日本における、COVID-19に対するワクチンへの期待とハードル

ワクチン接種,12.05.2020

現在、海外から、COVID-19に対するワクチンの臨床試験の成果が続々と報告されている (1)。

現在まで、アメリカのCOVID-19に対するワクチンの第3相臨床試験の研究成果では、一人当たりの効果に関する有効性は高いと示されている (2,3,4,5)。これまで、動物向けのコロナウイルスに対する不活化ワクチンがある。犬の赤ちゃんへ接種する混合ワクチンの中に、コロナウイルスのワクチンが含まれている。

世界では、研究者や獣医師は、コロナウイルスに対する生ワクチンも不活化ワクチンに関する経験を有している。これらの経験より、世界中の研究者は、コロナウイルスに対するワクチンの有効性は高くないと考えていた。しかし、現在までの臨床試験の結果は、COVID-19に対するワクチンの高い効果を示している。

もし、日本でも、COVID-19に対するワクチンが承認されて、COVID-19に対するワクチン接種が開始された場合、高齢者へのワクチン接種が開始される。その後、他の人々にCOVID-19に対するワクチン接種が行われる。しかし、多くの人々が、SARS-CoV-2に対する免疫を有して、COVID-19の感染拡大を防ぐための集団免疫が成立するまで、日本においては、いくつかのハードルが存在している。

「副反応問題」日本での、子宮頸がんワクチンの苦い経験

日本における新規ワクチン接種に関する高いハードルは、副反応問題である。これまで、COVID-19に対するワクチンの様な世界中の人々が接種する新規ワクチンは、存在しなかった。世界中の人々が、COVID-19に対するワクチンを接種すると、絶対に人々に対して何かしらの精神的又は身体的問題が生じる可能性が高い。COVID-19に対するワクチンを接種による有害事象は、軽いものから重いものまであると予測される。今、日本の厚生労働省は、COVID-19に対するワクチンを接種による有害事象に対応するための新しいプロジェクトを立ち上げられている。

日本政府は、COVID-19に対するワクチンを接種による副反応に関するデータベースを準備しなければならない。日本の厚生労働省は、COVID-19に対するワクチンを接種による有害事象に関する因果関係を検討しなければならない。

日本の厚生労働省は、子宮頸がんワクチンに関して苦い経験を有している。そこで、日本の厚生労働省は、COVID-19に対するワクチンを接種による副反応に関するデータベースの活用が、COVID-19に対するワクチンの普及は必須である。

日本では、2013年4月より、小学校6年生から高校1年生の女子に対する子宮頸がんワクチンは公費による定期接種となっている (10)。しかし、マスメディアが、子宮頸がんワクチン接種後の体調不良をセンセーショナルに報道したため、日本政府は、子宮頸がんワクチン接種に対する積極的に推奨を中止した。そのため、日本は、新規ワクチンに関してとても後進国となっている (10)。

COVID-19に対するワクチンに関するマイナスな世論が形成された場合、マスメディアがその世論を強く報道することによって、その世論によって日本政府の政策が変更されてします可能性がある。そのような世論においても、エヴィデンスに基づく医学が踏ん張れるかが一つ正念場である。

Reference
1. Diamond MS, Pierson TC (13 May 2020). "The challenges of vaccine development against a new virus during a pandemic". Cell Host and Microbe. 27 (5): 699-703. doi:10.1016/j.chom.2020.04.021.
2. Le TT, Cramer JP, Chen R, Mayhew S (4 September 2020). "Evolution of the COVID-19 vaccine development landscape". Nature Reviews Drug Discovery. 19 (10): 667–68. doi:10.1038/d41573-020-00151-8.
3. "COVID-19 vaccine development pipeline (Refresh URL to update)". Vaccine Centre, London School of Hygiene and Tropical Medicine. 16 November 2020. Retrieved 16 November 2020.
4. "COVID-19 vaccine tracker (Choose vaccines tab, apply filters to view select data)". Milken Institute. 16 November 2020. Retrieved 9 November 2020. Lay summary.
5. "Draft landscape of COVID 19 candidate vaccines". World Health Organization. 12 November 2020. Retrieved 16 November 2020.
6. "Pfizer and BioNTech Announce Vaccine Candidate Against COVID-19 Achieved Success in First Interim Analysis from Phase 3 Study". Pfizer. Retrieved 9 November 2020.
7. "Moderna: Covid vaccine shows nearly 95% protection". BBC. Retrieved 16 November 2020.
8. "AZD1222 vaccine met primary efficacy endpoint in preventing COVID-19". www.astrazeneca.com.
9. "Oxford University breakthrough on global COVID-19 vaccine". www.research.ox.ac.uk.
10. Larson HJ. Japan's HPV vaccine crisis: act now to avert cervical cancer cases and deaths. Lancet Public Health. 2020 Apr;5(4):e184-e185. DOI:https://doi.org/10.1016/S2468-2667(20)30047-5

がん治療専門ドクター/癌ゲノム医療/新興感染症          Science Published on November 2020. by 京都@Takuma H


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