洋服とわたし。そしてオールユアーズ。
洋服が好き。
そう感じたのはいつからだろう。
中学や高校までのわたしにとって、洋服は「着れれば」よかった。
母親が買ってくるものが嫌で、買い物に一緒に行って選ぶようになったけど、結局なにをきたらいいかなんて分からないから、いつも同じような物を買っていた。
よく考えたら、洋服を着る機会なんてその頃は本当少なかった。毎日制服だったし、部活やってたから土日もほとんど着なかった。
高校は寮だったし、生活はほとんど変わらない。強いて言うなら先輩のおさがりをもらう機会があったくらいか。
大学に入ると、洋服は「着飾る」ものに変わった。
雑誌を見て、同じものを買って着ていた。好きな子ができて、着飾った。バイト代はほとんど洋服に消えた。
そんな中で、人から洋服を褒められた。もちろん社交辞令だ。それでもその時の自分にとって嬉しかった。
それがわたしが「洋服が好き」と思った初めての瞬間だ。
その後は洋服をもっと多くの人に楽しんでもらいたい気持ちから、ファストファッションブランドへ就職。
この頃から自分にとって洋服は「売る」ものになっていた。
日常着も自社ブランドが多くなり、プライベートと仕事の境がなくなった。
そしていつしか楽しめなくなっている自分に気づいた。
その人に似合うかどうかよりも、いかに売るか。
自分が好きかどうかよりも、どれだけ流行っているか。
あれだけ私に楽しさをくれた洋服が、苦痛に変わっていた。
そんなときに、オールユアーズに出会った。
その服が誰が作り、どこで作られ、どう着てもらいたいか。
想いが詰まっていた。
決して流行っているものではないかもしれない。
永く着ていられる洋服。
生活中に溶け込み、さまざまな場面を快適にしてくれる洋服。
そんな服に一目惚れした。
今また洋服が好きだと言える自分がいる。
それでもあの頃に比べると洋服の量は4分の1ほどになった。
洋服を選ぶ楽しさは、着る楽しさに代わり、選ぶ時間は自分の大切な人と過ごす時間に変わった。
オールユアーズによって生活が変わり、モノの価格じゃない価値を感じられるようになった。
わたしは洋服が好きだ。
今も、これからも。