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50ボブの遠足




この間朝起きて、歯を磨くために部屋に戻る直前
うちの小学生の女の子に話しかけられました。


「今日遠足なんだけど、うちにお金がないから代わりに払ってくれない?」


来たか。これ系のお願いは結構あります。

というかこの子から頼まれるのはこれがはじめてじゃない。


以前も肌用のクリームを買ってくれとせがまれたことがありました。

なんでも極端な乾燥肌らしく、いつも使ってるクリームがないから買ってきてほしいとのこと。親はお金がないといって出してくれないし、いままでもだしてくれたこと無いから僕にところに来たみたい。


そのときは特に考えず、大したこと無い金額だったので(50円くらい)、買いました。

二回目となると、ちょっとさすがに...と


これに限った話じゃないんですが
外国人=お金持ってる人って見られるのが嫌で…
僕も彼らのことを貧しいとか可哀想とかは決して思わないし、対等な関係でいたいなと思うんですが、これが難しい。

「遠足ってどこにいくの?」

「島の上の方にあるところだよ」

「何するの?」

「勉強したり、遊んだり、ご飯食べたり」

あーなんか郊外学習的な感じか…

「いくら必要なの?」

「50円」


安。ここの物価で言えばペットボトルのジュース一本分。僕もそこまで生活に困窮しているわけではないのですが、ちょっと踏みとどまって聞いてみる。

「もし俺がここにいなかったらどうしてたの?」

「遠足には行けなかったね」

あんまりにも淡白に返すもんだからなんか呆気にとられちゃいました

いやそりゃそうなんだけどさ…


彼女が僕のところに来るのはどうしてなのか

僕をお金を持っている外国人としてみているからなのか

それとも他に頼れる人がいないからなのか


たぶんどっちも正解なんだろうなぁ

でも少なくとも、前者であってほしくはないなぁ

そんなことを思いつつお金を渡しました。


「いまからお金渡すけど、これは俺がムズングだから渡すんじゃなくて一緒に住んでいる家族だから渡すんだよ。わかった?」

と聞くと、笑いながら受け取って

学校の方へと向かっていきました。


言葉の意味を受け取ってくれたかはわからないけど、平等でいることの難しさを、50ボブから学んだ日でした。

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熊谷拓己
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