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Appleだからできる、ロックイン戦略
Apple製品好きとしては、毎年楽しみにしている9月のApple Event。
今年は日本時間9/10に行われました。
近年、あまり大きな進化はないスマホ業界ですが、iPhoneも同様で、目を引く驚きの新機能はありませんでした。
ただし、今年春から名言していたAIの搭載について触れられていたので、今後AIが搭載されたiPhoneの進化は楽しみなところです。
そんななか、去年同様、わたしが気になったのが、MagSafe充電機能。
ここから、Appleの戦略を少し紐解いていきます。
純正品を使うともっと早い!
去年のiPhone15では、Qi2規格のリリース前から「Qi2対応」と明言していましたが、iPhone16はQi2対応はもちろんのこと、なんと「純正充電器なら25W充電可能」というさらに上を行く発表がありました。
Qi2の最大出力は15Wなので、Qi2に対応しながらも、「純正ならもっと早く充電できまっせ」というApple純正充電器ユーザーにはうれしい上乗せアップデート。
去年Qi2が発表されて、「純正は高いから、Qi2対応のサードパーティー充電器が安く出回ればうれしいなー」と思っていたのですが、結局、またApple認証をとっている充電器のみ優遇されるApple経済圏を作ろうとしているようです。
このような戦略を、「ロックイン戦略」と呼びます。
気が付くと囲まれている
ロックイン戦略とは、ユーザーを自社の製品やサービスに囲い込み、他社製品への移行を難しくすることで、長期的に安定した売上を確保する手法のこと。
今回のMagSafe充電機能はその典型で、Apple純正の充電器を使うことでより高い性能が得られるのでユーザーは純正品の購入を検討する・・・というわけです。
ロックイン戦略の魅力は、単なる製品の売り込みではなく、エコシステム全体を通じてユーザー体験を向上させる点にあります。
Apple製品同士のシームレスな連携やデザイン性、信頼性の高いサポートなどがその好例です。
つまり、「Apple製品を使う限り便利さと安心感があるけど、一歩外に出ると途端に面倒が増える」
という巧妙な囲い込みがあるということです。
Appleのロックイン戦略は、ハードウェアだけに留まらず、ソフトウェアやサービスにも広がっています。
たとえば、iCloudによるデータのバックアップや共有、Apple MusicやApple TV+などのエンターテインメントサービス、さらにはApple Payによる決済機能まで、ユーザーは多岐にわたるサービスを享受できます。
こうしてユーザーが一度Appleエコシステムに入ると、簡単には他のプラットフォームへ移行しづらくなる構造が作られているのです。
つまり、これらさまざまなエコシステムをしっかりと作り上げてきたAppleだからこそできる戦略、というわけです。
壁のある便利さか、不便な自由か
でも当然、このようなAppleのロックイン戦略には批判もあります。
他社製品との互換性が制限されるので、ユーザーが自由に選択できる範囲が狭くなってしまうからです。
それに、サードパーティ製品が同様の性能や品質を持っていても、Appleの認証がないというだけで利用を制限されることもあります。
少し前もあった、Appleの認証がとれていないと「このアクセサリは使用できない可能性があります」という表示が出ていたLightningケーブルがこれ。
こうしたやり方で、消費者は認証がある高価な製品や純正品を選ばざるを得ない状況に追い込まれている、というわけです。
今回のMagSafe最大25Wについても、Lighitningケーブル同様に「Appleの認証がとれたものだけ最大25W」という形になる可能性が高いかもしれません。
言ってしまえば、ロックイン戦略は、少しお金を払えばその中で高品質な乗り物が便利に楽しめるテーマパークのようなもので、この逆は、低品質の遊具が少しだけあって、あとは持ち込み自由で遊び方も自分次第の近所の公園のようなものかもしれません。
どちらかではなく、「連休はテーマパークに行きたいけど、ふだんは近所の公園で遊びたい」、「デジタル機器はできるだけスムーズに連携させたいからAppleで」、「デジタル機器はあまり使わないからとにかく安いものでいい」など、タイミングや趣味嗜好によって、それぞれが良い方を選択するものということです。
個人的には、このAppleエコシステムの良さ・便利さの恩恵をかなり受けているので、囲い込まれていることを知りながらも、このままロックインされていこうと思います(笑)。
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