絶望の果てに
絶望の果てに~田中拓馬~
この話は、今回の作品を描いた田中拓馬の軌跡の一部を分割して書いた話です。
旧司法試験を5年勉強して、2回受験しましたが、うまくいかず医者からも受験をとめられて、1年引きこもりになっていました。自殺を何回も考えていた、そんな絶望の中リハビリで絵を描いていました。
当時勘違いして、銀座の画廊でグループ展をしました。しかし来る人来る人、ほとんど画家さんばかりでした。どうして売れないのか、絵が下手だからか、色々考えました。もしかしたら、お客様とも出会えてないかもしれない、そんなことを漠然と考えていました。
当時浦和に通っていたため、画材やのユザワヤに行っていました。その道すがら、平成教育委員会に出ていた、数学オリンピックのピーターフランクルさんが路上でパフォーマンスをして、雑貨を売っていました。そこで、彼に「ここで売っていいんですか?」と聞いたところ、「大丈夫です」と言われました。そうなんだ、と思い次の日にシーツと紙に書いた画用紙に描いて売り始めました。一枚1000円でした。すると、値段が安いこともあり、物珍しいのも影響してか、片っ端から売れて、完売になるのでした。