宇宙を片手に
初めて、宣伝というものをしてみようと思う。
ところで、私はお酒が大好きである。毎日のようにビールを飲み、尿酸値を蓄積させ、ウイスキーでとどめを刺す。
それでも酔わないのだから肝臓のある意味での仕事のしなささは異常とも言える。
なので結構バーにも興味がある。もっぱらバーでは一人で飲むことが多い。わいわいがやがやしゃべっていては酒の味なんてわかったもんじゃない。
ただ、私はこれからわいわいがやがやしに行く側になってしまう。
ああ、なんという体たらく。お酒を味わうことなく、お酒をまるでつまみのようにしてしまうのだから。お酒に対する冒涜、侮辱。自分を罵る言葉がいくらでも思いつく。
だからこそ、自分が何かバーで話をすることがあるならば、お酒の「つまみ」になるような、お酒を引き立たせるような話がしたい。
お酒の脇役として、存分に力を振るうことができるなら、お酒好きとしてこれ以上の幸せはないだろう。
そんなこんなで私はお酒の引き立たせ役として「大規模構造」の話をすることにした。
来週、11/24、歌舞伎町、18:00~
場所は「学問バーkisi」という。
タイトルは「宇宙の歴史を語る:宇宙の大規模構造が解き明かす宇宙の歩み」
お酒には壮大な話が合うように思う。
かくいう私はアイラモルトウイスキーが大好きである。ラフロイグやアードベッグに代表される、ケミカルな味、スモーキーで、どこまでも舌に残り、一瞬ごとに異なる様相を呈し、永遠を感じさせる味。これ以上に壮大で美しい味はない。
それに比類ないぐらいに宇宙というのは、言わずもがな、壮大で、未知にあふれている。
そして、大規模構造とはその構造の大きさ、圧倒さとは裏腹に繊細で、様々なバイアスに惑わされる、とてもセンシティブな分野である。
まるでお酒を引き立たせるために存在しているかのようだ。
ゆえに、私はお酒を味わっていただくために話すことにしよう。
お酒を楽しんでいただくことを最上の幸せとして、
その日、私は宇宙の壮大さを片手に待っております。
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