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日本における、オミクロンtype SARS-CoV-2 BQ.1.1 variantとXBB variantに対する抗体価の検討

mRNA based COVID-19 vaccine (BNT162b2)のオミクロンtype SARS-CoV-2 BQ.1.1 variantとXBB variantに対する抗ウイルス効果を検証するため、私達の医療チームは、オミクロンtype SARS-CoV-2の感染者から分離されたBQ.1.1 variantとXBB variantに対するBNT162b2接種者の血漿中の抗体*の中和活性を検討した。その結果、従来株、BA.2 variant、あるいはBA.5 variantに対する血漿中の抗体の中和活性と比較して、BQ.1.1 variantとXBB variantに対する血漿中の抗体の中和活性は、顕著に低かったことが明らかになった。

さらに、私達の研究チームは、BNT162b2の3回目接種後にBA.2 variantに感染した患者、つまり、BA.2 variantブレークスルー感染者の血漿中の抗体を用いて、BQ.1.1 variantとXBB variantに対する中和活性を検討した。その結果、従来株、BA.2 variant、あるいはBA.5 variantに対する血漿中の抗体の中和活性と比較して、これらの血漿中の抗体のBQ.1.1 variantとXBB variantに対する中和活性は、顕著に低いことが明らかになった。しかし、ほとんどの血漿中の抗体は、低いながらもBQ.1.1 variantとXBB variantに対する中和活性を有していることが判明した。

*臨床研究では、BNT162b2の3回目の接種してから1~2ヵ月経過した小児(5~11歳)から採取した血漿中の抗体が使用された。

Published on JAMA Pediatrics in Jan. 22, 2023 by Kyoto@takumaH

がん医療専門ドクター/新興感染症専門ドクター 

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