難しい英文
難しい英文、ありますよね。あります。「ん!?なんだ???」ってなるような奇妙キテレツに感じられる文や、「あー、これね、苦手なんだわ、ものすごいじっくり考えないとわかんない」となるような文まで、色んな難しい文があります。
結局は、英文はこの形のバリエーションなはずなんです。
主語 + 動作 + 動作に一番関連する言葉 + その他の情報
I want a big pizza from Domino's tonight. とか。
難しい文っていうのは、この形を乱してくるものだったり、どれがどの要素なのかがわからなくなるようなトリックがあったりするんですよね。
例えばこんなんどうでしょう。
They have to this day been very loyal fans.
最初から読んでいくと、They have toで 彼らはしなければならない、みたいに見えますが、this day で 「え?」ってなりますよね。
で、うーん、beenがあるよなぁ、過去分詞、完了形か? とても忠実なファンであり続けた、か。じゃあこの真ん中の to this dayってなんだ?
こんな感じになりますよね。
実はこんな、パッと見ただけでは意味がわからないけど、じっくり色々考えればなんとかわかりそう、っていう難しい文を読み解く過程って、結構大事だと私は思ってます。ていうのは、書いた人は伝えたい気持ちがあってその文を書いたわけですから、絶対読み方に正解はあるんです。こういう難しく感じられる文についてしっかり考えることは、英語から気持ちを読み解くためのとても良い訓練になると私は思ってます。
さて、お題に戻って、実は to this day は「今日に至るまで」という意味の表現です。よく見たら日本語と同じですよね、この日へ、この日までずっと。これがあんな意地悪なところに置いてあるからわかりづらくなるんです。わかりづらいのはそうなんですが、少しストーリーを妄想で肉付けして声に出して言ってみると「初めてのコンサートで出会ってから、彼らは、20年後の今日にいたるまで、忠実なファンでいてくれたんだ」っていう気持ちを、ゆっくり力を込めて言う時、
They have, TO THIS DAY, been very loyal fans.
っていうふうに、この位置に挿入されることもあると思うんです。こういう血の通った文ほどイレギュラーなところに挿入があることが多いと思います。「わかりやすい」英文の形では強調したい部分が協調できないっていうときに、要素を並べ替えて強調や気持ちを明確化したりするわけですね。
もう少し例をお見せしたいんですが、パッと出てこないのでとりあえず今回はこの例ひとつで勘弁してください :) また興味深い難しい文を見つけたらご紹介したいです。
ちなみに、読んでいる人がよっぽど頭をひねらないとわからないような文が一番よく見られるのは、ジャンルとしては詩だと思います。韻を踏むために文の要素の順番をバラバラにするので、詩のテーマや行内の単語をよーく吟味しながら「えーと、この動詞は何にかかってるんだ?」とか本気で考えないと読み解けません。
じゃあ、実務的な文章ではそういう「難しい文」がないかというと、多くはないですがあります。メールとかでも場合によってはあります。「多くないならそんなに大事じゃないんじゃない?」と思うかもしれませんが、仕事では契約内容とか製造工程、要求とかに関わることが言葉で書いてあるんで、「よくわからんけどこの1文はそんな大事じゃないだろ」では流せないんですよね。
なので、根本の姿勢として大事なのが、「単語がわかればなんとなく意味はわかる」といういい加減な推測ではなく、「きちんと読み解いて、書いた人の気持ちが手に取るようにわかる」という感覚を目指して読むことだと私は思うんです。難しいと感じる文でもしっかり読み解くことを繰り返していくと、英語から気持ちを読み解く力が大きくなっていきます。
まとめ
・あらゆる英語の文は
主語 + 動作 + 動作に一番関連する言葉 + その他の情報
この形です。
・「難しい文」というのは、文の要素の並べ替えや、わかりにくい場所への挿入とかで、上の形に復元しにくいような文です。
・難しい文は、パズルだと思ってじっくり読み解きに取り組むことで、英語から気持ちを読み解く良い訓練になります。
・実務的な文章でもこういう文は少々出てきます。数は多くなくても「よくわかんないけどいいや」では流せないので、推測するのではなく、きちんと読み解く姿勢を育てていきたいですね。
今日はここまでにしましょう、ありがとうございました :)
PS. 「難しい文をスラスラ読めるのは翻訳家とかの専門家だけでいいんじゃない?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。確かに、「あらゆる文をバッチリ読み解けます、仕事ください!」と宣言するのは専門家の方々だけでいいです。今回のお話は、自分が出会った文で難しいと感じたものだけでも、じっくり読み解いていってほしいというものです。