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日本人の進行性・再発性膵臓癌における生殖系列BRCA pathogenic variantsの状況

Boursiらは、2つの大規模なデータセットを使用して、BRCA1関連PDAC患者とBRCA2関連PDAC患者の転帰を比較した。 臨床研究では、プラチナに曝露された患者において、BRCA2 pathogenic variants (PVs) は BRCA1 PVs と比較して生存期間の改善と関連していることが示されています。

Boursiらは、更に、この研究には、生殖系列BRCAPVとPDACの診断を有する患者234人が連続して同定された(BRCA2が165人[70.5%]、BRCA1が69人[29.5%])が含まれていたと述べている。 この研究には、BRCA1 PV を有する患者の小さなサブグループなどの制限がありました。

2019年12月から2023年9月までに日本の国立大学におけるがんゲノム医療におけるがんゲノムパネル検査(OncoGuideTM NCCオンコパネル検査(理研ジェネシス社,日本):813例、FoundationOne® CDx検査(MFI社、米国):2,718例)を用いて、延べ3,531例の治療法が検討されました。日本遺伝子診療学会では、55遺伝子(APC, BRCA1/2, CDH1, CDKN2A, CHEK2 etc)が、遺伝性がんの原因遺伝子とされている。OncoGuideTM NCCオンコパネル検査と異なって、FoundationOne® CDx検査は、血液より採取された造血系細胞を用いた生殖系列遺伝子の検査は行われない。したがって、FoundationOne® CDx検査によって、これらの55遺伝子において、variant allele fraction (VAF) の数値が40%以上のpathogenic Variantsが検出された症例に対して、遺伝性がんの発症が疑われます。

これまで、癌ゲノム医療で、進行性・再発性膵臓癌509症例に対する治療法を検討するために、癌ゲノム遺伝子パネル検査が行われた。癌ゲノム遺伝子パネル検査によって検査された進行性・再発性膵臓癌509例のうち68例が、生殖系列BRCA 2 pathogenic variantsを有する膵臓癌と診断された。癌ゲノム遺伝子パネル検査を用いた癌ゲノム医療で、私達は、gBRCA 1 PVsを有する膵がんの症例を検出したことが無い。Boursi et alが報告しているように、日本の膵臓癌患者においても、gBRCA 2 PVsと比較して、gBRCA 1 PVsが認められる膵臓癌の症例は、非常に低いです。つまり、膵臓癌の発症にgBRCA PVsが関与していることは明らかです。gBRCA PVsが認められた進行性・再発性膵臓癌に対して、PARP阻害剤(olaparib、Niraparib)が投与されるが、奏効性は高くない。進行性・再発性膵臓癌に対する治療法を確立するために、さらなる臨床試験が行わなければならない。

We do not have potential conflicts of interest.

Doctor specializing in cancer genome medicine

Published in JAMA Network in December 10, 2023 by Kyoto@takumaH


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