5Gの影で普及する空飛ぶ移動通信
最新のiPhoneでは、衛星通信を使った緊急通報サービスが使えます。
緊急通報サービスにテキストメッセージを送ったり、ロードサービスを手配したり、自分の居場所を友人や家族に知らせたり・・・。
じっさい、こういった機能で「助かった」という人の話題は日々増えて来ています。
と言っても、現時点(2024年1月時点)ではまだ日本で使えないのですが、今回はこの「衛星通信サービス」の今と未来についてお話しします。
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衛星通信ってなに?
衛星通信サービスは、わたしたちがふだん使っているスマホの通信と違うところがあります。
モバイル通信
現在のモバイル通信は、基地局と呼ばれる設備を使ってデータをやりとりしています。
基地局は、電波を発信・受信する設備。
鉄塔やビルの屋上などに設置され、一定のエリアをカバーしています。
つまり、スマホは、基地局から送信された電波を受信して、通信を行っているということです。
衛星通信
衛星通信は、モバイル通信と違って、地上の基地局の代わりに低軌道周回衛星を利用しています。
これは、一般的な衛星(上空約36,000km)よりも低い軌道で地球を周回していて、衛星からの信号がより直接的に地球上のデバイスに届きます。
基地局を置いておけない海洋や人が少ない山岳地帯など、従来のモバイル通信ではカバーが難しい地域での通信で、この衛星通信は大きな効果を発揮します。
実際に衛星通信を提供する企業
Globalstar
衛星通信サービスを提供している企業と言えば、iPhoneの衛星通信サービスで使われている「Globalstar」。
おもに法人向けにサービスを提供していて、地球表面の約80%という広範囲のカバー率を謳っています。
この広範囲のカバー率により、多くの地域で緊急通報サービスなどが利用可能になることが期待されるサービスです。
Starlink(SpaceX)
そしてもうひとつ有名なものが、イーロン・マスクのSpaceXが提供する「Starlink」。
Starlinkも法人向けや自治体向けにサービスを提供していますが、じつはわたしたちの住む日本でも、気軽に個人で契約できるプランも提供しています。
(初期費用55,000円、月額6,600円と高額ですが・・・笑)
ちなみにこのStarlinkは、じつはKDDI(au)と提携しています。
山岳地帯などいままでの基地局が設置しにくい場所のバックボーンの通信として使われているので、auのモバイル通信を使っている方なら、じつは知らないうちにお世話になっている・・・ということもあるかもしれません。
日本の未来を支える衛星通信
最近は、5Gの普及や6Gなど通信スピードの話題が多いですが、通信できるエリアを増やしてくれるこの衛星通信も、重要なポイントです。
イニシャルにもランニングにもコストがかかる基地局設置の問題、基地局が設置しにくいエリアでの通信インフラ整備、新興国での通信インフラ整備・・・。
そして、あらゆるモノをインターネットにつなげるIoTサービスの普及にも、この衛星通信が重要な役割を果たします。
IoTは、ふだん人がなかなか行かないけれどわたしたちの生活にかかわる設備の遠隔監視で活躍するからです。
人口が減少している日本では、当然ながら労働人口が減ってきます。
つまり、これらの設備にIoTサービスを導入し省人化を進めていくことは、至極当然な流れです。
日本の未来を支えていくこの衛星通信について、しっかりと情報をキャッチアップしておく必要がありそうです。
▼空飛ぶ移動通信後編▼