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"定置網で新種のサメが!?" 阿久根市ワーケーションプログラム体験記(水産業) by まる

みなさんこんにちは!
2024年8月31日から9月5日まで阿久根市のワーケーションプログラムに参加した、"まる"と申します!
私は現在、大学院(修士課程)の2年生で、東京大学の大気海洋研究所というところで水産業に関する研究をしています。恥ずかしながらこれまで阿久根市という地名は聞いたことも無かったのですが、ひょんなことからお誘いを受け、この度参加させて頂きました。

阿久根滞在中には3000枚を超える素敵な写真が撮れました。
本記事では写真をメインに、私がどんな風景を見てどんな体験をしたのか、時系列でつらつらと書いていこうと思います。読んでくださる皆様も、実際にワーケーションプログラムに参加している気分になるような、そんな記事にできたら嬉しいです~


~0日目 絶望~

冒頭からネガティブなタイトルですみません…

ウキウキで準備をしていた出発前日、航空会社からこんな連絡が、、、
日テレNEWS NNN https://news.ntv.co.jp/category/society/b5bcf5eb5d82420a93dfee05c51eb1b4


長く東シナ海で停滞していた台風10号が私よりも先に阿久根に上陸。予約していた飛行機が欠航になりました(泣)

結局スケジュールは1日短縮、初日のオリエンテーションと2日目午前に予定していたSUP体験も延期となりました。

こればっかりは仕方ないと割り切って、残りの6日間をもっと充実させてやろうと思った一日でした。

~1日目 初日から盛りだくさんの体験~

無事到着! 道の駅で満足ランチ

AM 6:51 羽田空港出発、窓には雨粒が、、、鹿児島の天気は晴れ予報ですが、少し不安です。
AM 8:56 鹿児島空港到着。気持ち良いくらいに快晴です!とりあえず安心安心
AM 9:30 連絡バスで集合場所の阿久根駅へ、台風の影響か、土砂崩れらしき光景も
AM 11:15 バスに揺られること約2時間、ようやく阿久根駅に到着しました。
阿久根周辺の観光スポットと名産品
AM 11:30 集合の12時まで駅構内で一休み。駅舎と内装は、JR九州の数々の名列車を生み出してきた、あの水戸岡鋭治さんデザインだそうです。
PM 0:08 地域おこし協力隊の担当者さん(のんちゃん)と参加者の方(ももちゃん)と無事に合流し、さっそく道の駅「阿久根」へ。ちなみに今回は同日程で私を含め3人が参加していました。(インテリアデザインを専攻する美大生「ももちゃん」と、ゲームやアプリの開発を行っている社会人の「かじかじ」さん)
PM 0:10 ランチは協力隊の方々が太鼓判を押すFISH&CHIPS TRITONさんへ!
阿久根でその日の朝に水揚げされた地魚を使っているそうです。
https://www.instagram.com/triton_akune/ 
私は王道のフィッシュ&チップス(650円)を注文。長島産のポテトは甘くてホクホク、魚はジューシーで最高!想像していたよりもボリューミーで大満足でした。
ちなみに今日の魚は「らっぱ」とのこと。お店の方に標準和名(正式な名称)を聞きましたがご存じなく、ネットで検索しても「らっぱ」という地方名を持つ魚は出てきませんでした。果たして私が食べた魚は何だったのか…数日後この謎が解けます

「わらべ工房」で人生初の陶芸体験

PM 2:30 もう一人の参加者、「かじかじ」さんと合流し、陶芸体験へ。
わらべ工房さんで人生初の手びねりに挑戦します!
(わらべ工房 https://www.instagram.com/explore/locations/1596045237372213/?locale=us ) 
「なんでも好きに作っていいよ~」とのこと。はじめに紙とペンでざっくりとしたイメージを描きます。私はフグが好きなので、フグをモチーフにしたスープ皿を作ってみようと思います。
まず粘土の塊をシート状に伸ばします
これを成形して
軽く乾かします
乾かしている間にヒレや目などのパーツを作っておきます
パーツを取り付けて、ひとまず完成!ここから先の着色や火入れは工房の方にお任せします。焼く時に割れないかドキドキです。(土器だけに)
1か月後、自宅に完成品が届きました!手前味噌ですがめちゃくちゃ可愛い♡
これはもったいなくて使えないですね…
裏面もかわいい。綺麗に釉薬を塗って焼いて下さって、梱包も丁寧で、わらべ工房さんには本当に感謝です。
わらべ工房では人懐っこい猫ちゃんがいたるところに転がっています。
猫好きの方はぜひ~

海の見える食堂「ドライブイン潮騒」

PM 6:20 陶芸体験のあとは素潜り漁師さんが経営する食堂「ドライブイン潮騒」へ 
(ドライブイン潮騒 https://www.instagram.com/siosai.akune/ ) 
窓からは夕陽に輝く黒之瀬戸海峡が
私は刺身定食を注文。店主自ら銛で突いてきたというコロダイが最高でした!

初日から夜釣りへ

PM 8:00 夕飯を食べ終え、のんちゃんから車を借りておまちかねの夜釣りへ。(このために私は自宅から釣り竿4本、スーツケースに潜ませて…)
ももちゃんとかじかじさんも釣りをしてみたいとのことなので、一緒に楽しみました♪

ももちゃんが釣りあげたオオスジイシモチ
かじかじさんはクロホシイシモチ
私はエギングで小さなアオリイカ

まだ阿久根の海を把握しきれていないのか、思ったよりも魚は釣れませんでしたが、とりあえず全員魚の顔を拝むことはできました♪

~2日目 しおしー登場~

鹿児島の誇る巨大スーパーへ

2日目の午前は自由時間だったので、私は自炊用の食材の買い出しに、A-Zあくね店へ向かいました。

A-Zは鹿児島が誇る巨大なスーパーマーケット(ハイパーマーケット)
スーパーとホームセンターと車屋さん、キャンプ場等がひとつにまとまったお店をイメージしてもらうといいと思います。24時間営業していて非常に便利でした。関東にもほしい!
(A-Zあくね https://a-zmakio.com/akune/ ) 
AM 11:41 鮮魚コーナーには「あくね漁港直送」の文字が。A-Zでは地元の水産物が、丸のまま地産地消をアピールして販売されていました。魚離れと、効率を求めた魚の均質化が全国的に進んでいる今、地域の消費者が地魚にプライドを持つことは、水産業を守るためにも大切なことだと思います。
時間が遅かったのか、ほとんどが売り切れでした(地魚が人気なのは嬉しいけど、悲しい…)。私は夕飯用にマルアジとイトヨリダイを購入しました。

しおしーの阿久根ツアー

午後は、地域おこし協力隊の「しおしー」が阿久根の観光&絶景スポットを案内してくれました。

PM1:30 倉津漁港 水中を覗くと魚がたくさん!
PM 2:15 阿久根と長島をつなぐ黒之瀬戸大橋。潮の流れが速く、運が良いとうずしおが見れます!
PM 2:20 黒之瀬戸大橋を渡って長島へ
PM 2:30 道の駅黒之瀬戸だんだん市場
https://www.qsr.mlit.go.jp/n-michi/michi_no_eki/kobetu/kuronoseto/kuronoseto.html
PM 2:35 つけあげ用の味付きすり身を発見!鹿児島ならではかも!
PM 2:37 長島で養殖されているというヒオウギ貝。見た目が美しいので貝細工に良く用いられますが、身もとっても美味しいです。
PM2:40 網に入ってしまった小さな雑魚も捨てずにしっかり値段が付けられて利用されていました。長島では未利用魚がほとんど出ないというのが衝撃的でした。中に入っているのはクロサギ、ハタンポの仲間、カワハギですかね。
PM 3:00 寺島宗則記念館を訪問
PM3:15 ご子息の方(松木さん)に付きっきりで寺島宗則の生涯について丁寧に解説して頂きました。内装も保存状態が良く、真っ黒な土壁がかっこよかったです。
PM 4:00 ともまち珈琲さんでひと休み。阿久根名産のボンタンがたっぷり入った「ぼんたんコーラ」は爽やかでとっても美味しかったです。(ともまち珈琲https://www.instagram.com/tomomachicoffee/  )
PM 4:40 オープン初日の「PUZZLE」さんも訪問。アウトドアアクティビティーの拠点としてだけでなく、美味しいコーヒーが飲めるコミュニティスペースとして不定期でオープンされています。(「PUZZLE」https://puzzle-outdoor.pro/  )
PM 5:10 脇本海岸、きれいな砂浜が広がっています
PM 5:20 なんとなくガザミを描きました
PM 6:30 サンセットロードからの夕陽で締めくくり。しおしー、半日アテンドしてくれてありがとう!

阿久根の魚で自炊~自動車学校の教習生さんたちと夜釣りに??

宿に帰り、午前中に買ったマルアジとイトヨリダイで夕飯を作ります。宿泊した塩屋ホステルさん(https://www.facebook.com/shioyahostel/ )には必要な調理器具はほとんど揃っていて、不自由なく自炊することができました!

マルアジは三枚におろしてサク取りし、ネギ、シソ、味噌、しょうがと一緒に叩きます。アクセントでご当地カボス果汁も数滴。
イトヨリダイはたっぷりのバターとにんにくでムニエルに、余ったマルアジのあらはグリルで焼き目を付けてから味噌汁にします。
PM 9:00 夕飯が完成!
左上から「マルアジのなめろう」「イトヨリダイのムニエル」「マルアジの刺身」「あらの味噌汁」です。新鮮でとっても美味しかったです。

塩屋ホステルには私のほかに、自動車の免許合宿で来ている学生さんが数人宿泊されており、皆さんフレンドリーですぐに仲良くなれました!夕飯を作りすぎたので一緒に食べていると、魚釣りにも行ってみたいとのこと。散歩がてらみんなで夜釣りに行くことになりました♪

PM 11:00 免許合宿の教習生たちと阿久根港へ夜釣りに。みんな大学1年生か2年生で、若さが溢れておりました。
ヨコスジイシモチ。さすが鹿児島、水温が高いのかテンジクダイ科の魚がたくさん釣れます。
愛知から来た子は捕まえたカニを放り込んで美味しそうなキチヌをゲット!
せっかくなので宿に帰って刺身にしましょう…♪♪
楽しんでくれて何より!
AM 1:00 宿に帰って半身を味見 ♪
甘くて脂ものっていて、みなさん大絶賛でした。釣ってくれてありがとう~

~3日目 定置網&食堂のお手伝い~

いざ定置網へ、珍しい魚がたくさん!

AM4:00 深田漁港に集合し、定置網体験へ

船に乗せて下さった野村耕二郎さん。26歳の凄腕若手漁師です。とても気さくな面白い方で、頼んでもいないのにお嫁さんに毎日自慢しているという筋肉を披露して下さいました。
耕二郎さんは小型の定置網(いわゆるつぼ網)を一人で操業しており、獲れた魚は主に実家が経営するレストラン「海盛丸食堂」で提供しています。ちなみにお父様とご兄弟はまき網船をされているそう。
網に入った魚はすかさず船の生け簀に。私は選別の作業(逃がす魚、氷締めにする魚、活かす魚に分ける)をお手伝いしました。この時期のメインターゲットはコノシロで、他にも色んな魚種が入網していました。
生け簀から魚を掬って選別していきます。
シュモクザメの子供なんかも入ります
クロホシマンジュウダイ、耕二郎さんも人生で2回目という珍客です
たぶんリュウキュウヨロイアジ、南方系の魚もたくさんいます
一番驚いたのはこの子、2020年に新種記載されたばかりの「モノノケトンガリサカタザメ」です!長い名前ですね(笑)

【参考文献】「日本から得られたサカタザメ科の 1 新種 Rhynchobatus mononoke および Rhynchobatus laevis の分類学的知見,小枝 他(2021)」https://www.fish-isj.jp/publication/research_j/IR68-2.pdf      
水族館でもなかなか見られない貴重なサメ。本当に感動しました。活かしておけば水族館が引き取ってくれると思いますが、漁があるのでこの子はリリース。また会えるといいな♪
生け簀の魚は一匹ずつ網で掬って、脳締め、血抜き、神経締めという丁寧な処理を施していきます。(写真はイケカツオの血抜き)
獲れた魚全てにこんな丁寧な処理を行っている漁師さんは、全国探してもなかなかいないと思います。少量多魚種を生きたまま漁獲できる、小型定置網だからこそなせる技かもしれません。
脳締め、血抜き、神経締めの一連の作業も下手っぴながらお手伝いさせて頂きました。なかなか神経が見つからず難しかったです…(写真はヨメヒメジ)
AM 6:00 作業終了!これから軽トラに魚を積み込んでレストランの準備に向かいます!
AM7:00 ご実家が営むという「うずしお館 海盛丸食堂」に到着。耕二郎さんとお母さま、奥様、妹さんが協力して開店準備をされていました。
(海盛丸食堂のインスタ➡ https://www.instagram.com/uzushiokan2002/
AM8:00 少し休憩してお手伝い開始
魚種と重量もきっちりと管理。魚によっては数日間熟成させて、旨味と脂が回った最高の状態でお客様に提供しているそうです。
AM11:00 私も一応魚は捌けますが、本職の方とはスピードもクオリティも雲泥の差です。お手伝いとは言いつつも営業の邪魔になってはいけないので、なにか自分なりの形で貢献できないかと思い、お店の看板を描かせていただきました。その日定置網で獲れた魚と、解禁されたばかりのイセエビです♪
AM11:30 ありがたいことに、お昼まで用意して下さいました。朝獲れた魚をふんだんに使ったスペシャルな刺身定食、信じられない美味しさです。ちなみに中央のつけあげは毎朝お店で揚げていて、ふわっふわで最高でした。魚好きの自分にとって、お世辞抜きで人生最高のランチ定食です。
せっかくなのでお刺身の解説を…上列左上から、熟成ヒラスズキ、ネリゴ(カンパチの幼魚)、コノシロ酢締め、ガンゾウビラメ、中段左の赤身がイケカツオ、中央がヒラの糸造り、その横がタバメ(ハマフエフキ)の炙りとヨメヒメジの炙り、下段がアオリイカとアイゴの炙り。総勢10種類の地魚盛りです。こんな贅沢があっていいのでしょうか…どれも美味しいですが、特に熟成ヒラスズキと酢締めのコノシロが最高でした♪ 

海盛丸食堂のみなさん、何から何まで本当にありがとうございました!

午後はSUP体験!

PM 3:30 かじかじさん、ももちゃんと合流してまささんのSUP体験に参加!最初は恐る恐るでしたが、SUPは思ったより安定していて、すぐに立って漕げるようになりました!
PM 4:15 秘密の入り江でコーヒータイム♪ 
PM 5:00 SUPの上からルアーを投げてみると、小さなカサゴやクサフグ、メッキ(ギンガメアジの幼魚)が遊んでくれました♪
PM 6:00 SUP体験終了。想像以上にめちゃくちゃ楽しかったです!「ただ板の上に乗って何が楽しいんだ」と思っていた過去の自分を簀巻きにして深海まで沈めてやりたいですね!まささんありがとうございました!

ぼんたん湯~居酒屋あまみ~今晩も夜釣り

PM 7:00 海に浸かったあとはやっぱり温泉!「ぼんたん湯」へ
(ふれあい温泉ぼんたん湯 https://www.kagoshima-onsen1010.net/sento-map/akune/post-6.php
PM 8:00 のんちゃんおすすめの居酒屋「あまみ」へ
(味処あまみ https://www.kagomaga.jp/?p=6863
もう言うことはないです。こういうお店は間違いないですね。
やっぱり締めは鶏飯♪
PM 11:00 夜釣りでは捕まえたカニを流して、ももちゃんが大きなクロダイをゲット!
明日も早いので早々に納竿します。
PM11:30 宿泊は今日からイワシビル。イワシビルは1階がお土産屋さん兼カフェ、2階が加工場、3階が宿になっています。自炊はできませんが、とにかくオシャレです。
(イワシビル https://iwashibldg.jp/

~4日目 阿久根の水産調査 水揚げから仲買、小売りまで~

阿久根漁港の競り見学~謎の魚「らっぱ」の正体が明らかに!~

突然ですが、みなさんは海で獲れた魚がどのように食卓まで届いているかご存知でしょうか?
日本における水産物流通の一般的な構造は下の図のようになっています。

出典:水産庁ホームページ https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/r03_h/trend/1/t1_2_7.html 

阿久根では産地と消費地が近いので、地元の水産物は消費地卸売市場を通さず、ほとんどは以下のように流通します。

昨日の海盛丸さんは例外で、漁業者と小売業者が一緒になった営業形態です

4日目の午前は、上の流通の流れの中では買受人にあたる、浜崎魚類の浜崎さんに、買受人の仕事を通して阿久根の水産業を案内してもらいました!

AM 5:50 浜崎さんと合流し、水揚げを見学。
選別台などは漁協の設備ですが、基本的に水揚げまでは漁師さんの仕事です。(写真はまき網船の水揚げ)
ウルメイワシがたくさん
AM 6:10 少し離れたところでは棒受け網船の水揚げが。手伝っている方は、漁師さんの奥様や親戚の方など。阿久根漁港では漁業種類ごとに水揚げ場が3つ(まき網の水揚げ場、棒受け網の水揚げ場、それ以外{底曳網やごち網など}の水揚げ場)に分けられています。
AM 6:30 競りの見学。阿久根漁協(北さつま漁業協同組合阿久根本所)が競りを開催し、買受人や一部の小売業者(A-Zなどの大型スーパーのバイヤーさんや飲食店の方)が魚を競り落とします。
競りには入札の権利を持っている業者しか参加できません

ラッパがいた!

場内をうろうろしていると「ラッパ」という文字を発見!
なんと、「ラッパ」とはコショウダイのことでした!コショウダイは関東でもよく見かける美味しい魚。これで初日に食べた謎の魚の正体が分かりました。ちなみにどうして「ラッパ」と呼ばれるのか、その由来は誰に聞いても分かりませんでした。
AM 8:00 浜崎さんの職場へ移動。競り落とした魚を小売店ごとに分けていきます。競りでは水産物は基本的にキロ単位で扱われます。小型スーパーのような多品目を少量ずつ仕入れたい小売店では、自分は競りに参加せず、代わりに目利きのプロである買受人さんにオーダーメイドの鮮魚ボックスを用意してもらいます。これにより、人件費や箱代、氷代などの無駄な出費を抑えつつも、必要な量の魚を確かな質で確実に手に入れることができるのです。これが、買受人の存在意義の一つです。
とにかく魚種が豊富。数えてみると、この日だけで34種類もの魚介類が取り扱われていました。(写真はマダイ、イサキ、オニカサゴ、イシガキダイ、カイワリ、オキナワキチヌ、イトヨリダイ)
小売店の希望に合わせ、内臓を出したり、おろすこともしばしば
棟上げ式用の鯛までありました。わら編み専門の職人さんが仕上げるそう
AM 8:30 続々と小売店さんが魚を引き取りに
AM 9:30 仕事がひと段落し、浜崎魚類さんの倉庫と街中を案内してもらいました。これぞ港ではたらく漢、佇まいがかっこいいです。浜崎さん、お忙しい中ありがとうございました!

ここで浜崎さんとはお別れし、私とかじかじさんは鮮魚を追って小売店を目指します。

AM 10:00 スーパー巡り開始
阿久根産の魚がパックに詰められて並びます
どのスーパーも鮮魚コーナーは大盛況。僕も近所にこんなスーパーがあったら絶対毎日通っちゃいますね。

これにて午前中の活動は終了!阿久根の水産業への解像度がぐっと高まりました。

AM 11:50 お昼はA-Zの食堂でBセット(税込600円)を注文!ラーメンに餃子、ライスまでついてこの値段は破格です

午後のライトゲーム

かじかじさんと別れ、午後の自由時間は一人で魚釣りに。
どうやら僕は魚を釣らないと死んでしまう病気に罹っているようです…

PM 3:00 良さげな河川を見つけ、ルアーを投げると早速小さなメッキが
自作ルアーではかわいいコトヒキちゃん
こちらも自作ルアーでクロダイの幼魚。毎投何かしら釣れるので楽しいですね♪
橋脚の影を狙うとクロホシフエダイの幼魚が
メタルジグにはかわいいクサフグちゃん
PM4:30 交流会があるので後ろ髪を引かれつつ納竿

地元のプレイヤーたちとの交流会

PM 5:00 地域おこし協力隊第1期生である石川さんの営む港町珈琲焙煎所で、阿久根で活躍されている方々の交流会に参加させて頂きました。阿久根市の職員の方から、漁業関係者、水産加工会社の社長さんまで、色んな方とお話できました!特に棒受け網の漁の時間帯が丸干しの質に関係するというお話が非常に面白かったのですが、書き出すと終わらないのでやめておきます。
(港町珈琲焙煎所 https://www.instagram.com/porttown_coffee_roasters/ )
具だくさんのパエリア。石川さんの作る料理はどれも絶品です
ヨコワ(マグロの幼魚)の刺身サラダと唐揚げも最高でした
モクズガニのブイヤベース食べたかったな…

~5日目 長島の漁港見学&水産加工体験~

逸人さんと長島の漁港見学

AM 5:50 さるがく水産の社長、猿楽逸人さんに連れられ、長島の東町漁協魚市場へ。ちなみにさるがく水産さんも買受人にあたります。
長島は養殖業が有名。ブランドの鰤王やカンパチ、マダイの出荷を見学しました。
出荷用生け簀の網を上げ、1尾ずつタモで掬います。タイは仕切りのついた特殊なケースに入れられ、活魚車に積み込まれていきます。
AM 6:30 海には一面、養殖場が広がります。近年は赤潮による被害がひどく、赤潮保険まであるとか。
AM 7:00 市場内に続々と魚が並べられていきます。長島では底曳網や定置網など、天然魚を対象とした漁業も盛んに行われています。
AM 7:30 天然魚の競りが始まりました。 
買受人はこの札にチョークで値段を書き、競り人が一番高い額を提示した業者の番号と金額を読み上げます。
競り落としたカゴの傍には、忘れないよう番号を書いておきます。これはさるがくさん(37番)が競り落とした印です。
本人が分かればいいんです。こうしたら37に見えるでしょ?
AM 8:10 活魚の競りは和気あいあいとした雰囲気、みなさん長年の知り合いで、冗談が飛び交っていました
AM 9:30 さるがく水産の加工場に戻って来ました
AM 9:35 活魚車で運んできた魚はお父様が神業で絞めていきます

誠人さんと加工体験

AM 9:40 加工体験は弟の猿楽誠人さんにバトンタッチ。誠人さんは帝国ホテルからの内定を蹴るほどの凄腕料理人です。余談ですが、かっこいいバイクと86を所有しているそうです。
さるがく水産さんは買受人にもかかわらず、魚の下処理や、ときには刺身にまで加工して小売店に販売します。ドラッグストアや道の駅など、調理場のない小売店でも魚を売りたいというニーズに答えているそう。これには目からうろこでした。
そういえば、初日に道の駅で見たお刺身もさるがく水産さんが加工したものでした!
鱶(ふか)の湯引きを食べたことがないと言ったところ、せっかく来たんだからと誠人さんが作って下さいました。鱶とはサメのことで、湯引きにはシロザメやホシザメが用いられるそうです。
鱶は熱湯にくぐらせた後急冷し、表面のサメ肌をタワシでこそぎ落とします。
サメ肌をこそいだ鱶の身は皮ごと細かく切り、今度は塩水で茹でて完成です。
茹でたてを味見させて頂きました。ほわほわでめちゃくちゃ美味しい!
一晩冷蔵庫で寝かしてコラーゲンが固まったところにからし酢味噌をつけて食べるとさらに美味しいそうな。今度サメが釣れたらやってみよう…
刺身の切り方と盛り付け方も教えて下さいました。
PM 0:10 自分で切った刺身を昼ごはんに。奥様が養殖サバのみそ焼きも出して下さいました。脂ノリノリでとっても美味しかったです。本当にありがとうございます。
最後に加工場の前でパシャリ。大変お世話になりました!

最後の釣りへ

最終日はあまり時間がないので今日で釣り納めです。
昨日爆釣したポイントへ

PM 3:00 早速スプーンでコトヒキが
ぷくっとフグたん
銀ピカのクロサギさん
かっこいいキチヌさん
PM 4:40 ちょっといいサイズのロウニンメッキが釣れたので、これにて釣り納めにしました。

誠人さんときみよし温泉へ~自慢の愛車にも乗車!?~

PM 5:08 きみよし温泉の駐車場で待っているとブロロロロという轟音とともに愛車に乗った誠人さんが登場!かっこよすぎませんか...
PM 5:10 番台には知っている顔が…それにしても似合いすぎじゃないですか?しおしーさん
(きみよし温泉 https://onsen.unknownjapan.co.jp/article/2016/07/21/04
PM 5:50 入浴後、せっかくなので後部座席に乗せてもらって町を一周。風が気持ちいい…ヘルメットしてるから髪は乾かないけど。
PM 6:10 愛車の86にも乗せて下さいました。車はめっちゃいかついのに優しすぎます。ギャップ萌えってやつですね。

お寺ヨガで身も心もノビノビに

PM 6:45 明信寺でヨガ体験。人生初でしたが、呼吸を整え全身を伸ばすことで非常に体が楽になりました。たぶん釣りに行くよりも寿命が延びると思います。
PM 10:00 最後の晩餐。ヨガで健康になったので、鳥刺しを食べてもカンピロバクターに勝てる気がします。冷凍パウチなんだから関東でもスーパーで鳥刺し売ってくれないかな…
PM 11:30 最後の晩は3人で花火を楽しみましたとさ

~6日目 最終日~

AM 7:35 ずっと食べたかったイワシビルの朝食。シンプルだけど、日本人に生まれてよかったと感じさせてくれます。心なしか穏やかな気分です。昨日のヨガのせいでしょうか。

絶景の佐潟へ

AM 9:40 のんちゃんの素敵な運転で佐潟へ。海が綺麗です。
AM 9:45 長年の浸食で不思議な形になった岩が。名前はまだないとのことなので、「うみうし岩」と名付けました。
AM 10:00 カタバミの花が映えますね
AM 10:05 明らかに藪なのに道があると言い張るのんちゃん。仕方ないのでついて行きます。
AM 10:07 やや!藪から人が
AM 10:30 渋々山道をついて行くこと30分、突然目の前が開けました!
疲れが吹き飛ぶような最高の眺めです!のんちゃん疑ってごめんなさい…
AM 10:35 イボイワオウギガニを捕まえました🦀

お土産購入~再び海盛丸食堂へ

AM 11:50 お土産を買いに産直まるじゅへ(https://hashi-corp.net/service/sanchoku/
なんだか見覚えのある顔が…
AM 12:45 お昼はご挨拶もかねてお世話になった海盛丸食堂を再訪!
こんなに魅力的な日替わり刺身定食があるでしょうか
PM 1:00 刺身定食(1250円)このクオリティーとボリュームでこの値段は安すぎます。どれも美味しかったですが、特にアイブリの刺身が脂と甘みのバランスが良く、アジ科特有の爽やかな香りもあって極上でした。
ヤンニョムコノシロ(380円)考えた人天才です。揚げることでコノシロの小骨も気にならないし、甘辛いタレとふわふわのコノシロが合わさって、お米が止まりません!ダイエット中なのに白米おかわりしちゃいました…
PM 2:30 まき網で獲れたという秋太郎(バショウカジキ)も見せて下さいました。
最後にみんなで記念撮影!また絶対帰って来ます!
PM4:00 阿久根駅前の地域おこし協力隊の事務所でさいごのまとめ。6日間の振り返りと阿久根のこれからについてディスカッションを行いました。
また来るね

まとめ

スケジュールみちみちで充実した6日間でしたが、終わってみるとあっという間でした。SUPやヨガ、陶芸など、アクティビティーはみんな人生初の体験でしたし、職業体験では流通の流れに沿って、体系的に阿久根の水産業を理解することができました!
今回一番の収穫は、仲良しの漁師さんができたことです。3日目にお世話になった海盛丸の野村耕二郎さんは歳も近く、共通の知人?もいて、すぐに仲良くなることができました!

今でも珍しい魚が捕れるとLINEで写真を送って下さいます。

私は普段趣味で魚のキーホルダーを作っており、時期は未定ですが今後阿久根で個展もさせて頂く予定です。(https://www.instagram.com/puraban_fish/profilecard/?igsh=MWxjZGxjcnU5dmF6MQ== )実は今回のワーケーションプログラムも、個展の下見を兼ねてお誘い頂きました。6日間の滞在では、まだまだ阿久根のことを知りきれていません。次回個展で伺う際は、阿久根のよりディープな部分を探りたいなと思います!
とくにキビナゴ・ウルメイワシの棒受網漁と、タカエビの底曳網漁はぜひともこの目で見ておきたいので、また違う時期に訪問できたらなと思います。

最後に、プログラムを企画して下さった阿久根市地域協力隊の皆様、市役所の方々、最高の体験を提供して下さった地元プレイヤーの皆様、一人だけ男子である僕を快く輪に入れて下さったかじかじさんとももちゃん、みなさんに本当に感謝です。ありがとうございました!



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