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Intersound IVP

はじめに

こんにちは。Takumiです。
ギター用アンプや機材の紹介記事を書いています。
今回はIntersoundによるIVPを紹介してみたいと思います。

主要スペック

フロント
バック
  • モード数 :2

  • インプット:2

  • コントロール (共通):GAIN, LO/HI SW, TREBLE, BASS, PARAMETRIC EQ×4,
    MASTER  
    (チャンネル):TUBE, CLEAN, TUBE/CLEAN SW

  • エフェクトループ:PRE VOICE EFFECTS LOOP, POST VOICE EFFECTS LOOP

  • アウトプット:MAIN OUT, -10dB OUT, BALANCED OUT 

  • スイッチ端子:TUBE/CLEAN 切り替え

  • サイズ:2U

  • 電源:AC117V

特徴&音作りのポイント

Intersound IVPについて

このプリアンプおよびIntersoundというメーカーについてはかなり情報が少なく、正直私も詳しくはありません。
ギター及びその他多数の電子楽器に対応するラック式プリアンプとして、1978年に初期型が発売され、何度か多少のデザイン変更がされています。
超ながーいジャムライブパフォーマンスで有名なGrateful Deadやオルタナ界の伝説的ギタリストSteve Albini等に使用されて有名になりました。
今でもオルタナ、サイケ系のギタリスト、ベーシストを中心に人気があり、ペダルタイプにリメイクされたものもいくつか発売されています。

面白い回路デザイン

そんな謎が多いプリアンプですが、現代においても比較的珍しい回路を色々と搭載しています。
今回はざっくりと紹介するにとどめますが、とても面白い回路なので、次回こちらのIVPの回路解説の記事を書きたいと思います。
少し専門的な内容になりますが、興味がある方は是非ご覧下さい。
https://note.com/takumi_guitar/n/n7e8a855a1996

Tube Voice circuit

特徴的な回路の1つ目は"Tube Voice Circuit"とマニュアルの中で説明されている部分です。
この回路はTUBE/CLEAN SWをTUBE側にするとONになります。
IVPはオペアンプとトランジスタを使用した、いわゆるソリッドステートのプリアンプなのですが、その中で真空管アンプの歪みをシミュレートしているのが、このTube Voice Circuitです。
この回路の心臓部には小型のトランスが使われていて、過大入力でトランスを飽和させることによって歪みを発生させています。
気になったので自分で実験してみましたが、歪みの大部分はこのトランスによって生み出されていることを確認しました。
(GAINを上げるとこれ以外の部分のオペアンプでも多少歪むようです)
果たしてこれが真空管っぽい歪みかと言われるとうーんという感じですが、ザラザラ、ジャリっとした独特な歪みであることは確かです。
この独特な質感が今でも愛されているのだと思います。

Baxandall EQ

2つ目はBaxandall EQです。
回路的には順序が逆になりますが、GAINの次に並んでいるTREBLE&BASSの部分になります。
アクティブEQの一種で、どちらかというとスタジオ用の機材やミックス&マスタリング用のプラグインなどに使われていることが多いEQです。
シンプルな2ノブながら効果的にトーンを調節することが可能で、高音域と低音域の増減はもちろん、TREBLEとBASSを両方絞ると相対的に中音域が出てくるというような感じになります。
少し専門的ですが、シェルビングタイプで、BASSは50Hz以下、TREBLEは10kHz以上を±15dBすることが可能です。
また、EQ回路自体についてではありませんが、IVP全体において、こちらのBaxandall EQはかなり手前の方、具体的には初段増幅の次に置かれていて、出音に大きく影響するEQとなっています。

4 Band Parametric EQ 

EQが続きますが、3つ目は4 Bandのパライコになります。
IVPには沢山のノブが付いていますが、その大部分がこのパライコです。
パラメトリックEQというのは、増減する周波数帯を調整可能なEQの事をいいます。
具体的にこのIVPでは、30Hz-240Hz, 100Hz-800Hz, 450Hz-3.6kHz, 1.2kHz-9.6kHzの4つの帯域幅からそれぞれ増減する帯域を下段のノブで調整し、上段のノブで±15dBすることが出来ます。
こちらのEQは上のBaxandall EQとは違い、ピーキングタイプで、選択した周波数をピンポイントで増減するEQになっています。
このパライコもまた、Baxandall EQの後、歪み回路の前に置かれていて、非常に良く効くEQとなっています。

2つのEFFECTS LOOP & 3つのOUTPUT

エフェクトループはTube Voice Circuit (歪み回路)の前と後にそれぞれ1つずつ用意されています。
一般的にはドライブペダルやブースター、コンプなどを歪みの前、揺れモノやディレイ、リバーブなどを歪みの後につなぎますが、オルタナ、シューゲイザー御用達のプリアンプなので、リバーブを歪みの前、コンプを歪みの後とかにつないでみたくなりますね。
アウトプットは通常のMAIN OUT、アッテネートされた-10dB OUT、トランスによってバランス変換されたBALANCED OUTの3種類が用意されています。 

サンプル音源

クリーン

クリーンセッティング

CLEAN側はかなりヘッドルームが高く基本的には歪まないです。
ソリッドステートらしいクリアな音質です。

クランチ

クランチセッティング

インプットゲインをLO側にしてTube Voice CircuitをONにしたセッティングです。
TREBLEを上げているので、ジャキッとした質感が出ていると思います。

ハイゲイン

ハイゲインセッティング

インプットゲインをHI側にしてTUBEノブを上げたセッティングです。
かなり歪んでいるものの、濁りの少ない不思議なサウンドです。
音の壁の様な歪みを作るのにはやはり向いていると思います。

おわりに

2種のEQの効きがかなりピーキーで、歪みの質感も独特な為、使いこなすまでに時間がかかる、上級者向けのプリアンプだと思います。
しかし、どのアンプとも違う唯一無二のアンプです。
見つけたらぜひお試しください。

繰り返しになりますが、次回こちらのIVPの回路解説の記事を書きたいと思っています。
より詳しくIVPの事を知りたくなった方は、ぜひご覧下さい。
https://note.com/takumi_guitar/n/n7e8a855a1996

以上、Takumiがお送りしました。お読み頂きありがとうございました。

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