28歳未経験で企業法務の仕事を始めた話
前回の記事で、28歳無職職歴無しの状態から上場企業で就職でき、それも望んでいた法務の仕事に就くことができた当時の話をしました。
その会社は総務部の中に法務チームがあり、チームリーダー的な存在が面接をしてくれた40歳前後の女性(正確な年齢は聞いてませんが)、自分と年は同じくらいの先輩1人、あとは自分と同期入社した男性1人、そこに自分を合わせての計4人のチームでした。
入社から数週間は業務の半分くらいの時間を使って、紙で保管している契約書のPDFスキャンを同期と一緒にしました。それまで何十年と紙で大量に保管されている契約書をただひたすら複合機でスキャンしては共有フォルダに入れていく日々。
単純作業で辛そうと思うかもしれませんが、この業務は何にも考える必要が無かったのでただただ楽で、結構好きでした。
一方で本来の法務の仕事はと言うと、まずは先輩から取引先から提示された秘密保持契約書をそのまま渡され、「まずは何にもアドバイスしないから、内容を見て思ったことを教えて」と言われました。
それまで法律の教科書は読んだことがありましたが、契約書のレビューは全くしたことが無かったので、とりあえずここはうちに不利かな?ここは修正を申し出た方が良いかもな。。と見様見真似でレビューしたことを覚えています。
結局初めての契約書チェックだと勘所が全く分かっていないので、その後先輩に赤ペンをたくさん入れられました。
また今思えば、2社目の会社でもまずは秘密保持契約書のレビューを任された記憶があります。秘密保持契約(NDAとかCA等と呼ばれ、1社目ではCAと社内では呼ぶことが多かったです)は法務業界ではお手並み拝見くらいの立ち位置なのかもしれません。
1社目の会社ではCAチェックを何回かした後は、徐々に取引基本契約や売買契約、業務委託契約などのレビューをするようになりました。ただまだ半人前にもなってない、ほぼ素人状態のレビューなので、チームリーダーの女性や先輩にアドバイスをもらいながら、何とか日々契約書の修正をしていました。
そんな中、法務として働きだして3ヶ月くらい経った頃に急ぎの契約書チェックの依頼がありました。
それは勤めていた会社がある設備を導入するにあたり、他社8社くらいからそれぞれ別の機械を購入することが必要になったという案件でした。購入先の会社はどれも小さな規模で売買契約書の雛形を持っていなかったので、取り敢えずうちの売買契約書の雛形を8社にばら撒いて社内の実務担当者にこの契約書内容で進めるように連絡しました。
するとその直後に8社からそれぞれクレームが来てしまい、結果として大炎上してしまいました。。
原因ですが、うちが無理を言って相手先には急ぎで対応してもらっていたのに、うちの契約書雛形がかなりこちら有利な内容になってしまっていたために、先方が「こんな内容なら辞める!」と機嫌を損ねてしまったのでした。
結局その後にそれぞれの会社と再度調整をして契約書内容を詰めていったのですが、今思えばわざわざ相手有利にすることはないけれど、初めからお互い公平くらいの内容に自社フォーマットを変更して提示するのが正解だったかなと思います。
この1社目では他にも色々とやらかしてしまったのですが、それら失敗談も今後記事にできたら思います。