問題文の事実から規範を立てる手法

司法試験の問題には「現場思考論点」と呼ばれるものが登場します。この「現場思考論点」では受験生の皆さんが現場で「法律論」を組み立てて問題を解決しなければなりません。この記事では「法律論」を組み立てる際のコツをお話したいと思います。

【1】 「法律論」とは何か

受験生にとってなじみの深い「法律論」は「条文の適用関係を示す」ことだと思われます。「条文の適用関係を示す」ことを実践するための効果的な手法は「規範を定立する」ことです。もちろん、問題文中の事実を総合考慮した上で条文を適用するという手法でも理屈としては間違いではありません。しかし、この理屈を「法律論」として洗練されたものにするためには、条文の文言を解釈し、その解釈した結果を規範として示し、問題文中の事実が規範に該当することを説明する、という形で「条文の適用関係を示す」ことが重要になります。

●「法律論」を作るためには「規範」を立てる

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