからない状態では、誰かに聞けばあやしまれるだけなので、どうしようもなかった。どこかのタイミングで誰か知っている人にそれとなく聞くしかないだろう。その2組には1年の時に親しかった友達が誰かいるでもなく、踏み込みにくい領域だったのは間違いなかった。何となく、気の強い人らしい?ことだけはN川が教えてくれた。もうあとは想像を膨らませて、妄想に妄想を重ねるしかなかった。
同じクラスに気になる子がいなかったではないが、全く話せるような機会もなく、何よりあまりに美人過ぎて、僕みたいにイケメンでも何でもないTHEド・ノーマル人間には高嶺の花すぎてお近づきにもなりにくかった。H川さんは人気はあったが、おしとやかであったので、誰かと付き合っているようなウワサも全くなかった。
・・・・・・・・
とある日の部活の帰り道。
た「N藤さー、M野さんって知ってる?」
N藤「誰それー?知らん。」
N藤は、幼稚園からの幼馴染で、中学校に入ってから再会。部活もたまたま同じテニス部に入った仲で、ペア戦の時の後衛選手(僕は前衛)でパートナーでもあった。ちなみに、学年ではモテモテのイケメンである。
た「知らんか。。。N藤ほどモテてもやっぱ知らんねんな。」
N藤「さすがにみんなは知らんよ。でもなんで?」
た「や、ちょっと聞いてみただけや。」
N藤は小学校→中学校は地元のままだったが、3つの小学校から進学してきているので、異なる小学校の子までは把握していなかったようだ。
H瀬「あーMちゃん?私、知ってるよ!」
た「え?!マジで?どんな人なん??」
H瀬さんはN藤とよく一緒にいた眼鏡の女の子だった。
さすがはモテるイケメンは違う。色んな女の子といつも一緒にいた。H瀬さんも何度か顔は見ていたが話たことはあまりなかった。
H瀬「んー、まぁ、ちょっと気の強いけど、いい子」
た「やっぱり気が強いんか・・・」
H瀬「私は幼馴染やけどね、でもいい子よ」
た「いい子、ねぇ・・・」
やはり、どんな顔?!とか、かわいい?!とか、そこまで踏み込んだことは虫の心臓のような僕の心では流石に聞けなかったので、その時にそういうことを聞いただけで終わってしまった。
そんなわけで、N川が語った、”僕のことが好きらしい”、M野さんのことがどうしても頭についてまとい、どんどん美化されたイメージになっていった。
・・・・・・・・
2.これは奇跡なのか?
夏休みが過ぎて、2学期が始まった。
夏休み中も、夏期講習会や部活の試合などで結構忙しい日々を送っていたので、中学の誰かと顔を合わせると言えば、部活のメンバーや塾が同じ達ばかりだった。もちろんその中にMさんはいない。部活は何もやってないらしいことはN川から聞いていたから。
2学期と言えば、体育祭に、文化祭である。
何か思い出に残ることをやってみたいとは思っていたので、文化祭で学年募集される舞台演劇をやってみることにした。去年、部活の先輩が出ていたのをみて、面白そうだからやってみたいと思ったいたのもあった。
ちなみに、その劇のアクトメンバーの中に、M野さんの姿はなかった。
そして、舞台演劇をやったメンバーは、文化祭のあとのシーズンで行われる、生徒会本部執行委員をやることが多いらしかった。なんというか本当にそういう流れなだけだと思っていたが、いざ先生に「やってみないか?」と言われると演劇以上に目立つというよりやってみたさが勝って、立候補してみることにした。役職は何でもよかったが、2年生から文化委員会をやっていたので、勝手がわかる文化委員長になることにした。
生徒会室に立候補届をもらうべく、立ち寄ってみると、そこにH瀬さんと、もう一人よく喋る女の子が来ていた。
H瀬「あ、たくみくん、生徒会立候補するん??」
た「よっ!立候補してみることにしました、例の流れってやつからね。」
H瀬「舞台演劇でてたもんねー」
た「H瀬さんも立候補するん?」
H瀬「そうだよー。生徒会なれたら、よろしくね!」
た「うん、頼みます!」
??「H-行くよー!」
H瀬「あ、今行く!じゃあね、たくみ君!」
た「じゃあねー」
この時は、そのもう一人の子が、N川が教えてくれたあのM野さんだとは夢にも思わなかった。しかし、印象には結構残っていた。
それはなぜか?というと今も「好きなタイプの子は?」と聞かれたら、こうこうこういうタイプ!という僕的理想なタイプの女性の条件を割とドンピシャで満たしていたからである。
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晴れて生徒会のメンバーとなった僕は、初めての生徒会執行会議の日を迎えた。
そして、もう一つのお楽しみもあった。
N川が語ったM野さんも生徒会のメンバーとなったからだった。
何人かの委員会委員長の他、会長や副会長、書記長などの10名ほどのメンバーで構成された生徒会では週1の会議の他、必要な時期は随時召集される。来年の文化祭や体育祭、そして春先の卒業式や入学式といったイベントの前は特に活動が活発になるらしかった。
これはもう、奇跡であるとしか言いようがなかった。
M野さんと同じ生徒会活動にこうして参加できていることに。
僕が立候補した時点ではまだ、M野さんは立候補をしていなかったらしかった。ちなみにH瀬さんも無事当選して同じく生徒会のメンバーとなったが、彼女はなんと生徒会長の座についていた。その流れを汲んでいるのか、
・・・もしやと期待したいところだが、僕が生徒会に立候補したから後を追ってきてくれたのかな・・・?
なんて都合の良すぎるお花畑思考に陥いるほど鼻の下を伸ばしたくなるような考えを持っていなかったではない。当時、中学2年で14歳である。中学生ならこれくらいの妄想は許されよう!
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H瀬さんとM野さんがいた時のことである。
挨拶をしておこうと、二人に廊下で声をかけた。
た「おーい、H瀬さん!」
H瀬「あ、たくみくん!Mちゃんとは初めてやんね?」
た「そうやねー!あ、文化委員長になりました、たくみです!宜しくお願いします!」
M野「M野です。あーなんか聞いたことはあるかも。文化祭の時、演劇出てた人やんね?」
た「その通り!よくぞ覚えててくれはったね!」
M野「あの劇、よくできてたしねー」
それが、M野さんとの初めての会話だったと思う。
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気が付けば、いつも生徒会会議中はどこかでM野さんの方を見ていた。視線は合わさないように細心の注意を配りながら、しかしそろりとゆっくりM野さんの方を向いて話を聞いていた。
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3.もう一歩のところまで
日は変わり、年明けの球技大会の打ち合わせで生徒会室で集まって弁当を食べていた時。
H田「お前さー、お昼飯の時までお腹の調子の話すんなってー」
M野「はぁ?別にいいやんか!」
H田「メシがまずくなるわー」
M野「やかましい!!」
H田は図書委員長を務めるバスケ部、長身の同学年の男である。ちなみにH田もN藤に負けず劣らずそこそこのイケメンである。どうしてこうイケメンが多いんだこの学年は。
こんな感じで、生徒会室はいつも割とにぎやかだった。
聞いていた通り、M野さんは天真爛漫なところがあった。
身長が低かったから、それをなじられて
「どこにいるのか見えないなぁ^^」
とH田が、からかったりもしていた。
それを受けて
「必殺!昇竜拳!!(※スト2の技)」
とM野さんがアッパーパンチを食らわせたりといったやりとりも見た。
こういう構図を見ていても、僕の中には
・・・M野さんは、僕のことが好きらしい・・・
とN川がささやいたあの言葉がどこかでこだましていた。
・・・そしてそれを受けて、僕もM野さんのことが大層好きになっていた。
ちょうど、お昼の弁当の時、H田とM野さんがそんな会話?喧嘩?をしていたその日、H田はM野さんが生徒会室を出た隙に、M野さんの弁当箱を隠してしまった。
そして、その日の放課後。場所は再び生徒会室。
M野「あれー、、、うちの弁当箱あらへん・・・」
H田「さぁーどこいったんでしょうねー」
M野「お前、隠したやろ!?」
H田「知らんねー」
・・・
H瀬「Mちゃん、ちょっと一緒に来てくれる??」
M野「あ、はい、わかった」
そういって、彼女は生徒会室から出て行ってしまった。
・・・その時、僕の頭の中に、ちょっとした考えが浮かんだ。
た「H田、お願いがある」
H田「ん?なに?」
た「ちょっと俺をヒーローにさしてもろてええか?」
H田「え?やっぱそうなん・・?」
た「まぁそういうことや」
H田は僕がM野さんを好きなことを知っていたらしかった。
H田「うん、まぁ好きにしていいよ!」
た「助かる!」
H田は、ひょうきんなようで、こういう所はちゃんと旗を持たせてくれるいいやつだった。恩に着るぜ。
H田「じゃあちょっと、出てくるわ」
H田は生徒会室を出ていった。
しばらくして、M野さんが戻ってきた。
M野「あーもーほんまむかつく・・・。弁当箱ないし。。」
そういって、M野さんは机に突っ伏してしまった。
夕焼けが明るく、夕日と影の線が彼女のスカートのあたりでくっきりしていて、ちょっとすすり泣いたような声が聞こえた。10年以上たった今でもその光景は脳裏に焼き付いている。
た「あ、M野さんさぁ・・・」
僕は震えるような声を絞り出していった。ガチガチである。
M野「ん・・・?なに・・・?」
た「弁当箱・・・これちゃうか・・・?」
僕はH田が隠していた場所を見ていたので、知っていて当然と言えば当然だった。
た「さっき、H田が出て行ってから、探していたら、出てきたんや」
M野「あーー、これ。。これやわ。」
た「そ、そうか、それは、よかったな・・・」
とても緊張して、のどが急に乾いた。
そして、M野さんは弁当箱を鞄にしまうと、再び机に突っ伏してしまった。
た「あ、あのさ、、、M野さんって、好きな人とか、、、お、おるん?」
M野「・・・ん?」
た「あ、いや、なんでもないんやけどな・・・」
どうにも緊張してしまって、聞きたいことは全く聞き出せなかった。
・・・あの時、勇気をだして告白していれば、、とどれだけ思っただろう・・・
何しろ、好きな人と二人きりで誰が来るともわからない生徒会室である。こんなシチュエーション初めてだったから、どうすればよいかなんて検討もつかなかった。せっかくH田が気を効かせてヒーローになる舞台まで譲ってくれたというのに。
しばらく、放課後の静かな時間が流れた。
吹奏楽部の練習する音、運動部の掛け声、サッカーボールを蹴るような音、それらがちょっと遠くに聞こえるような、ストーブの静かな音がする、冬の生徒会室。
そのあと、H瀬さんとH田や他の生徒会メンバーがそれぞれ戻ってきて、そのあとは普通に下校した。
・・・・・・・・・・・・・・
年が明けた。
冬休みに、生徒会の一部メンバー+N藤で映画を見に行ったりした。
N藤は生徒会メンバーでこそなかったが、やはり顔が広いというか、天性のイケメントークスキルで生徒会の誰とも男女の分け隔てなく仲良く過ごしていた。
そして、3学期が始まり、とある日の帰り道だった。
その日は、N藤、H田、そして僕の3人で帰っていた。
途中まではH瀬会長と、そしてM野さんも一緒だったが、家の方向が違うので、どうしてもこの3人で帰ることが多かったのだ。
H田「なぁ、たくみ。お前さ、M野さんのこと、好きなんやろ?」
た「いやまぁ、そりゃそうやけど。。。」
H田「なんで、告白せえへんの?」
た「いや、、、それは、、、恥ずかしいから・・・」
H田「それやったら、いつまでたっても始まらへんやろ??」
た「それは、そうやけど、、、振られるのは怖いんや・・」
もし、M野さんがN川が前に言ってた通りなら、むこうから告白してきてほしかった。自分で告白したことがなかったから、その勇気を持てずにいた。
僕は何て情けない男だったのだ・・・。
H田「でも、早く告白せんと、あかんのちゃう?」
た「どうして、そんなことを言うんだ・・・?」
H田「まぁーするなら、ちゃんと告白しーやってこと」
た「N藤はどう思うよ?」
N藤「さぁー?俺はよーわからん」
今、思い返しても、この時はチャンスだったのかもしれない。
ほどなくして、学校の中ではこんなウワサが流れていた。
「H瀬会長が、H田のことを好きらしい」
みんなで映画を見に行った時も、思い返せば、そういうシチュエーションは確かに多かった気がした。何となくそうなのかなという気もした。H田が、告白にあそこまでこだわっていたのも、もしかしてH瀬会長に告白されたからなんやろうか??・・・まぁ、それはそれでいいんじゃないだろうか。
H瀬会長は確かに会長というほどの感じではなかった。もしかしたら生徒会に入ったのも、そういう意図があったのかもしれない。
・・・・・・
卒業式、入学式、春の球技大会と、中3になった生徒会本部の活動はピークを迎え、メンバー同士の連携も、最初とは比べ物にならないくらい良いチームプレーをすることができた。僕もM野さんと話す機会も多かったが、あくまでも仕事を進めるうえでの会話がメインで、休日にどうこうしたりといった進展は全くなかった。クラス替えもあった。N川とは別々のクラスになり、M野さんとも同じクラスになることはなかった。同じクラスになったK島という男と仲が良くなったが、K島もM野さんとは小さい頃はよく遊んだらしいということを聞いた。なんでみんなそんなに身近にM野さんがいる幼少期を送っていやがるんだチクショー!そんなこんなで、あまり周りの環境的には2年生と大きく変わることはなかった。
それでも、M野さんへの気持ちは変わらなかった。
じゃあ、どうして告白しておかなかったんだと、、、
今更嘆いていても仕方ないのですが。。。
・・・・・・・・・・・
そして、季節は6月。修学旅行で九州に行くことに。
修学旅行は、基本的にはクラス単位で、あるいはクラス内の班単位での行動がメインだったので、何処に行くにも華のない、オタクな野郎チームでの名所めぐりが続いた。ハウステンボスの花が咲き誇るユーロピアンな雰囲気も、華はないのである。
N藤「おーい!たくみー!」
た「んー?なんじゃい?」
どこからともなく、N藤の声が聞こえたので、振り返ってみると、、、
M野さんがいた・・・・
パシャリ!
M野「あ!!N藤、今写真撮ったな!!!」
N藤「はいー!撮りましたー!!」
M野「もー!余計なもん撮るな!!」
直線上に僕がいたので、M野さんの背景に手を挙げている僕が写っているという写真がバッチリ撮れた(あとでN藤にもらった)。
↓これが現物である。
※画質はかなり落としてあります。
当時は、写メというものもなかったので、写真と言えば写ルンです、だった。奇跡の一枚、と言っても過言ではない。。。
最終日に、遊園地に立ち寄った。
この時ばかりは、どういう組み合わせでもよかったというか、思い出にするためにある程度みんな思い思いのグループができていったというのが正しくて、それを先生たちもどうこうは言わなかった。そんなこんなでいつの間にか生徒会メンバー+N藤という、いつものグループが出来上がっていった。N瀬会長とH田が付き合っているらしいというウワサは相変わらずだったが、もう隠すことをするまでもないのか、グループの中にいても、その二人だけは、うまい具合いにくっついて歩いていた。
周りも認める、ベストカップル、といった感じだっただろうか。
ジェットコースターに乗り、ゴーカートに乗り、、ゲーセンで遊び・・・
僕は、M野さんの近くにいようと思ったけれども、なかなかそう近づくこともできなかった。
・・・まぁやっぱりシャイだった。なんやねん、そのびびりハート、それでも男かっ!
最後にのったのは、急流下りだった。2人で座るベンチが5つくらいくっついていて、ひとつの輪になって、どんぶらこどんぶらこ、と水の上を進んでいく。。
H瀬会長とH田は、同じベンチに座っていた。もう、、、べったりである。
僕は、M野さんの横に・・・・いこうとしたけれども、、、
・・・結局横にいたのはN藤だった。
写ルンですで、写真は撮った。
M野さんとペアで映りたかったな・・・。
M野さんのベンチは1人で座られていた。その横に、同じベンチに座っているN藤が大きく映っている写真が撮れた。てか、どうしてこうなった・・・!
・・・・・
4.そして卒業、歩みだす別々の道
文化祭、体育祭と生徒会本部としての最後の大仕事を終えた。
けれど、結局それ以上、M野さんと何か特別なことがあったわけでもなく、結局告白なんて自分からする勇気を中学の間は最後まで持つことができないまま中学生活は終わってしまった。
中3と言えば、高校受験が控えていることもあり、夏休みも夏期講習に塾の合宿特訓もあり非常に忙しかった。部活も引退最後の試合の日と、模擬試験が重なってしまい、どうにもこうにもならず、模試の方に行かざるを得なかった。。。
年が明けて、高校受験が終わり、僕とM野さんは、別々の高校に進むことになった。どこを受験するかを聞いていたわけでもなかったし、中学受験に失敗していた僕は、高校受験でリベンジをするつもりで狙っていた学校はあったから、高校を決めるのにはそれ以上の事情は挟んでいなかった。そして、高校受験としては何とか中学受験のリベンジを果たすことはできた。
結局、2年の時にN川が言っていた、
「M野さんが、たくみさんのことを好きらしい」
という言葉は何だったのだろう。。。
真相を確かめることはついにできなかった。
ビビりすぎな僕自身のせいでもある。
告白さえしていれば、何かが変わっていたのかもしれない。
でも、結局何もできなかった。
卒業式の日、学校から帰っていくM野さんとN瀬会長の姿を見えなくなるまで見送っていたのを思い出す。
僕の恋はこれで、終わってしまうの・・・?
さよなら、M野さん・・・
それでも僕は、君のことが好きなんだ・・・
そして、僕らは高校生になって、、、
・・・この恋は再び、動き出す。
・・・・
5.それでも、あきらめきれず・・・
高校生になって、最初のうちは勉強のペースも早く、ついていくのが精一杯だった。新しい出会いがあるのかと言われると、そういうことは全くと言っていいほどなかった。
なぜなら、男子校に入学したからである。
今、もう一度高校受験をやり直せるなら、この選択肢は絶対にない。。。
あの青春の貴重な時間を、、、そうやって過ごしてしまったことは、どんなに悔いても戻ることはない時間だけれども、、、
何となく、親に言われてでもなく、将来のためだと自分に言い聞かせて、何とか進学校に進んで、勉強についていくのが精いっぱいという、地獄のようなルーティーンに陥っていた。
それでも、中学の生徒会メンバーとは、なんとかつながりを持っていた。携帯でメールでやりとりをしていた。
そこで話す話題と言えば、高校はどうだとか、誰がどうしただとか、結局人生どうなりたいんやとか、高校生ならしてそうな話題を1対1であったり時には複数人であったりでメールでやりとりしていた。
男子校にいる自分にとっては、それが唯一の清涼剤であった。
そして、まだどうしてもあきらめきれていない自分がいた。
・・・・・・・・・
高校1年の秋。
季節はまたしても、体育祭、文化祭である。
あの中学の頃のような文化祭とは異なり、高校のイベントはスケール感がまるで異なる。自分たちと先輩が縦割りで一緒になる壮大な体育祭。学校から生でもらうお金で資材を調達し、自分たちの表現したいことを心行くまで作り上げる文化祭。どちらも、経験したことのない、貴重な体験だった。
夜中まで学校に残り、差し入れのカップ麺を食べて、トンカチで作品を作り上げる。そんな日々を経て文化祭当日を迎える。校庭では、模擬店による屋台、教室では様々な展示や演劇が工夫を凝らして待っている。
・・・そんな空間に、僕は、彼女たちを招待することに成功した。
そう、M野さんと、N瀬会長である。
来てもらえるかは五分五分な感じだった。メールでやりとりをする中で、何とか約束を取り付けるところまではできた。。。
・・・・・
M野「今、校門のところについたけど」
メールが届いた。
僕は校門へ降りて行った。
実に2人に会うのは、中学を卒業して以来の約半年ぶりである。
N瀬「おひさしぶりー」
た「おー!これはこれは!」
高校の制服を着たM野さんは、髪型が中学の時と少し変わっていた。
どうして僕は、この人のことが、こんなに好きなんだろう。
・・・
携帯電話をポチポチ、メールを打つ。
彼女からのメールは着信音を変えてあるからすぐにわかる。
返信が来るまでの時間のドキドキといったら無い。
た「こないだは、来てくれてありがとう」
M野「いえいえ。あんたんとこの文化祭、色々ごちゃごちゃしてたけど、楽しかったわ。」
た「また、来てや」
M野「また来年もやんの?」
た「そらそうやろ!」
こんな会話をずっとしていたと思う。
何の他愛もない会話だったはずが、時間がたつにつれて、中学の時の恋愛話だったりに寄り道してきた。夜中の1時を回ったころだったと思う。たまらず僕は聞いてしまった。
た「H田がM野の弁当箱を隠したことあったん覚えてる?」
M野「あーそんなことあったね。あの時はありがとうも言えずにごめん」
た「別にいいよ。」
その時、ちょっと魔が差してしまった。
た「あの時、好きな人とかいたん?」
・・・やや時間が空いて、返事が返ってきた。
M野「別に。中学校の時ってそんなに意識してなかった。」
おらんかったんかーい!
文面通りにしか、取れない僕は、それ以上つっこめなかった。
そして仲の良いN瀬会長の話を振ってみた。
た「そうか、H田と、N瀬会長はあの時からもう意識してたんかな?」
M野「さぁね。時々、どうでもよくなる。」
た「なんで?」
M野「H田のことはちょっと気になってたから」
た「え?!そうやったん?!」
これはすごく意外だった。あれだけ、日々ごたごた嫌味を言われていたH田のことが気になっていたとは・・・
M野「いまさらやけどね。あの二人は今は正式に付き合ってるし、幸せやったらそれでいいんちゃう?」
た「そらそやな。。」
気の利いた返事はできなかった。
けど、その時、僕は何かを伝えたい思いに囚われた。
た「ごめん、ずっと言えんかったんやけど・・・俺、M野さんのことずっと好きやったんやわ・・中学の時からずっと・・・
(途中、すごく長いメールを打った。気持ちを全部包み隠さず伝えようと。)」
書き終えるのに、1時間はかかったと思う。長く待たせてしまった。午前4時前くらいだったと思う。寝落ちしてしまったと思われても仕方ないくらい、長い間を取ってしまった。それでも、ようやく、伝えた。好きだという気持ちを伝えた。メールだったけれども。今風に言うと、LINEで告白するような感じだろうか。口で伝えなきゃとは思ってたけど、それでも言葉はあふれてきたから、伝えようと思った。もう、返事が返ってこなくても仕方ないと思って待った。
しかし、メールはすぐに帰ってきた。
M野「ありがとう、何となく、知ってた。」
・・・知ってた?!
た「知ってたんや・・。ありがとう」
M野「今は、自分のことでいっぱいやから、付き合えない。」
たくみさん、振られました。盛大に華々しく散りました・・・・。
た「うん、ごめんね。」
M野「H田に、N瀬会長が告白したときに、先に行かれたと思ってへこんでた時があった。あの時、何となく、たくみが私のこと好きらしいということを聞いてて、もしかしてあの時やったら、寂しくて?って言ったら失礼やけれども、付き合ってたかもしれん。」
・・・ああ、H田が「なんで告白しーひんの?」と聞いてきた、、あの時か・・・
M野「結局、H田とは何もならなかったけどね。イケメンやったけど。」
た「結婚したいとか思う?」
・・草木も眠る時刻に何を聞いてるんだ自分はっ!
M野「誰かとしたいとかは今はないかな。先のことやし、わからんけど。」
最後の方は眠くて、変な感じだったかもしれないけど、こんな感じでメールでの告白は砕けちった。
・・・・・
高2になり、ますます学校の勉強は難しくなり、物理に化学に数学にともう完全に置いてけぼりな低空飛行をさまよっていた。
クラスの中には、学校の外に(男子校だから当然だけど)彼女をつくるやつなんかも居たりして、まるで抜け殻のようになっていた。
彼女さえいれば、勉強も頑張れるのになぁ、、、
とか、考えたりもした。
自分って将来誰かの役に立つことなんてできるのか??
など、高校生らしい悩みも持っていた。
中学生徒会メンバーとのやりとりはだんだん少なくなっていった。それでも少しはやりとりはあった。
その中で、M野さんに告白し、再度の立て直しを図るべく、N瀬会長に相談を持ち掛けた。
幼馴染なのだから、どういう人が好きとか、そういう情報をもっと引き出しておかなくてはならない。
僕はN瀬会長と、駅前の喫茶店で色々と話をした。
この時、それまでの経緯を話したが、N瀬会長はだいたい知っていた。
そりゃ幼馴染なのだから耳にも入るか。当然と言えば当然。
・・・・・
7月、塾に行く地下鉄を待っていた時、H瀬会長を見かけた。なんと浴衣姿だった。しかし、パートナーは・・・H田ではなかった。僕の知らない男だった。
一体何があったんだろう・・・
直接、N瀬会長に聞くのも末恐ろしく、、、
というか教えてはくれないだろう。
というわけで、M野さんにメールで聞いてみる。
すると、驚くべき返事が返ってきた。
M野「あの二人、別れたんよ。」
た「え??どうして??お似合いやったのに・・・」
M野「たくみ知らんかったっけ?H田は留学してるんよ。海外に」
た「それは初耳や・・・」
M野「それで、流石にってなって別れたんやって」
そんなことで別れてしまう運命だったのか、あの二人は・・・
もっと、うまくうやると思っていたのに。
僕が見た、一緒に居た男はH瀬会長が入学した高校の男らしい。そして、もう付き合っているのだとか。展開が早すぎてついていけない。。
その年は、結局、文化祭に誘うこともしなかった。N瀬会長が来ないと言ったらM野さんも来ないだろう。そして、メール告白で玉砕したこともあって、なかなか言いだせるような感じでもなかった。
そうして、人生の悩みをどろどろに抱えながら、僕は日々過ごしていた。
・・・・
いよいよ最終章です!
6.ありがとう。最後にちゃんと伝えないと
高3になり、今度はもう大学受験という再び大きな受験を控える年になる。
もうこの頃になると、メールでのやり取りも、かなり少なくなっていた。やっていなかったわけではなかったが、ほとんどなかった。何より忙しかったのだ。受験に。
中学受験、高校受験、そして大学受験ともうそろそろ何とかしたいけど、高校での成績は中学の時に比べると全く振るわず、かといってさぼっているわけにもいかないので、塾にも通い、センター試験を間近に控えた12月頃。
塾で自習をしていたので、帰るのが遅くなった、、、と地下鉄の駅を歩いていると・・・
M野さんが電車を待っていた。。。
・・・え!
自分の目を疑ったが、それはM野さんだった。
た「お!久しぶり!こんなとこで何してるん?」
M野「塾帰り。今、機嫌悪いから話しかけんといて」
た「あっそ・・・」
何で気分を害していたかはわからない。
この塾に通いだしたのは、転入した2年になってからだったけど、まさかM野さんと鉢合わせになるとは思わなかった。
そういえば、確かにM野さんの高校がこの駅の近くにあった。気が付かなかった。。。
もっといろいろ本当なら話したいことはあったけど。
久しぶりに顔を見たら、好きだったという思いが、雪だるまのように大きくなっていった。
少し日がたって、メールをしてみた。
た「おひさしぶり。大学はどこ受験するん?」
受験前の忙しい時期だったから、ちゃんと返信が帰ってくるかはあやしかった。
M野「内緒。でもいろいろ厳しい。」
た「こないだいら立ってのはそのせい?」
M野「あれは違う。」
た「じゃあ、何やったん?」
M野「あんたには関係ない。」
・・・後に分かった事であるが、あれは彼氏が居てごたごたしていた時期だったらしい(いつの間にか・・!!)。
た「しかし、ここまで来ると受験も不安しかないわ」
M野「とにかくやれ!あきらめたら負けやから!!」
た「せやな、、、やるしかないわな。」
M野「頑張ってくれたまえ〇」
そうして励ましてもらえたことが、この時の自分にとってどれほど嬉しかったかは、、、あなたの想像にお任せいたします。
・・・・
センター試験が終わり、ほっとしていられるわけもなく、前期試験に向けて勉強を進める日々。
あのとき、メールで励ましてもらった甲斐あって、センターを少し頑張れた。
塾の方向が近いと知った時から何となく予想はしていたけど、今度は駅の自転車置き場でM野さんを見かけた。
た「おーい!M野~」
M野「あ、たくみか。センターどうやった?」
た「うん、励ましてくれたお陰で、何とかなりそうやわー」
M野「どこで受けたん?」
た「O大やな。同じクラスのやつらはほとんどおらんかったけど」
M野「うちのR大であんたのとこの生徒よう見かけたわ。男でそれっぽいの絶対R校生やって決めてかかってたもん」
た「そらーうちの学校、生徒数は多いからな」
今度こそ、、、、言わなければならないと、思った。
た「M野な、ほんまありがとうな」
M野「うん?」
た「久しぶりにメールして、ちゃんと励ましてもらって、俺すげえ嬉しかった。んで、センターもちゃんとできた。」
M野「そりゃどうも」
た「ほんでな、その、、受験終わったらでええんやけど、、、俺、ずっとM野のこと忘れんと、前にメールでも告白したけど、、、ちゃんと言葉で言いたいと思ってて、、その、好き、やから。うん。」
M野「うん」
た「よかったら、付き合ってください」
・・・言った!!
やっと、、、言った!!!
もう、、、!!!!
もう、、どおうにでもなれ!!!!
ーーー
心臓がバクバクして、
のどがカラカラになり・・・
真冬なのに、汗が出た。
ーーーー
M野「ありがとう。気持ちは嬉しい。」
た「お、おう。」
M野「でも、今付き合っている人いるねん。」
た「あ、あああ、そうなんや・・・」
M野「こないだいら立ってたんはその関係。」
た「そうやったんや・・・」
M野「だから、、、ほんま、ごめん」
・・・はい、たくみさん、今度こそ本当に散りました・・・
6年超しは長いのか、短いのか、、、
た「ひとつだけ、教えてほしいんやけど・・」
M野「なに?」
た「前も聞いたかもやけど・・・俺のこと好きやったこと・・・ある?」
M野「んー・・・それは内緒。」
た「そうか・・」
結局、過去に好きやったとしても、その時はどうしようもないんですけれどもね。。
・・・・・
とまぁ、こんな感じで、長々とハッピーエンドにもならない、たくみさんの過去の恋バナなわけでありました。
いかにダメというか、臆病な人間だったか、、、
それが、結局気持ちのすれ違いというか、タイミングどころの話ではないほどのビハインドを生んでしまったことは間違いないと思います。。
次の章から、いよいよ、この反省を生かした恋愛テクニックのご紹介に入ります!
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