視野を拡げるための、2つのポイント
私はご縁をいただいた人には、その人が輝いていけるお手伝いとして『どのような人生を生きていきたいか』などをお話させていただくことがあります。
これは当たり前のことですが、基本的にこれまで自分が経験してきたことや、自分が見てきた世界からしか物事を発想することはできません。
例えば、生まれた場所や家庭環境、これまでの生活環境。学生であれば学校の友達関係や地域との関わり。仕事をするようになれば、会社の中での環境、そこで出会う人。
このように世界は少しずつ広がっていきますが、基本的には自分自身が経験したもの、見たものからしか考えられないのです。
今回は「人は自分の見えている世界がすべてだと思いがち」というテーマで視野を広げるために必要な2つのことについて、お話します。
本を読んで気づきを得よう
まず1つ目が“本を読むこと”です。
これは、お恥ずかしながら、私も今まで数え切れないほどの人に言われてきました。しかし実は、最もピンとこなかったアドバイスでした。最近になってようやく「こういうことか」と分かるようになりましたが(笑)
私はそもそも、本を読むことがあまり得意ではありませんでした。なぜなら、幼少期に漫画は読んでいましたが、活字の本を読む習慣がなかったからです。
本は読書感想文を書くために読まなければならないもの。そして、読書感想文を書くこともあまり得意ではなく、嫌々書いていたもの。
そのように育ってきたので、「本を読んだ方がいい」といろいろな人に言っていただいても、なかなか読むことができませんでした。
本を読むと、書かれている読者の経験談や、得てきた方法、知見などに触れることができます。自分の知らなかったことに出会えるのです。
今でこそ本を読むようになりましたが、自分が書いた本を多くの人に読んでいただき、「人生の役に立ちました」「価値観が変わりました」と言っていただけるようになりました。本当にありがたいと思っています。
簡単な本から、読み終えてみる
もしかしたら、「本を読むのは苦手なんだよな」という人がいるかもしれません。そうした人におすすめの方法は、とにかく簡単なものでいいので「読み終えた」という経験をしてみることです。これは非常に大事です。
”簡単な本”とは、“世界一優しい”や“猿でも分かる”といった本などです。基本的にとても噛み砕いて書いてくれているケースが多いので、まずはそうした簡単そうな本を読んでみることをおすすめします。
実際に私は、簡単そうな本から読み始めました。今も自分が知らない領域のことを勉強する時は、できる限り簡単なものから読むようにしています。
簡単なものから読むことで、その領域の概要がある程度つかめます。概要がつかめてくると、次に少し難しい本を読んだ時にも、それを考えるためのきっかけとなる情報を自分が持っている状態になります。
「これはあのことを言っていたのか」などの経験を積み重ねていくと、読むことが楽しくなったり、読める本が増えたりします。
本を読むのが苦手な人であれば、とにかく簡単な本を読むこと。「自分が見えている世界からしか物事を考えられない」ということを変えるための1つ目のポイントが、本を読むことです。
自分が見たい世界に生きる人の話を聞く
もう1つのポイントは、自分が見たいと思っている世界に、生きている人の話を聞くということです。
これは、昔であればとても難しいことでしたが、現在はどの分野であってもほとんどの人が情報発信をしています。もちろん、私もすべての領域に精通しているわけではないので、必要な時にはゼロから勉強させていただいています。
話を聞く時のスタンスとして、まず最初に自分がこれまで生きてきた中で見たものからしか考えられていないことを受け入れます。そのうえで、自分が知らないことは、知っている人から学びます。
その人が見えている世界や価値観、考え方から、自分の見えていないものを推測していくことが非常に大事です。
自分の意見を持つのは実践してから
本を読み、自分の見えていないことを人に教えてもらっている中で、たまに「もったいないな」と思う人がいます。「いいえ、私はこう思います」と言ってしまう人たちです。
振り返ってみれば、私も昔はそう言っていました。なぜだかよく分かりませんが、知らないはずなのに、自分の意見を持ちたい時があったのです。それは、自分の未来の可能性を狭めています。
話をしてくれている人がいるのだとしたら、まず聞いてみる。そして、それを信じて実践してみる。そのうえで自分が心地良いと感じないのであれば、信じることをやめてみたらいい。
人は自分が今見えている世界をすべてだと思いがちだからこそ、まず実践してから自分の意見を持ちましょう。
意外に人生はあっさりと変わることがあります。
視野を拡げるために、本を読むこと。そして、自分の見たい世界に生きている人の話を聞き、実践してみること。
ぜひ試してみていただければと思います。
(構成/執筆:中村綾)