プロダクト販売に使うECサービスはどれがいい? コーヒードリッパー開発秘話 #14
在庫品の処遇
前回で、クラウドファンディング目標188%を達成し、クラウドファンディングとしてはひとまず成功をおさめました。
このあと、実際はひたすら出来上がった製品と付属品に取扱説明書等を梱包し発送する・・・という地味な作業があったわけですが、クラウドファンディングの工程としてはすべてが完了した形です。
ただし、先行発注したために在庫が130個残ったという課題もあります。
これらをどうするか?という選択肢では、ECサイトでの販売や自社技術プロモーションのための販促品として使うなどなどいろいろな選択がありますが、今回はあくまでも「販売する」という選択となりましたので、ECサイトでの販売をするために情報収集をはじめました。
このときどのサービスを使うべきか?というリサーチをした結果を共有します。
EC販売サービスの条件
当然ECと言えば、Amazonや楽天市場が有名です。
これらのサービスに載せられれば、たまたま検索でヒットしただけでも購入してくれる確率は高くなります。
ただし、じつはこれら大手は毎月固定費がかかります。
売れる場所を提供しているため、当然のコストです。
ちなみに、EC販売の際に考えなければいけないのは、つぎの要素。
①1個販売した場合の利益
②ECサービスの手数料
③ECサービスの固定費
④販売予測
⑤ECサービスの集客力・販売力
大手サービスでは⑤販売力が強いため販売数が増えれば利益が出ますが、逆に販売数が少ないと③固定費という面が重くのしかかる、ということです。
細かい数字は伏せますが、今回のコーヒードリッパーの場合、①利益の部分や④販売予測でそこまで数が出るという確証がなかったため、極力③固定費がかからないサービスがベターという判断になりました。
最終的に今回決めた条件は、極力③固定費がかからないもので、②手数料が安く、可能な限り⑤集客力があるサービス。
これを条件にサービスを選定していきました。
固定費のかからないECサービス比較
固定費がかからないサービスというだけで当時は3社ありましたが、使いやすさや手数料などの兼ね合いから、最終的に残ったのはBASEとSTORESでした。
■BASE
月額 0円~(有料プランあり)
手数料合計 6.6%+40円
デザインテンプレート 11種(有料あり)
スマホアプリ 〇
※2021年11月時点
■STORES
月額 0円~(月額プランあり)
手数料合計 5%
デザインテンプレート 48種
スマホアプリ ×
※2021年11月時点
いずれも、Amazonや楽天市場のような独自の検索プラットフォームは基本的にないサービスとなりますので、プラットフォーム自体の⑤集客力や販売力は期待できません。
つまり、結局は集客は自社でやらなければいけないということです。
こうやって比較してみると②手数料はSTORESの方が安いのですが、もともと発信力がないということからクラウドファンディングをはじめ、その過程でも発信力のなさを痛感したわたしたちには、少しでも⑤集客力がほしい、というのが本音です。
そういう点ではBASEは独自のスマホアプリがあってアプリ内で検索すればいろいろな商品が見れるので、大手には劣りますが若干の集客力が期待できます。
ということで最終的にはBASEを選択し、ECサイトを立ち上げることになりました。
公式Webサイトにバナーを貼ったり、Makuakeのプロジェクト掲示板にEC販売開始の案内はしているものの、ちゃんとしたプロモーションは行っていません。
ただ、今回このnoteで開発秘話を載せることで、若干なりともプロモーションができていることを願います。
ありがたいことに、このnoteのおかげかはわかりませんが、最近では数日中に2個の売り上げがありました。
実際にこうやってプロモーションすることの重要さを体感しています。
ご購入いただいた方、本当にありがとうございます。
そして、クラウドファンディング開発秘話はこれでいったん終了です。
ただ、ここまでは本編のお話。
次回からは、数回に分けてコーヒードリッパー開発&クラウドファンディングという発案にいたったきっかけ編をお送りします。
コーヒードリッパー開発、クラウドファンディングという発案に至った実際のきっかけと、応用可能なアイデア創出法の話を予定しています。
おたのしみに。
▼BASEで立ち上げたECサイトはこちら▼
▼今回行ったクラウドファンディングページはこちら▼
▼連載リンク▼
▽本編▽
#1 閉塞感から始まったコーヒードリッパー開発
#2 ひとつめの落とし穴
#3 科学的な味の追及方法
#4 クラウドファンディング出品ではどのサービスがいいのか?
#5 プロダクト開発で問われる〇〇力
#6 カンタンにユーザーの声を集計する方法
#7 プロトタイプのチカラ
#8 デザインに"賭ける"のはコストの無駄遣い
#9 素人とプロの違い
#10 食品プロダクトの壁
#11 プロモーションがもっとも効果をあげるタイミング
#12 達成率95%と29%のボーダーライン
#13 設定ミスで失ったメリット
#14 プロダクト販売に使うECサービスはどれがいい?(本記事)
▽きっかけ編▽
#2 -1 きっかけとなった派生品開発プロジェクト①
#2-2 きっかけとなった派生品開発プロジェクト②
#2-3 きっかけとなった音声メディアの言葉
#2-4 体系化されているアイデアのつくりかた